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データベース「世界と日本」(代表:田中明彦) SDGs地図集(2021年度版) SDGs地図集(2020年度版) |
政策研究大学院大学(GRIPS) 東京大学東洋文化研究所 |
2015年9月国連総会で採択された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)は、17の目標からなっており、2030年までに世界各国の共通の目標として設定された。SDGsの前身ともいうべき「ミレニアム開発目標」(MDGs)が8目標からなっており、しかもそれらが開発途上国の目標とされていたのにくらべ、SDGsは、世界中すべての国の共通目標であり人類の課題のきわめて多くをカバーする包括的な目標群となっている。17の目標のそれぞれに複数のターゲットが設けられ、それぞれのターゲットの実現をモニターする指標が設定されている。2020年現在、17の目標のもとに169のターゲットと231の指標が存在している。したがって、一言でSDGsといっても、それぞれの目標ごとに世界各国の状況は多様である。しかし、個別の国の状況のみに着目しているばかりでは、それぞれの置かれた状況が世界的にみてどの程度深刻なのか、目標達成可能性はどれほどあるのかなどはよくわからない。各国の状況を把握するためにも、世界全体の状況を把握しなければならない。しかしながら、数値データを見ているだけで、世界全体の状況を把握することはなかなか困難である。
したがって、本地図集「SDGs地図集」では、17のSDGそれぞれについて、複数の関連する指標を世界地図上に可視化して、一目で世界の現状の概略が観察できるようにした。可視化の方法として採用したのは、コロプレス地図(塗り分け地図)とバブル地図の2種類である。データとして、複数カテゴリーのもの、割合を示すもの、負の値から正の値にわたるものなどは、おもにコロプレス地図で表し、他方、絶対的な量が重要だと思われるデータはバブル地図でそれぞれの国の状況を表した。コロプレス地図の場合、面積の小さい国の色がわかりにくくなるため、面積1万平方キロ未満の国については、同一の○で表し色で値をしめしている。できるかぎり最近の同一年のデータで地図化しようとしたが、年によってデータの存否にばらつきがある場合が多い。その場合は、2000年まで遡ってそのなかから直近のデータを利用した。地図のタイトルに「最近年」とあるのは、そのようなケースである。国ごとの使用年は、csvファイルを参照してほしい。 データの存在しない国については、コロプレス地図でもバブル地図でも国を灰色にした。コロプレス地図の小さい国の場合も○が灰色になっている。色の使い方など工夫してできるだけ見やすいように作成したつもりであるが、改善の余地は多々あると思われる。コメントいただけると幸いである。なお、使用したデータは、csvファイルとして掲載してある。 データのほとんどは国連のDepartment of Economic and Social Affairs, Statistics・SDG Indicators Database(https://unstats.un.org/sdgs/indicators/database/)の2022年4月現在のものを使用した。このデータベースからのデータについては、出典をSIDと記し()内にGSIDで使用されているコード名を記してある。それぞれの指標についての定義や解説は、SIDのウェブサイトから確認することができる 地図作成に使用したソフトウェアは、Rであり、とりわけHadley Wickham氏が中心となって開発したtidyverseパッケージ(特にggplot2)である。これらのソフトウェアの使って田中明彦と池田恭子で地図を作成した。 |