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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] クアラ・ルンプール技能開発行動計画(APEC首脳宣言別添)(骨子)

[場所] クアラ・ルンプール、マレイシア
[年月日] 1998年11月18日
[出典] 外務省
[備考] 骨子、外務省仮訳
[全文]

背景

1.人材養成は持続的経済成長の鍵となる要素。シアトル非公式首脳会議のビジョン(教育・

研修プログラムの改善は、人々の福祉向上につながる技能を提供する等)。

2.94年ジャカルタ閣僚会議で以下を内容とする人材養成フレームワークを採択(ソウル宣言の再確認)。

・人材養成、経済成長、雇用促進、生活水準向上の諸問題に調和のとれた形で取り組む必要性を確認。

・メンバー・民間部門等が協調的な人材養成の価値・必要性を確認。

・官民両部門における人材養成にガイダンスを与える公的部門の役割の重要性を確認。

3.97年APEC人材養成大臣会合は、労働市場と経済環境における変化を調整する手段としての技能開発の重要性を強調。

4.失業者の再訓練は、経済危機による社会的インパクトの軽減等に貢献し得る。

目的

5.「APEC技能開発行動計画」は、技能向上を通じた持続可能な成長及び衡平な発展に貢献。

6.APECにおける技能開発への民間/ビジネス部門の一層の参加奨励。行動計画は、相互尊重・公平、相互利益・互助等の原則を考慮し、メンバーは行動計画に自主的に参加。

戦略的焦点

7.技能開発行動計画は以下の4分野における協調努力に焦点。

(a)産業技能基盤の向上

(b)起業家の育成

(c)新たな千年に向けたテクノロジー技能

(d)貿易・投資の自由化を円滑化する制度的インフラストラクチャーの強化

アプローチ

8.進行中のプロジェクトの実施を促進。技能開発努力はAPECの自主的/共同スポンサーシップにより実施。「前進のためのパートナー(PFP)」も採用可能。

9.持続的な資金供給は重大な問題。可能な場合にはビジネス部門の参加を模索。TILF行動の主たる裨益者として、民間/ビジネス部門の貢献を慫慂。

10.技能開発における官民「スマート・パートナーシップ」を慫慂。市場機能を用いたアプローチによりビジネス部門の参加を拡大。

11.APEC技能開発センター・ネットワークによる協力の活用。

結論

12.技能開発行動計画は、この地域の経済成長のための潜在能力の最大化及びこの地域の人々の福祉向上に寄与。