データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] WTO交渉についての声明(第15回APEC首脳会議)

[場所] シドニー
[年月日] 2007年9月9日
[出典] 外務省
[備考] 外務省仮訳
[全文]

 我々、すなわち、そのメンバーが世界貿易の50%近くを占めているAPECフォーラムの首脳は、WTOのルールに基づく世界貿易体制の重要性及びドーハ・ラウンドを早期かつ成功裡に妥結させるための決意を強調する。

 2001年の交渉の立ち上げ後、我々は、経済目的及び重要な開発目的を進展させるのに最良の方法として、ドーハ・ラウンドのあらゆる側面について実質的な成果を強く求めてきた。この交渉は、より良い貿易環境を創出し、貿易障壁を下げ、より自由かつ公正で安全な、我々皆が競争できる世界市場を創出するために、比類のない可能性を提供する。

 我々は、農業及び工業品、そしてサービスに対する真の実質的な市場アクセスや貿易歪曲的農業補助金における真の実質的な削減をもたらす野心的かつバランスの取れた結果をベースすることによってのみ、コンセンサスが達成されると主張する。これは、途上国を含めたすべての国の利益となる新たな貿易の流れをもたらすだろう。

 我々は、かつてないほど交渉を進展させる喫緊の必要性があるという貿易担当大臣会合の見解を支持する。

 ドーハ・アジェンダは幅広いが、現段階では包括的な成功は農業及び工業品における早期の進展に決定的に依拠している。これらの分野では真の進展が見られており、我々の確信は残された立場の違いは成功裡に埋めることができるというものである。

 集中的な交渉がジュネーブで再開した。我々は、ドーハ・ラウンド交渉が、今年最終局面に入ることを確保するとの政治的意思、柔軟性、野心を約束する。我々は、WTOのパートナーに対し、この極めて重要な取り組みに参画するよう呼びかける。

 この目的のため、我々は閣僚及び政府関係者に対し、農業及びNAMA(非農産品市場アクセス)の交渉議長によって発出されたテキスト案をベースに交渉を再開するよう指示する。我々は、我々のパートナーに対し、この点についても同様に行動するよう求める。