データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日米APEC協力に関するプレス・ステートメント

[場所] オタワ・カナダ
[年月日] 2010年3月29日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文]

 日本及び米国は、2010年及び2011年のアジア太平洋経済協力(APEC)議長として、アジア太平洋地域の成長と繁栄に貢献するための実質的成果を達成するため、緊密に協力している。日米両政府は、他のAPECエコノミーと共に、地域経済統合を更に前に進めるべく、実践的・具体的アプローチをとりながら緊密に連携している。日米は、また同地域の新たなる成長パラダイムの構想においても協力し、より均衡ある、あまねく広がる、環境面でも持続可能で、革新的な成長を推進しようとしている。日米は、APECがアジア太平洋地域、更には世界の経済的繁栄のための推進力であり続けるよう、指導力を発揮していく決意である。

 日米は、他のAPECエコノミーと連携しながら、協力のための新たなアイデアを生みだし、具体的成果を出していくことを期待する。今日、岡田外務大臣とクリントン国務長官は、人間の安全保障を強調しつつ、APECにおけるより幅広い成果を支えるいくつかの具体的イニシアティブについて、二国間で協力して取り組んでいくことを確認した。

 ・我々は、APECが、農業生産性と食料の安定供給の持続的な向上及びアジア太平洋地域における農業関連の貿易・投資の円滑化に向けた具体的かつ意義のある行動を確実に計画・実施すべく、協力する。

 ・我々は、女性企業家サミットを実施し、政策や人的・資金的資源の問題に対処し、アジア太平洋地域における企業家及びビジネス指導者としての女性の潜在力を引き出すことを促進する。

 ・我々は、アジア太平洋地域のエコノミー、特に小島嶼エコノミーが気候変動の影響に適応するための準備を助ける機会を模索し、気候変動問題への取組において協力する。

 ・我々は、アジア太平洋地域における災害の備えについての協力を強化し、特に官民連携及び防災専門家のネットワークづくりに焦点を当て、2010年1月に神戸で開催された第4回APEC防災フォーラムの成果を踏まえ、2011年に米国で開催される第5回フォーラムで更に議論を深めていく。

 これらの措置に加え、日米は、2010年及び11年の議長として、APECという組織の運営能力を向上させるために緊密に連携し、説明可能性及び効率性を改善し、またプロジェクトや活動がAPECの主要優先事項と一体のものとなるようにしていく。