データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 環太平洋パートナーシップ首脳声明

[場所] 
[年月日] 2011年11月12日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文]

 我々、オーストラリア、ブルネイ、チリ、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、アメリカ合衆国、及び、ベトナムの首脳は、本日、我々9か国の間で環太平洋パートナーシップ(TPP)の大まかな輪郭を発表することを嬉しく思う。貿易及び投資を自由化し、新旧の貿易に関する問題や21世紀の課題に対応する包括的で次世代型の地域協定をつくるという共通のビジョンについて、画期的な成果を上げたことを喜ばしく思う。我々は、この協定が、我々の間の密接な関係を促進し、我々の競争力を強化し、我々の消費者に利益を与え、さらに、我々の国において、雇用の創出や維持、より高い生活水準、そして貧困の削減を後押しすることで、将来の他の自由貿易協定の野心のモデルになるであろうことを確信している。

 我々は、この成果やこれまで成功裏になされた作業に基づき、ここホノルルにおいてこの画期的な協定をできるだけ早く妥結できるよう、必要なリソースを投入することを約束した。同時に、我々は各国により様々に異なるセンシティブな問題の交渉が残されていることを認識し、各国の多様な発展のレベルを考慮しつつ、包括的かつバランスのとれたパッケージの文脈の中で、これらの問題に対処する適切な方法を見出す必要があることに合意した。そのため、我々は交渉チームに対し、12月初めに会合を開き、作業を継続するとともに、2012年における追加的な交渉会合の日程を調整するよう指示した。

 我々は、太平洋地域での自由貿易につながる道をつけるという最終目標に向け、今発表することが出来る進展について喜びを感じている。我々は、この地理的にも経済発展のレベルにおいても多様な9か国によるパートナーシップを、この地域の他の国に広げることへの強い関心を共有している。協定の妥結に向け進む中で、我々は、交渉チームに対し、TPP参加に関心を表明した他の環太平洋のパートナーの将来的な参加を促進するため、これらのパートナーとの対話を継続するよう指示した。

(了)