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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第6回APEC食料安全保障担当大臣会合共同閣僚声明

[場所] オンライン会合
[年月日] 2021年8月19日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文] 

我々、APEC食料安全保障担当大臣は、2021年8月19日に会合を行い、太平洋経済協力会議(PECC)、東南アジア諸国連合(ASEAN)、太平洋諸島フォーラム(PIF)事務局、APECビジネス諮問委員会(ABAC)及び民間セクター代表の参加を歓迎した。

我々は、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)のパンデミックによる、APEC地域の全ての人々の福祉と安全、特に、食料安全保障とサプライチェーンへの継続した影響を認識する。我々は、APECが差し迫った世界的な健康危機と前例のない経済危機への対応を重視していることを支持する。我々はパンデミックからの復興に際し、食料、農業、漁業セクターにおける小規模生産者のような中小零細企業(MSMEs)を支援することで変化に適応する必要がある。我々は誰一人取り残さないことを決意する。

我々は、2021年策定の2030年に向けた食料安全保障ロードマップ(以下、ロードマップ)が、デジタル化とイノベーション、生産性、包摂性及び持続可能性に焦点を当て、全ての人々のために十分な量の、安全な、栄養ある、アクセス可能で安価な食料を保障するという目的を達成するために、APECエコノミーが共に追求する行動と目標を特定することに留意する。

我々は、ロードマップが、我々の資源を最大化し、農村、遠隔、沿岸地域の生計を改善し、APEC地域の潜在力を最大限に引き出すために不可欠であるMSMEs、女性、若者、先住民のコミュニティと高齢者の本セクターへの包摂を促進することに留意する。

我々は、ロードマップを歓迎し、承認する。

我々は、ロードマップの実施における民間セクター関与を歓迎し、奨励する。民間セクターは、食料安全保障の達成を助ける基礎である。

我々は、ロードマップが、APECプトラジャヤビジョン2040と整合し、その3つの経済的推進力(貿易と投資、イノベーションとデジタル化、力強く、均衡ある、安全で、持続可能かつ包摂的な成長)により、達成に貢献することに留意する。

我々は、国連、その専門機関及びWTOを含む、他の関連する国際及び地域機関とAPECの継続的関与の重要性を強調する。

我々は、特に、来たる国連食料システムサミットとSDGs達成に向けたその取組を歓迎するとともに、目標への万能(onesizefitsall)な解決法は存在しないことを認識する。

我々はより生産的で持続可能で包摂的な食料システムを支持するためのAPECの補完的な取組を強調する。

我々は、食料安全保障のための政策パートナーシップ(PPFS)副議長としてのABACの継続した役割を評価し、官民セクター間でのハイレベル対話の継続を奨励する。我々は、その支援のため、PPFSの機能の見直しを行うよう事務方に指示する。我々は、食料安全保障に関する政策パートナーシップ、農業技術協力作業部会、農業バイオ技術ハイレベル政策対話及び海洋・漁業作業部会の会合の成果に留意する。

我々は、ニュージーランドの2021年APECの主催に感謝する。

共に参加し、共に取り組み、共に成長する