[文書名] 山口壯環境大臣閣議後記者会見録
1.発言要旨
おはようございます。私から、本日の閣議で、さきの通常国会で改正した温暖化対策法の施行期日を本年7月1日と定める政令等を決定しました。脱炭素化支援機構の創設に向けた準備作業に引き続き万全を期してまいります。
このほか、私からは発言させていただくのは2点です。環境省組織令の改正及び環境省幹部人事について、そして、食とくらしの「グリーンライフ・ポイント」推進事業についてです。
はじめに、本日の閣議において、環境省組織令の一部を改正する政令を閣議決定しました。また、環境省幹部職員の任免が了承されたので、御報告します。発令日は7月1日付けです。今回の組織令改正では、地域の脱炭素化に向けた支援体制を強化するため、7月1日から「地域脱炭素推進審議官」を配置するとともに、地域脱炭素推進審議官グループとして、「地域政策課」、「地域脱炭素事業推進課」、「地域脱炭素政策調整担当の参事官」を設置します。
次に、人事についてお知らせします。中井徳太郎環境事務次官、正田寛地球環境審議官及び室石泰弘環境再生・資源循環局長の勇退を認めます。環境事務次官の後任に和田篤也総合環境政策統括官を、地球環境審議官の後任に小野洋地球環境局長を充てます。総合環境政策統括官の後任に上田康治大臣官房地域脱炭素推進総括官兼内閣官房内閣審議官を、地球環境局長の後任に松澤裕水・大気環境局長を、水・大気環境局長の後任に秦康之福島地方環境事務所長を、環境再生・資源循環局長の後任に土居健太郎同局次長を充てます。また、新たに設ける大臣官房地域脱炭素推進審議官に白石隆夫大臣官房審議官を充てます。原子力規制委員会の関係では、荻野徹原子力規制庁長官が勇退され、後任として、片山啓原子力規制庁次長を充てます。
なお、勇退する中井環境事務次官は、環境省顧問に就任してもらいます。正田地球環境審議官、室石環境再生・資源循環局長は、環境省参与に就任していただきます。詳しくは配布資料を確認してください。
それから、食とくらしの「グリーンライフ・ポイント」推進事業について、環境配慮商品やサービスを選択した場合にポイントを発行するプロジェクトへの支援を通じて、消費者の環境配慮行動を促す、食とくらしの「グリーンライフ・ポイント」推進事業について、一次公募の採択結果を本日発表します。幅広い主体に応募いただき、イオンモール、楽天、NTTドコモなどの大手事業者、自治体、まちづくり団体など、26件の企業、自治体を採択しました。採択事業の中には、東京電力エナジーパートナーによる、蓄電池ユーザーの節電協力に対しポイントを発行する取組など、現在、政府一丸となって取り組む電力需給対策に貢献するものもあります。詳細については配布資料を御覧いただきたいと思います。本事業を通じて、引き続き、国民の前向きで主体的な行動変容を促してまいりたいと思います。以上です。
2.質疑応答
(記者)幹事社、読売新聞の高梨と申します。よろしくお願いいたします。発表いただきました組織令の一部改正についてお尋ねしたいんですけれども、今回の組織令一部改正による新組織や審議官の皆さんに期待なさっているのはどんな点でしょうか、お聞かせください。
(大臣)2050年にカーボンニュートラル、あるいは2030年度の温室効果ガス削減目標の達成に向けては、全国のあらゆる都道府県、あるいは市区町村に、地域の脱炭素化に取り組んでいただくことが必要です。これまでの環境計画課1課の体制を、7月から新たに地域脱炭素推進審議官グループを設置し、2課1参事官の体制に強化するという形になります。今年1月から私、あるいは副大臣、あるいは政務官の方々に地域の様々な関係者と意見交換を行わせていただく全国行脚を行ってきた次第です。地域の脱炭素化の必要性というのは、今かなり共有していただいているんじゃないかなというふうに実感しています。一方で、財政支援、あるいは人材の育成、あるいは、きめ細やかな情報提供など、脱炭素ドミノの実現に向けた課題についてもこれから更に道は続くんだと思います。こういう課題に対応して、地域の機運の高まりにしっかりと応えていくため、今回の体制強化によって 地方の脱炭素の取組をこれまで以上に強力に支援していきたいと思います。
(記者)NHKの岡本です。グリーンライフ・ポイントについてですけれども、5月にまとめられた炭素中立小委の中間整理でもライフスタイルの変容というところが謳われていたかと思います。そうした環境政策、今後進めていく中でのこの事業の位置づけと、それを通して呼びかけたいことを改めてもう少し詳しくお願いします。
(大臣)節電、省エネというのが温暖化対策として非常に重要だということがまずあると思います。環境省としても熱中症予防に留意しつつ、エアコンの適切な利用、あるいは省エネ家電への買換え、省エネ効果の高い窓のリフォームなどの取組を国民の皆様に呼びかけてきているところです。先ほど、ご紹介したグリーンライフ・ポイント事業においても東京電力エナジーパートナーによる蓄電池ユーザーによる節電協力へのポイント発行という取組を支援することとしています。そういう意味で、電力需給対策については、これは経済産業省を中心に更に検討を進められているわけですけれども、環境省としてもこうした取組を行いつつ、節電の推進に協力していこうという趣旨です。詳細は、是非事務局のほうに問い合わせていただければと思います。
(記者)脱炭素社会の実現に向けてはどうでしょう、この事業が目指すものというのはどういったところか教えていただけますでしょうか。
(大臣)最近は、脱炭素国債20兆とか、そういう意味でクリーンエネルギー戦略に関わるものというものが大きかったと思いますけれども、やっぱりこの省エネ、あるいはこのエネルギーの節約、そういうところも非常に大事な部分ですから、環境省的にはその部分にも焦点を当てた事業としてこのグリーンライフ・ポイント事業というものを捉えています
(記者)毎日新聞の岡田です。ドイツがですね、天然ガスの消費を抑える代わりに、石炭火力発電の稼働を増やす緊急措置を決めました。26日からG7のサミットが控えておりますけれども、化石燃料に一時的な回帰をする中で、環境大臣としてこの気候変動対策への影響、1.5度目標に向けてどんな協力ができるかというところについてサミットに向けてお考えをお聞かせいただきたいんですけど。
(大臣)いろいろな技術的ポイントもあるかもしれません。先般、新聞で、IHIだったかな、アンモニアで発電すると。今、JERAのほうで石炭に混焼するという実験を始めているわけですけれども、そういう意味では、いろいろな技術の進展というのがあるんだなというふうには思います。他方、現下の状況を踏まえて、ドイツはドイツなりのいろいろな対応をとっているんでしょうけれども、これについて言ったら、今いろんなことが起こっていますよね。ロシアから中国への石油だと6倍に増えているとか、インドでも3倍増えているとか、制裁して、その分がそっちに行っているんでしょうけれども。そういう意味では、単に技術の話のみならず、ジオポリティカルな動きというのがあるように思うので、あまり単純に捉えないほうがいいのかなと。G7で首脳が集まる際には、この戦後の秩序全般を見渡した議論をしてもらいたいなという気はします。ロシアという安全保障理事会の常任理事国が、武力の行使という国連憲章で禁止されていることを堂々と行っている、このことについては全人類の課題として取り組んでいく決意みたいなものを示さないと、という気はします。化石燃料の話も環境省としては非常に気になるところですし、そういう意味では我々も技術の進歩というものも交えながら、いろいろな意味で貢献できるところは貢献していくということはあるとは思うんですけれども、更に大きくは、戦後の秩序が非常に根底から揺らいでいるというところで、やっぱり結束してどういうふうに戦争を防いでいくのか、あるいは、これをどういうふうに平和をもう一度取り戻すのか、そういう議論を、G7で心合わせしなければいけないのかなというふうに思います。さっき申し上げた、ロシアの化石燃料が中国へ6倍とかインドに3倍とか、中国とインドというのはG7ではないわけだから、そういう意味で、G7と違う世界があるわけです。それをBRICSというのか何というか。BRICSといったらブラジルとか南アフリカはちょっと一緒にしないでくれと言うかもしれないけれども、やっぱりG7で全部カバーしきれない状況があるわけだけれども、やっぱり世界を引っ張っていく気概をもって、自覚を持って、G7での議論は、この化石燃料の話プラス平和をどう取り戻すのか、あるいは平和をどうつくっていくのかという議論を併せやらないと、今回のロシアのウクライナ侵略に対する取組としては十分なものにならないような気がするんです。ですから、環境省としてはそういう意味で、この化石燃料をどんどん増やされるというのは、それはもちろん対応しなければいけないけど、そこは技術の問題で日本が貢献できるところは貢献する、というふうに捉えています。
(記者)関連して、先日、若者との意見交換があった中で、石炭火力についてのお話の中で、アンモニアの混焼では不十分だということをお話の中で大臣がおっしゃっていたんですけれども、日本は石炭火力については、アンモニアの混焼とか水素とかCCUSとか、そういったもので削減対策していくという方針です。改めてそこについて真意といいますか、確認しておきたいのですが。
(大臣)私が申し上げたのは、早くやっていただけるように、申し訳ないですが、尻を叩かせていただいていると。今まで24年までに実験を終えてということでしたが、23年までにということで繰り上がったように聞いています。そういう意味では、意を受けていただいている面は感じるんですけれども、やっぱりもっともっと早くしていただきたいなと。石炭の火力発電というものをできるだけ切り替えていくような、そういう動きをしていただきたいなということで、決してやっていることは足りないぞという趣旨で申し上げたのではなくて、更に加速していただきたいなと。一部受け入れていただいているというところだと思います。先般の記事というのは、私も読んだだけだから、実際見てみたいし、聞いてみたいしということですけれども、アンモニアで発電ですが、アンモニアたくさん作らなければいけないわけですよね。そういう意味では、それをどう作ってどう貯蔵してどう運搬してと、いろいろなことを全部考えなければいけないと思います。それが、脱炭素国債20兆円の意味だとも思いますけれども、だから、そういうものを全部合わせてグランドデザインを今描きつつあるところで、したがって、JERAの話というのも、加速してくださいという気持ちで申し上げました。
(記者)時事通信の真島と申します。幹部人事に関してお伺いしたいんですけれども、今回で中井次官が退任されて、新しい次官に和田総合環境政策統括官が就かれることになりました。中井次官の功績、そして新体制に関して期待されること、大臣、お願いいたします。
(大臣)中井さんも大蔵省に入省されて、そして、いわゆる行政官として本当に立派な仕事をされたと思います。私自身もイギリス大使館で勤務したときに、中井さんも一緒におられて、そういう意味では、長い付き合いの中で本当に行政官として、目いっぱい体を張って仕事をされたと思います。そういう意味で、彼も万感胸に迫るところかと。俺もそうですよ。別れはつらいけどね。まあでも、役所ですからね。和田さんもしっかりされているし、頑張っていただきたいなと。イギリス大使館からの出会いでしたけど、本当にいろいろな意味で、一緒に仕事をしてきた時間というのは本当に長いです。大きな功績をね。環境省は本当に大きくなったと思いますし、中井さんが残された功績というのは本当に大きいと思います。役所ですから、誰がなっても、きちっと進化していくというところですから、和田さんには、また更に脱炭素ドミノを、あれは日本が環境を切り口に、新しい秩序を作っていくというところを一緒に頑張らせていただきたいなと思っています。それはどの人事についても一緒です。
(記者)TBSテレビの緒方です。一部報道で、グリーンライフ・ポイントの、ポイント発行の規模について、発行額は商品価格の1%から5%という報道があるのですが、ポイント、今回の26団体を見ると、例えば、スプーンだったりフォークだったり、そういった物自体から、例えば蓄電池だったり、結構幅広いものがポイントの対象となっていると思うのですが、この1%から5%は、例えば、こういった商品に対しては1%、こういった商品に対しては5%など、具体的に分かりやすく決まっているものはあるのでしょうか。
(大臣)私自身、ちょっと詳細は必ずしもつまびらかでないんですけれども、そういうことを実行する際の準備に対して補助していくという仕組みですから、ちょっとそのパーセンテージのことについては、それぞれのされるところがお決めになるのではないのかなと。我々はそういうことをやっていくというところに、会社とか自治体とか、そこにサポートさせていただくという趣旨のお金だというふうに認識しています。
(記者)そうすると、商品に対して1%から5%ということではなく、その事業者に対して1%から5%ということですか。
(大臣)ごめんなさい。ちょっとそこは私、つまびらかじゃないんで申し訳ない。事務局に聞いていただければありがたいです。
(記者)環境新聞の小峰です。先の防衛省の幹部人事ではですね、岸信夫防衛大臣が推薦していた島田和久次官の留任が、首相官邸の横やりで認められませんでした。日本は米国と違い、官僚人事は政治任用ではありません。なのにですね、各省のトップの大臣の意向が無視されたという状況を、山口大臣は、よその省庁のことですけれども、官僚組織そのものにとって大変に、この霞が関で大きな話、国民にとっても大きな話なので、この辺のところの所感をお聞かせください。
(大臣)私がいた組織というのは、外務省ですから、外務省の事が一番よく分かるのですが、2年間防衛庁には出向していました。今の次官がちょうど1年生ぐらいのときだったのだと思います。そういう意味では、みんな顔なじみの方々の名前が聞こえてくるわけですけれども、私は、内閣人事局というものを、これは、民主党時代に作ったもので、これは民主党の功罪がいろいろ言われるわけですけれども、内閣人事局については、私は、かなりいろいろな意味で工夫をしなければいけないのではないかなという気はしています。というのは、外務省で、例えば人事が行われるときに、日本から一番遠いところの1つはアフリカだと思いますけれども、その中で危険なところに行く場合もある、あるいは誰も知らないみたいなところに行くと。そのときは、外務省の場合は、どこかで誰かが必ず見てくれているという確信があったんですね。安心感もありました。ですから、別に腐ることなく、どこであろうと行ったんです。でも、内閣人事局がそこまでカバーできるのかと。そこは、私は若干疑問がありますね。ですから、民主党が決めたこと、やっぱり改めるべきところは改めたほうがいいと思います。そういう意味では、役所で勤めているときに、やはりそこは山あり谷ありですから、それを全部見てきた人が決めていく、それでないと安心感は出ないと思うんですよ。何か急に誰かが決めるということじゃ、やっぱり、役所として、じゃあその決める人のところばっかり向いていようかなと。これじゃあ、やっぱり行政の組織として、私はよくないなという気はしています。だから、どこにいようと一生懸命みんなが仕事をして、それは、内閣人事局の方を見て仕事をするのではなかったですね。内閣人事局は、外務省の何千人もいる人事のみならず、だって、それは幹部の人事だけ決めるんじゃないですからね。幹部になる人というのは、1年生の時からずっと苦労して上がってくるわけですから、それを全部見据えた上で人事をやっているわけですから、役所は。だから、そういう意味では、急にどこかからぽーんと声があり、これがいいだの悪いだの、これはもう、よっぽどの事がない限り口を挟まない。でないと、やっぱりモラールが低下しますよね。霞が関の一人一人が大志を抱いて、行政の組織に来ているわけですから、その中でつらいときも苦しい時も乗り越えてきているわけですから、それを全部見てきたところがその人事を決めていく。これが当然の姿ですよね。それが原則ですよね。その原則に対する例外は、それをやればまずいと、それをやるのは国民のためにならないと、それをやるのは国家にとってマイナスだという、相当な理由がない限り、口を挟むべきではないと。だから私も、環境省の人事については口を挟んでいません。そこが、政治と行政のきっちりしたけじめですよね。議院内閣制ですから、行政と国会というのは微妙にくっついているわけですけど、やっぱり、けじめを持っていなければいけないですね。行政はやっぱり、ある意味で生き物ですから、機械じゃないですから。部品をぱっぱと取り換えれば同じ、そうじゃないですよ。そこには感情があり、いろいろなものがあるわけですから、それをやっぱり大事にしていく。それを全部分かった上で人事をするから、皆は納得するんですよね。だから、外務省の我々の先輩、あるいは同僚、みんな言っていますよね。必ず誰かが見てくれているからと。そういう感覚が大事ですよね。それは外部にいたら分からないんです。ということだと思います。
(記者)沖縄タイムズの新垣と申します。よろしくお願いします。アメリカの環境保護庁が、有機フッ素化合物、PFOS、PFOAのですね、飲料水の生涯健康勧告値という基準を設定しているんですけれども、これは今まで、1リットル当たり70ナノグラムしていたものを、PFOAに関しては0.004ナノグラム、PFOSを0.02ナノグラムということで、かなり大幅に水準を引き下げています。今、日本政府は、このアメリカ環境保護庁の70ナノグラムという、もともとの基準の値を参考に、1リットル当たり50ナノグラムというものを設定しているのですが、そのアメリカ側の基準の見直しで、今後、日本政府の対応も変わってくるかと思いますが、その点について、大臣のご見解と環境省としての今後の対応をお伺いします。
(大臣)このEPA環境保護庁の数字というのは、今までも参考にしてきましたから、これからもこういう新しい数字が出たことの背景とか、合理性とか、いろいろと検討したいと思います。
(記者)ありがとうございます。これはいつまでに何かその結論を出すとか、そういう方向性は出ていないですか。
(大臣)それは出ていません。
(記者)エネルギーと環境、エネルギージャーナル社の清水です。人事についてですが。今環境省は、さっきおっしゃったように、脱炭素先行地域とか、そしてその財源を確保するためのいろいろな対応をしなければいけない、まさにその政治的にも大きな課題だと思います。そこで、財務省出身の次官を3年目だということで、交代させるという、その政策の一貫性というか、そこが非常に危惧されるわけですけれども、それをどういう具合に大臣は認識されて、今回交代ということにしたのか。それからもう1点、環境省と財務省には長い間たすき掛け人事があるようですけれども、やっぱり、こういう時期は、財政的なことに強い出身の人が重要じゃないかなと思うのですが、その辺、どうですか。
(大臣)まず、たすき掛け人事については、今の環境省にも財務省出身の方々は何人もおられますし、そこはそういうことだと思います。それから、政策の一貫性というのは、行政の組織ですから、それは人が少々変わっても、政策の一貫性はきっちり保てます。何もそこは心配していません。だから、私は内閣人事局との絡みで防衛省の話になったから、外務省の話をしましたけれども、環境省については、こうやって人が定期的に変わる中で、行政の政策の一貫性というのは淡々と保っていく。それが当然のことです。私もね、一斉に人事をやっているという、そこは若干、本当は疑問があるんですけどね。外務省の場合なんかは五月雨式に、ずっと年がら年中人事をやっていましたけど。そうしないと、急にどんと変わったら、ちょっと最初、どうしても戸惑いますからね。私なんか新しい部署に行ったら、2か月、若しくは3か月はもう新しい部署で、覚えるのに必死だったですよ。もうファイルを何十冊もめくりまくっていって、いったいどうなっているんだろうなと。だから、慣れるまでに、どうしても2か月か3か月。やっぱり自家薬籠中のものにするのに半年以上かかりますから、一遍に替わるとそれは大変ですけど、でも行政の中で働いている一人一人はものすごく優秀ですから、そういう意味では私は何も心配していません。これからも環境省は進化していくと思います。それは世の中が求めていることですから。脱炭素ということで、私も微力ながら頑張らせていただいているし。ただ、私だって別に永久に居るわけじゃないですから。でも居させていただいている間に、全力どころか、150%くらいの力を発揮させてもらおうと思って、政治的な動きもさせていただいているわけで、そこは総力戦で挑むのが行政の組織ですから、そういう意味では、何も心配することはありません。
(記者)一部で言われている、次官3年というのは長過ぎるんじゃないかという、官邸筋のようですけれども、そういう単純な理由でこの適任者を決めるというのもおかしいと思いませんでしょうか。
(大臣)まあいろいろな見方があるだろうから、外務省でも、個別の名前を挙げるのはよくないけど、3年やった人はいっぱいいますから、私は、何も3年について違和感はありません。それから、いろいろなことで1年で変わられる方もおられるだろうし、そこは別に2年というふうに決まっていないことはそのとおりですけれども、2年で交代するからといって、それが悪いということではないと思います。