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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 伝染病予防法第十一条埋葬ノ疑義ニ関スル件

[場所] 
[年月日] 1929年2月1日
[出典] 厚生労働省
[備考] 
[全文] 

(昭和四年二月一日)

(衛第三三九号)

(内務省衛生局長あて愛媛県知事照会)

 一月十九日衛防第四六号ヲ以テ御通報相成候福井県ノ照会ニ係ル標記ノ件ニ関シ更ニ左ノ如キ疑ヒ相生シ候条貴局ノ御意見拝承致度及照会候也

1 伝染病予防法第十一条ノ埋葬中ニハ火葬ハ包含セサルモノノ如ク被相考候

   理由

 伝染病患者ノ死体ハ其ノ予防方法ノ完全ヲ期スル為之ヲ火葬セシムルヲ以テ本旨トシ法第十二条ニ於テ命令シ同条但書ニ於テ特ニ除外例ヲ認メタリ

 第十一条ノ死体埋葬ハ第十二条ノ但書ノ基キ警察署カ許可シタル死体ヲ埋葬則チ土葬スル場合ノ消毒方法ヲ主トセル条項ナラント被認随テ其ノ埋葬中ニハ火葬ヲ含マサルモノト解スルヲ正当ナランカト被存

(昭和四年二月一八日 衛防第四六号)

(愛媛県知事あて内務省衛生局長回答)

 二月一日衛第三三九号ヲ以テ標記ノ件ニ付御照会相成候処伝染病予防法第十一条ハ伝染病患者ノ死体ノ取扱ニ際シ病毒散逸ノ危険ナカラシムル為土葬又ハ火葬ニ拘ラス前以テ十分消毒方法ヲ施サシムル要アルヲ以テ消毒方法完了後ニ非サレハ埋葬セシメサル規定ニ有之、法第十二条ハ伝染病患者ノ死体ハ原則トシテ火葬スヘク規定セラレタルモノニシテ之ニ依リ第十一条ノ埋葬ニハ火葬ヲ含マサルモノトスルハ妥当ナラス且ツ第十三条ノ規定ヲ対照スルトキ貴見ノ如クハ火葬ノ場合ハ事前又ハ事後ニ於テ伝染病患者タリシ疑アルトキト雖モ全然之ニ対シ処分シ得サルコトトナリ不合理ト被存候