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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 性病予防法第十一条の疑義について

[場所] 
[年月日] 1949年4月6日
[出典] 厚生労働省
[備考] 
[全文] 

(昭和二四年四月六日)

(防発第五八号)

(各都道府県衛生部長あて厚生省防疫課長通知)

 標記の件に関し高知県より照会あり別紙の通り回答したから貴県に於ても実施に遺憾なきを期せられたい。

(別紙)

(昭和二四年二月一六日 予発第六六号)

(厚生省防疫課長あて 高知県予防課長照会)

 性病予防法第十一条の健康診断命令はその都度これを発し検診を実施するべきものと解するが、実施面においては一度命令を発すれば以後継続的検診の実施も可能なるよう解せられるのでこの疑点につき何分の御回報を煩わしたい。

(昭和二四年四月六日 防発第五八号)

(高知県衛生部長あて 厚生省防疫課長回答)

昭和二十四年二月十六日付予発第六六号を以つて御照会の標記の件に関して、左記理由によりその都度これを発して検診を実施するもので検診が終了したならばその命令の効力は消滅するものと解すべきである。

1 法第十一条の規定は、現に売淫していると疑うにたる十分なる事実がある者に対して初めて強制健康診断命令を発し得るのであつて、この認定はその都度具体的事実に基いて為されねばならない。

2 永続的命令を出した場合は旧花柳病予防法の時と同様定期健康診断制度の復活となり業態者なるものの存在を暗黙の中に認めこれを保護する結果ともなる虞があるのでかかることは、性病予防法の立法の趣旨に反するものである。