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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 伝染病患者に対する社会保険及び生活保護法の適用について

[場所] 
[年月日] 1950年11月4日
[出典] 厚生労働省
[備考] 
[全文] 

(昭和二五年一一月四日)

(衛発第七三七号)

(各都道府県知事あて厚生省公衆衛生・保険・社会局長連名通知)

 標記の件について左記の通り取り扱う方針を定めたから爾後これによつて取り扱われたい。

 なお本通知中「伝染病患者」は、伝染病予防法の適用を受ける疾病の患者をいう。

   記

1 伝染病予防法第七条の規定に基いて、当該吏員〔市町村長(保健所を設置する市に於ては保健所長)又は予防委員〕が伝染病院、隔離病舎その他適当な施設に隔離収容した伝染病患者の治療費は伝染病予防法第二十一条第四号によつて当該患者発生地の市町村が支弁すべきものであり従つて健康保険等社会保険の療養給付の対象にはならない。但し、同法施行規則第三十条の規定に基いて食費及び薬価が徴収される場合にはその額の範囲内に於いて社会保険によつて療養の給付又は療養費の支給を行うものとする。

2 伝染病予防法第七条の規定に基いて、当該吏員が伝染病院、隔離病舎その他適当な施設に収容した伝染病患者のうち食費、薬価を徴収することができない者の治療費は、伝染病予防法第二十一条第四号によつて当該患者発生地の市町村が支弁すべきもので、生活保護法による医療扶助の対象にはならない。

3 前項以外の場合であつて生活困窮者である伝染病患者に要する費用は、伝染病予防法第二十一条第七号によつて当該患者発生地の市町村が支弁すべきもので生活保護法の対象にはならない。但しすでに生活保護法による医療扶助を受けて伝染病院以外の病院に入院している患者が伝染病にかかつた時は引き続き医療扶助によつて治療を受けることができる。

4 伝染病予防法第七条の規定による伝染病院、隔離病舎その他適当な施設(自宅を隔離施設として指定する場合を含む。)への隔離収容を行わず患者又は患家の希望により自宅又は伝染病院以外の病院若しくは診療所に於いて治療を受けている患者であつて、前項に該当する者以外の者の治療費は伝染病予防法の対象にならず、従つて他の疾病の患者と同様に社会保険関係法の適用を受ける。