データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 家畜伝染病予防法

[場所] 
[年月日] 1951年5月31日
[出典] 農林水産省
[備考] 昭和二十六年法律第百六十六号
[全文] 

家畜伝染病予防法

目次

 第一章 総則(第一条―第三条の二)

 第二章 家畜の伝染性疾病の発生の予防(第四条―第十二条の七)

 第三章 家畜の伝染性疾病のまん延の防止(第十三条―第三十五条の二)

 第四章 輸出入検疫等(第三十六条―第四十六条の四)

 第五章 病原体の所持に関する措置(第四十六条の五―第四十六条の二十二)

 第六章 雑則(第四十七条―第六十二条の五)

 第七章 罰則(第六十三条―第七十二条)

 附則

   第一章 総則

 (目的) 第一条 この法律は、家畜の伝染性疾病(寄生虫病を含む。以下同じ。)の発生を予防し、及びまん延を防止することにより、畜産の振興を図ることを目的とする。

 (定義) 第二条 この法律において「家畜伝染病」とは、次の表の上欄に掲げる伝染性疾病であつてそれぞれ相当下欄に掲げる家畜及び当該伝染性疾病ごとに政令で定めるその他の家畜についてのものをいう。

伝染性疾病の種類 家畜の種類
一 牛疫 牛、めん羊、山羊、豚
二 牛肺疫
三 口蹄疫{蹄にていとルビあり} 牛、めん羊、山羊、豚
四 流行性脳炎 牛、馬、めん羊、山羊、豚
五 狂犬病 牛、馬、めん羊、山羊、豚
六 水疱性口内炎{疱にほうとルビあり} 牛、馬、豚
七 リフトバレー熱 牛、めん羊、山羊
八 炭疽{疽にそとルビあり} 牛、馬、めん羊、山羊、豚
九 出血性敗血症 牛、めん羊、山羊、豚
十 ブルセラ症 牛、めん羊、山羊、豚
十一 結核 牛、山羊
十二 ヨーネ病 牛、めん羊、山羊
十三 ピロプラズマ症(農林水産省令で定める病原体によるものに限る。以下同じ。) 牛、馬
十四 アナプラズマ症(農林水産省令で定める病原体によるものに限る。以下同じ。)
十五 伝達性海綿状脳症 牛、めん羊、山羊
十六 鼻疽{そとルビあり}
十七 馬伝染性貧血
十八 アフリカ馬疫
十九 小反芻獣疫{芻にすうとルビあり} めん羊、山羊
二十 豚熱
二十一 アフリカ豚熱
二十二 豚水疱病{疱にほうとルビあり}
二十三 家きんコレラ 鶏、あひる、うずら
二十四 高病原性鳥インフルエンザ 鶏、あひる、うずら
二十五 低病原性鳥インフルエンザ 鶏、あひる、うずら
二十六 ニューカッスル病(病原性が高いものとして農林水産省令で定めるものに限る。以下同じ。) 鶏、あひる、うずら
二十七 家きんサルモネラ症(農林水産省令で定める病原体によるものに限る。以下同じ。) 鶏、あひる、うずら
二十八 腐蛆病{蛆にそとルビあり}{蛆にそとルビあり} 蜜蜂

2 この法律において「患畜」とは、家畜伝染病(腐蛆病{蛆にそとルビあり}を除く。)にかかつている家畜をいい、「疑似患畜」とは、患畜である疑いがある家畜及び牛疫、牛肺疫、口蹄疫{蹄にていとルビあり}、狂犬病、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ又は低病原性鳥インフルエンザの病原体に触れたため、又は触れた疑いがあるため、患畜となるおそれがある家畜をいう。

3 農林水産大臣は、第一項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴かなければならない。

 (家畜の所有者の責務)

第二条の二 家畜の所有者は、その飼養している家畜につき家畜の伝染性疾病の発生を予防し、当該家畜に起因する家畜の伝染性疾病のまん延を防止することについて第一義的責任を有していることを自覚し、家畜の伝染性疾病の発生の予防及びまん延の防止のために、必要な知識及び技術の習得に努めるとともに、家畜の飼養に係る衛生管理その他の措置を適切に実施するよう努めなければならない。

 (国及び地方公共団体の責務)

第二条の三 国は、最新の科学的知見並びに家畜の伝染性疾病の我が国及び外国における発生の状況及び動向を踏まえ、家畜の伝染性疾病の発生の予防及びまん延の防止に関する施策を総合的に策定し、及び実施するとともに、地方公共団体における家畜の伝染性疾病の発生の予防及びまん延の防止のための措置の適切な実施を確保するために必要な助言その他の措置並びに輸出入検疫の適切な実施に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 都道府県は、その区域内における家畜の飼養に係る衛生管理の状況並びに家畜の伝染性疾病の発生の状況及び動向その他の地域の実情に応じ、国及び市町村と連携を図りながら、家畜の伝染性疾病の発生の予防及びまん延の防止のための措置を適切に講ずるために必要な体制の整備を図りつつ、これらの措置を一体的かつ効果的に実施するよう努めなければならない。

3 市町村は、国及び都道府県の施策に協力して、家畜の伝染性疾病の発生の予防及びまん延の防止に資する措置を講ずるよう努めなければならない。

4 国及び地方公共団体は、協議会の開催等により、家畜の伝染性疾病に関する正しい知識の普及のための広報活動その他の家畜の伝染性疾病の発生の予防及びまん延の防止に関する施策の実施について相互に連携するとともに、地域における家畜の伝染性疾病の発生の予防及びまん延の防止に寄与するものである家畜の所有者又はその組織する団体が行う家畜の伝染性疾病の発生の予防のための自主的措置を助長するため、これらの者に対し、必要な助言及び指導を行うよう努めなければならない。

 (関連事業者の責務)

第二条の四 複数の畜舎及びその敷地に出入りする者、家畜を集合させる催物の開催者又は家畜の集合する施設の所有者その他の畜産業に関連する事業を行う者は、その事業活動に関し、家畜の伝染性疾病の病原体の拡散を防止するための措置を講ずるよう努めるとともに、国及び地方公共団体が実施する家畜の伝染性疾病の発生の予防及びまん延の防止のための施策に協力するよう努めなければならない。

 (管理者に対する適用)

第三条 この法律中家畜、物品又は施設の所有者に関する規定(第五十六条及び第五十八条から第六十条の二までの規定を除く。)は、当該家畜、物品又は施設を管理する所有者以外の者(鉄道、軌道、自動車、船舶又は航空機による運送業者で当該家畜、物品又は施設の運送の委託を受けた者を除く。)があるときは、その者に対して適用する。

 (特定家畜伝染病防疫指針等)

第三条の二 農林水産大臣は、家畜伝染病のうち、牛疫、牛肺疫、口蹄疫{蹄にていとルビあり}、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ及び低病原性鳥インフルエンザその他特に総合的に発生の予防及びまん延の防止のための措置を講ずる必要があるものとして農林水産省令で定めるもの(以下この条において「特定家畜伝染病」という。)について、次に掲げる事項を内容とする指針(以下この条において「特定家畜伝染病防疫指針」という。)を作成し、公表するものとする。

 一 特定家畜伝染病の発生の予防及びまん延(当該特定家畜伝染病が牛疫、牛肺疫、口蹄疫{蹄にていとルビあり}、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ又は低病原性鳥インフルエンザである場合にあつては、家畜以外の動物における当該伝染性疾病のまん延による当該伝染性疾病の病原体の拡散を含む。以下この条において同じ。)の防止のための措置に関する基本的な方針

 二 家畜が患畜又は疑似患畜であるかどうかを判定するために必要な検査に関する事項

 三 消毒、家畜等の移動の制限その他特定家畜伝染病の発生を予防し、又はそのまん延を防止するために必要な措置に関する事項

 四 前三号に掲げるもののほか、特定家畜伝染病に応じて必要となる措置の総合的な実施に関する事項

2 農林水産大臣は、前項に規定するもののほか、特定家畜伝染病のまん延を防止するため緊急の必要があるときは、家畜の種類並びに地域及び期間を指定し、当該特定家畜伝染病について、その発生の状況に応じて必要となる措置を緊急に実施するための指針(次項において「特定家畜伝染病緊急防疫指針」という。)を作成し、公表するものとする。

3 都道府県知事、家畜防疫員及び市町村長は、特定家畜伝染病防疫指針及び特定家畜伝染病緊急防疫指針に基づき、この法律の規定による特定家畜伝染病の発生の予防及びまん延の防止のための措置を講ずるものとする。この場合において、都道府県知事は、必要があると認めるときは、市町村長に対し、当該措置の実施に関し、協力を求めることができる。

4 農林水産大臣は、次項に規定するもののほか、都道府県知事及び市町村長に対し、前項の措置の実施に関し、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うものとする。

5 農林水産大臣は、二以上の都道府県の区域にわたり特定家畜伝染病がまん延し、又はまん延するおそれがあるときは、都道府県知事に対し、第三項の措置の実施に関し、都道府県の区域を超えた広域的な見地からの助言その他の援助を行うものとする。

6 農林水産大臣は、最新の科学的知見及び国際的動向を踏まえ、少なくとも三年ごとに特定家畜伝染病防疫指針に再検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。

7 農林水産大臣は、特定家畜伝染病防疫指針を作成し、変更し、又は廃止しようとするときは、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴くとともに、都道府県知事の意見を求めなければならない。

   第二章 家畜の伝染性疾病の発生の予防

 (伝染性疾病についての届出義務)

第四条 家畜が家畜伝染病以外の伝染性疾病(農林水産省令で定めるものに限る。以下「届出伝染病」という。)にかかり、又はかかつている疑いがあることを発見したときは、当該家畜を診断し、又はその死体を検案した獣医師は、農林水産省令で定める手続に従い、遅滞なく、当該家畜又はその死体の所在地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。

2 農林水産大臣は、前項の伝染性疾病を定める農林水産省令を制定し、又は改廃しようとするときは、厚生労働大臣の公衆衛生の見地からの意見を聴くとともに、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴かなければならない。

3 第一項の規定は、家畜が届出伝染病にかかり、又はかかつている疑いがあることを第四十条又は第四十五条の規定による検査中に発見した場合その他農林水産省令で定める場合には、適用しない。

4 都道府県知事は、第一項の規定による届出があつたときは、農林水産省令で定める手続に従い、その旨を当該家畜又はその死体の所在地を管轄する市町村長に通報するとともに農林水産大臣に報告しなければならない。

 (新疾病についての届出義務)

第四条の二 家畜が既に知られている家畜の伝染性疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なる疾病(以下「新疾病」という。)にかかり、又はかかつている疑いがあることを発見したときは、当該家畜を診断し、又はその死体を検案した獣医師は、農林水産省令で定める手続に従い、遅滞なく、当該家畜又はその死体の所在地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。

2 前項の規定は、家畜が新疾病にかかり、又はかかつている疑いがあることを第四十条又は第四十五条の規定による検査中に発見した場合その他農林水産省令で定める場合には、適用しない。

3 第一項の規定による届出を受けた都道府県知事は、当該届出に係る家畜又はその死体の所有者に対し、当該家畜又はその死体について家畜防疫員の検査を受けるべき旨を命ずるものとする。

4 都道府県知事は、前項の検査により当該家畜がかかり、又はかかつている疑いがある疾病が、新疾病であり、かつ、家畜の伝染性疾病であることが判明した場合において、当該疾病の発生を予防することが必要であると認めるときは、農林水産省令で定める手続に従い、その旨を農林水産大臣に報告し、かつ、当該家畜又はその死体の所在地を管轄する市町村長に通報しなければならない。

5 都道府県知事は、前項の場合には、同項の家畜の伝染性疾病の発生の状況を把握し、当該疾病の病原及び病因を検索するため、家畜又はその死体の所有者に対し、家畜又はその死体について家畜防疫員の検査を受けるべき旨を命ずるものとする。

6 前項の規定による命令は、農林水産省令で定める手続に従い、その実施期日の三日前までに次に掲げる事項を公示して行う。

 一 実施の目的

 二 実施する区域

 三 実施の対象となる家畜又はその死体の種類及び範囲

 四 実施の期日

 五 検査の方法

7 農林水産大臣は、第四項の規定による報告を受けたときは、同項の家畜の伝染性疾病の発生を予防するために必要な試験研究、情報収集等を行うよう努めなければならない。

 (監視伝染病の発生の状況等を把握するための検査等)

第五条 都道府県知事は、農林水産省令の定めるところにより、家畜又はその死体の所有者に対し、家畜又はその死体について、家畜伝染病又は届出伝染病(以下「監視伝染病」と総称する。)の発生を予防し、又はその発生を予察するため必要があるときは、その発生の状況及び動向(以下この条において「発生の状況等」という。)を把握するための家畜防疫員の検査を受けるべき旨を命ずることができる。

2 前項の規定による命令は、農林水産省令で定める手続に従い、その実施期日の十日前までに次に掲げる事項を公示して行う。ただし、緊急の場合には、その期間を三日まで短縮することができる。

 一 実施の目的

 二 実施する区域

 三 実施の対象となる家畜又はその死体の種類及び範囲

 四 実施の期日

 五 検査の方法

3 都道府県知事は、農林水産省令の定めるところにより、家畜以外の動物が第二条第一項の表の上欄に掲げる伝染性疾病にかかり、又はかかつている疑いがあることが発見された場合において、当該伝染性疾病が当該動物から家畜に伝染するおそれがあると認めるときは、当該都道府県の職員に当該動物についての当該伝染性疾病の発生の状況等を把握するための検査を行わせることができる。

4 都道府県知事は、第一項及び前項の検査の結果を、農林水産省令の定めるところにより、農林水産大臣に報告しなければならない。

5 農林水産大臣は、都道府県知事に対し、第四条第四項、前項若しくは第十三条第四項の規定による報告又は第十三条の二第五項の規定による判定の結果により得られた監視伝染病の発生の状況等についての情報を提供するとともに、監視伝染病の発生の予防のために必要な指導を行うものとする。

6 都道府県知事は、前項の規定による情報の提供又は指導を受けたときは、家畜の所有者又はその組織する団体に対し、監視伝染病の発生の予防のために必要な助言及び指導を行うものとする。

7 都道府県知事は、家畜の所有者又はその組織する団体が行う監視伝染病の発生の予防のための措置の効果が適切に確保されるようにするため特に必要があると認めるときは、農林水産大臣又は関係都道府県知事に対し、農林水産大臣又は関係都道府県知事が講ずべき措置について、必要な要請をすることができる。

 (注射、薬浴又は投薬)

第六条 都道府県知事は、特定疾病(第四条の二第五項の検査の実施の目的として公示されたものをいう。以下同じ。)又は監視伝染病の発生を予防するため必要があるときは、家畜の所有者に対し、家畜について家畜防疫員の注射、薬浴又は投薬を受けるべき旨を命ずることができる。

2 前項の規定による命令には、前条第二項の規定を準用する。この場合において、同項第五号中「検査の」とあるのは、「注射、薬浴又は投薬の別及びその」と読み替えるものとする。

 (検査、注射、薬浴又は投薬を行つた旨の表示)

第七条 都道府県知事は、第四条の二第三項若しくは第五項若しくは第五条第一項の規定による検査を受けた家畜若しくはその死体又は前条第一項の規定による注射、薬浴若しくは投薬を受けた家畜に、農林水産省令の定めるところにより、検査、注射、薬浴又は投薬を行つた旨のらく印、いれずみその他の標識を家畜防疫員に付させることができる。

 (証明書の交付)

第八条 都道府県知事は、第四条の二第三項若しくは第五項若しくは第五条第一項の規定による検査を受けた家畜若しくはその死体又は第六条第一項の規定による注射、薬浴若しくは投薬を受けた家畜の所有者から請求があつたときは、農林水産省令の定めるところにより、検査、注射、薬浴又は投薬を行つた旨の証明書を交付しなければならない。

 (衛生管理区域における消毒設備の設置等の義務)

第八条の二 政令で定める家畜の所有者は、農林水産省令の定めるところにより、衛生管理区域(畜舎その他の農林水産省令で定める施設及びその敷地(農林水産省令で定める敷地を除く。)をいう。以下同じ。)の出入口付近に、特定疾病又は監視伝染病の発生を予防するために必要な消毒をする設備を設置しなければならない。

2 前項の設備が設置されている衛生管理区域に出入りする者は、農林水産省令の定めるところにより、あらかじめ、当該設備を利用して、その身体を消毒するとともに、当該衛生管理区域に持ち込み、又は当該衛生管理区域から持ち出す物品であつて農林水産省令で定めるものを消毒しなければならない。

3 第一項の設備が設置されている衛生管理区域に車両を入れ、又は当該衛生管理区域から車両を出す者は、農林水産省令の定めるところにより、あらかじめ、当該設備を利用して、当該車両を消毒しなければならない。

 (消毒方法等の実施)

第九条 都道府県知事は、特定疾病又は監視伝染病の発生を予防するため必要があるときは、区域を限り、家畜の所有者に対し、農林水産省令の定めるところにより、消毒方法、清潔方法又はねずみ、昆虫等の駆除方法を実施すべき旨を命ずることができる。

 (伝染性疾病の病原体により汚染された場所の消毒等)

第十条 都道府県知事は、家畜以外の動物が第二条第一項の表の上欄に掲げる伝染性疾病にかかつていることが発見された場合(当該動物が牛疫、牛肺疫、口蹄疫{蹄にていとルビあり}、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ又は低病原性鳥インフルエンザにかかつていることが発見された場合にあつては、当該動物がいた場所又はその死体があつた場所の周辺に衛生管理区域がある場合に限る。)において、同表の上欄に掲げる伝染性疾病が当該動物から家畜に伝染するおそれが高いと認めるときは、家畜伝染病の発生を予防するため必要な限度において、当該動物がいた場所又はその死体があつた場所その他当該伝染性疾病の病原体により汚染し、又は汚染したおそれがある場所又は物品を当該都道府県の職員に消毒させることができる。

2 都道府県知事は、前項の規定による消毒をする場所の付近を通行する者に対し、家畜伝染病の発生を予防するため必要な限度において、その身体又はその場所の付近を通過させる車両の消毒を受けるよう求めることができる。

3 都道府県知事又は市町村長は、家畜以外の動物が牛疫、牛肺疫、口蹄疫{蹄にていとルビあり}、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ又は低病原性鳥インフルエンザにかかつていることが発見された場合(当該動物がいた場所又はその死体があつた場所の周辺に衛生管理区域がある場合に限る。)において、当該伝染性疾病の病原体による家畜伝染病の発生を予防するため緊急の必要があるときは、政令で定める手続に従い、七十二時間を超えない範囲内において期間を定め、当該動物がいた場所又はその死体があつた場所(これに隣接して当該伝染性疾病の病原体により汚染し、又は汚染したおそれがある場所を含む。)とその他の場所との通行を制限し、又は遮断することができる。

 (化製場についての制限)

第十一条 化製場においては、農林水産大臣が特定疾病又は監視伝染病の発生を予防するため必要があると認めて指定する骨肉皮毛類については、農林水産省令で定める基準に適合する設備及び方法によるのでなければ、これを原料とする製造を行つてはならない。

 (家畜集合施設についての制限)

第十二条 競馬、家畜市場、家畜共進会等家畜を集合させる催物であつて農林水産大臣の指定するものの開催者は、その開催中、農林水産省令の定めるところにより、家畜診断所、隔離所、汚物だめその他特定疾病又は監視伝染病の発生を予防するために必要な設備を備えなければならない。

2 前項の規定により家畜診断所を備えなければならない催物の開催者は、その開催中、その家畜診断所において特定疾病又は監視伝染病にかかつていないと診断された家畜以外の家畜をその開催の場所においてけい留させてはならない。ただし、前項の隔離所にけい留する場合は、この限りでない。

 (報告及び通報の義務)

第十二条の二 都道府県知事は、この章の規定により特定疾病又は監視伝染病の発生の予防のためとつた措置につき、農林水産省令の定めるところにより、その実施状況及び実施の結果を農林水産大臣に報告するとともに関係都道府県知事に通報しなければならない。

 (飼養衛生管理基準)

第十二条の三 農林水産大臣は、政令で定める家畜について、その飼養規模の区分に応じ、農林水産省令で、当該家畜の飼養に係る衛生管理(第二十一条第一項の規定による焼却又は埋却が必要となる場合に備えた土地の確保その他の措置を含む。以下同じ。)の方法に関し家畜の所有者が遵守すべき基準(以下「飼養衛生管理基準」という。)を定めなければならない。

2 飼養衛生管理基準は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 一 当該家畜の飼養に係る衛生管理の方法に関する基本的な事項

 二 衛生管理区域への家畜の伝染性疾病の病原体の侵入の防止の方法に関する事項

 三 衛生管理区域内における家畜の伝染性疾病の病原体による汚染の拡大の防止の方法に関する事項

 四 衛生管理区域外への家畜の伝染性疾病の病原体の拡散の防止の方法に関する事項

 五 前各号に掲げるもののほか、当該家畜の飼養に係る衛生管理の方法に関し必要な事項

3 飼養衛生管理基準が定められた家畜の所有者は、当該飼養衛生管理基準に定めるところにより、当該家畜の飼養に係る衛生管理を行わなければならない。

4 農林水産大臣は、少なくとも五年ごとに飼養衛生管理基準に再検討を加え、必要があると認めるときは、これを改正するものとする。

5 農林水産大臣は、飼養衛生管理基準を設定し、改正し、又は廃止しようとするときは、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴くとともに、都道府県知事の意見を求めなければならない。

 (飼養衛生管理者)

第十二条の三の二 飼養衛生管理基準が定められた家畜の所有者は、当該家畜の飼養に係る衛生管理を適正に行うため、農林水産省令で定めるところにより、衛生管理区域ごとに、次に掲げる業務を行う飼養衛生管理者を選任しなければならない。ただし、当該家畜の所有者が自ら飼養衛生管理者となる衛生管理区域については、この限りでない。

 一 衛生管理区域において当該家畜の飼養を行う者その他当該衛生管理区域に出入りする者(以下この項において「従事者等」という。)を管理すること。

 二 従事者等に対して当該飼養衛生管理基準の周知を行うこと。

 三 従事者等に対して当該家畜の飼養に係る衛生管理を適正に行うために必要な教育及び訓練を行うこと。

2 前項の家畜の所有者は、飼養衛生管理者について、農林水産省令で定めるところにより、必要な研修を受けさせる等同項各号に掲げる業務を行うために必要な知識及び技術の習得及び向上を図るよう努めなければならない。

 (定期の報告)

第十二条の四 飼養衛生管理基準が定められた家畜の所有者は、毎年、農林水産省令の定めるところにより、その飼養している当該家畜の頭羽数及び当該家畜の飼養に係る衛生管理の状況に関し、農林水産省令で定める事項を当該家畜の所在地を管轄する都道府県知事に報告しなければならない。

2 都道府県知事は、前項の規定による報告を受けたときは、農林水産省令の定めるところにより、遅滞なく、当該報告に係る事項を当該家畜の所在地を管轄する市町村長に通知しなければならない。

 (指導及び助言)

第十二条の五 都道府県知事は、飼養衛生管理基準が定められた家畜の飼養に係る衛生管理が適正に行われることを確保するため必要があるときは、改善すべき事項を記載した文書の提示その他の農林水産省令で定める方法により、当該家畜の所有者に対し、当該飼養衛生管理基準に定めるところにより当該家畜の飼養に係る衛生管理が行われるよう必要な指導及び助言をすることができる。

 (勧告等)

第十二条の六 都道府県知事は、前条の指導又は助言をした場合において、家畜の所有者がなお飼養衛生管理基準を遵守していないと認めるときは、改善すべき事項を記載した文書の提示その他の農林水産省令で定める方法により、その者に対し、期限を定めて、家畜の飼養に係る衛生管理の方法を改善すべきことを勧告することができる。

2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、改善すべき事項を記載した文書の提示その他の農林水産省令で定める方法により、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

3 都道府県知事は、前項の規定による命令を受けた者が、正当な理由がなくてその命令に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

 (家畜の飼養に係る衛生管理の状況等の公表)

第十二条の七 農林水産大臣は、飼養衛生管理基準が定められた家畜の飼養に係る衛生管理の状況、前二条の規定により都道府県知事がとつた措置の実施状況及び家畜防疫員の確保の状況を、農林水産省令で定めるところにより、インターネットの利用その他の適切な方法により公表するものとする。

   第三章 家畜の伝染性疾病のまん延の防止

 (患畜等の届出義務)

第十三条 家畜が患畜又は疑似患畜となつたことを発見したときは、当該家畜を診断し、又はその死体を検案した獣医師(獣医師による診断又は検案を受けていない家畜又はその死体についてはその所有者)は、農林水産省令で定める手続に従い、遅滞なく、当該家畜又はその死体の所在地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。ただし、鉄道、軌道、自動車、船舶又は航空機により運送業者が運送中の家畜については、当該家畜の所有者がなすべき届出は、その者が遅滞なくその届出をすることができる場合を除き、運送業者がしなければならない。

2 前項ただし書に規定する家畜についての同項の規定による届出は、運輸上支障があるときは、当該貨物の終着地を管轄する都道府県知事にすることができる。

3 第一項の規定は、家畜が患畜又は疑似患畜であることを第四十条又は第四十五条の規定による検査中に発見した場合その他農林水産省令で定める場合には、適用しない。

4 都道府県知事は、第一項の規定による届出があつたときは、農林水産省令で定める手続に従い、遅滞なく、その旨を公示するとともに当該家畜又はその死体の所在地を管轄する市町村長及び隣接市町村長並びに関係都道府県知事に通報し、かつ、農林水産大臣に報告しなければならない。

 (農林水産大臣の指定する症状を呈している家畜の届出義務)

第十三条の二 家畜が農林水産大臣が家畜の種類ごとに指定する症状を呈していることを発見したときは、当該家畜を診断し、又はその死体を検案した獣医師(獣医師による診断又は検案を受けていない家畜又はその死体については、その所有者)は、農林水産省令で定める手続に従い、遅滞なく、当該家畜又はその死体の所在地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。

2 前項の規定による届出には、前条第一項ただし書及び第二項の規定を準用する。

3 第一項の規定は、家畜が患畜又は疑似患畜となつたことを発見した場合、家畜が同項の症状を呈していることを第四十条又は第四十五条の規定による検査中に発見した場合その他農林水産省令で定める場合には、適用しない。

4 都道府県知事は、第一項の規定による届出があつたときは、農林水産省令で定める手続に従い、遅滞なく、農林水産大臣にその旨を報告しなければならない。この場合において、当該届出に係る症状を呈している家畜が農林水産省令で定める要件に該当するときは、農林水産大臣の指定する検体を家畜防疫員に採取させ、その報告の際に、これを農林水産大臣に提出しなければならない。

5 農林水産大臣は、前項の規定による報告を受けたときは、当該報告に係る家畜が患畜又は疑似患畜であるかどうかを判定し、農林水産省令で定める手続に従い、遅滞なく、その結果を当該報告をした都道府県知事に通知しなければならない。

6 農林水産大臣は、第四項後段の場合を除き、前項の規定による判定をするため必要があるときは、第四項の規定による報告をした都道府県知事に対し、家畜防疫員に採取させた同項の農林水産大臣の指定する検体の提出を求めることができる。

7 都道府県知事は、第五項の規定による判定の結果の通知があつたときは、農林水産省令で定める手続に従い、遅滞なく、その結果を当該通知に係る家畜又はその死体の所有者(当該家畜又はその死体の所有者以外の者が第一項の規定による届出をした場合にあつては、当該届出をした者及び当該家畜又はその死体の所有者)に通知しなければならない。

8 都道府県知事は、第五項の規定により当該家畜が患畜又は疑似患畜である旨の通知があつたときは、農林水産省令で定める手続に従い、遅滞なく、その旨を公示するとともに当該家畜又はその死体の所在地を管轄する市町村長及び隣接市町村長並びに関係都道府県知事に通報しなければならない。

 (隔離の義務)

第十四条 患畜又は疑似患畜の所有者は、遅滞なく、当該家畜を隔離しなければならない。但し、次項の規定による家畜防疫員の指示があつたときにおいて、その指示に従つて隔離を解く場合は、この限りでない。

2 家畜防疫員は、前項の規定により隔離された家畜につき隔離を必要としないと認めるときは、その者に対し、隔離を解いてもよい旨を指示し、又はその指示にあわせて、家畜伝染病のまん延を防止するため必要な限度において、けい留、一定の範囲をこえる移動の制限その他の措置をとるべき旨を指示しなければならない。

3 家畜防疫員は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、患畜若しくは疑似患畜と同居していたため、又はその他の理由により患畜となるおそれがある家畜(疑似患畜を除く。)の所有者に対し、二十一日を超えない範囲内において期間を限り、当該家畜を一定の区域外へ移動させてはならない旨を指示することができる。

 (通行の制限又は遮断)

第十五条 都道府県知事又は市町村長は、家畜伝染病のまん延を防止するため緊急の必要があるときは、政令で定める手続に従い、七十二時間を超えない範囲内において期間を定め、牛疫、牛肺疫、口蹄疫{蹄にていとルビあり}、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ又は低病原性鳥インフルエンザの患畜又は疑似患畜の所在の場所(これに隣接して当該伝染性疾病の病原体により汚染し、又は汚染したおそれがある場所を含む。)とその他の場所との通行を制限し、又は遮断することができる。

 (と殺の義務)

第十六条 次に掲げる家畜の所有者は、家畜防疫員の指示に従い、直ちに当該家畜を殺さなければならない。ただし、農林水産省令で定める場合には、この限りでない。

 一 牛疫、牛肺疫、口蹄疫{蹄にていとルビあり}、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ又は低病原性鳥インフルエンザの患畜

 二 牛疫、口蹄疫{蹄にていとルビあり}、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ又は低病原性鳥インフルエンザの疑似患畜

2 前項の家畜の所有者は、同項ただし書の場合を除き、同項の指示があるまでは、当該家畜を殺してはならない。

3 家畜防疫員は、第一項ただし書の場合を除き、家畜伝染病のまん延を防止するため緊急の必要があるときは、同項の家畜について、同項の指示に代えて、自らこれを殺すことができる。

 (患畜等の殺処分)

第十七条 都道府県知事は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、次に掲げる家畜の所有者に期限を定めて当該家畜を殺すべき旨を命ずることができる。

 一 流行性脳炎、狂犬病、水疱性口内炎{疱にほうとルビあり}、リフトバレー熱、炭疽そ、出血性敗血症、ブルセラ症、結核、ヨーネ病、ピロプラズマ症、アナプラズマ症、伝達性海綿状脳症、鼻疽{疽にそとルビあり}、馬伝染性貧血、アフリカ馬疫、小反芻獣疫{芻にすうとルビあり}、豚水疱病{疱にほうとルビあり}、家きんコレラ、ニューカッスル病又は家きんサルモネラ症の患畜

 二 牛肺疫、水疱性口内炎{疱にほうとルビあり}、リフトバレー熱、出血性敗血症、伝達性海綿状脳症、鼻疽{疽にそとルビあり}、アフリカ馬疫、小反芻獣疫{芻にすうとルビあり}、豚水疱病{疱にほうとルビあり}、家きんコレラ又はニューカッスル病の疑似患畜

2 家畜の所有者又はその所在が知れないため前項の命令をすることができない場合において緊急の必要があるときは、都道府県知事は、家畜防疫員に当該家畜を殺させることができる。

 (患畜等以外の家畜の殺処分)

第十七条の二 農林水産大臣は、家畜において口蹄疫{蹄にていとルビあり}又はアフリカ豚熱がまん延し、又はまん延するおそれがある場合(家畜以外の動物が当該伝染性疾病にかかつていることが発見された場合であつて、当該動物から家畜に伝染することにより家畜において当該伝染性疾病がまん延するおそれがあるときを含む。)において、この章(この条の規定に係る部分を除く。)の規定により講じられる措置のみによつてはそのまん延の防止が困難であり、かつ、その急速かつ広範囲なまん延を防止するため、当該伝染性疾病の患畜及び疑似患畜(以下この項において「患畜等」という。)以外の家畜であつてもこれを殺すことがやむを得ないと認めるときは、患畜等以外の家畜を殺す必要がある地域を指定地域として、また、当該指定地域において殺す必要がある家畜(患畜等を除く。)を指定家畜として、それぞれ指定することができる。

2 前項の指定地域(以下この条において「指定地域」という。)及び同項の指定家畜(以下「指定家畜」という。)の指定は、口蹄疫{蹄にていとルビあり}又はアフリカ豚熱の急速かつ広範囲なまん延を防止するため必要な最小限度の範囲に限つてするものとする。この場合において、家畜以外の動物が当該伝染性疾病にかかつていることが発見された場合における指定地域及び指定家畜の指定の範囲は、当該動物がいた場所又はその死体があつた場所の周辺における当該動物の生息の状況、当該動物における当該伝染性疾病のまん延による当該伝染性疾病の病原体の拡散の状況、これらの場所の周辺における家畜の飼養に係る衛生管理の状況その他の事情を考慮して定めるものとする。

3 農林水産大臣は、指定地域及び指定家畜の指定をしようとするときは、当該指定地域を管轄する都道府県知事(家畜以外の動物が口蹄疫{蹄にていとルビあり}又はアフリカ豚熱にかかつていることが発見された場合において指定地域及び指定家畜の指定をしようとするときは、当該都道府県知事及び食料・農業・農村政策審議会)の意見を聴かなければならない。

4 農林水産大臣は、指定地域及び指定家畜の指定をしたときは、その旨を公示しなければならない。

5 指定地域及び指定家畜の指定があつたときは、当該指定地域を管轄する都道府県知事は、当該指定地域内において指定家畜を所有する者に対し、期限を定めて、当該指定家畜を殺すべき旨を命ずるものとする。

6 前項の規定による命令を受けた者がその命令に従わないとき、又は指定家畜の所有者若しくはその所在が知れないため同項の規定による命令をすることができない場合において緊急の必要があるときは、同項の都道府県知事は、家畜防疫員に当該指定家畜を殺させることができる。

7 農林水産大臣は、指定地域の全部又は一部についてその指定の事由がなくなつたと認めるときは、当該指定地域の全部又は一部についてその指定を解除するものとする。

8 前項の規定による解除には、第三項及び第四項の規定を準用する。

 (と殺の届出)

第十八条 患畜、疑似患畜又は指定家畜の所有者は、当該家畜を殺すときは、前三条の規定により殺す場合その他農林水産省令で定める場合を除き、あらかじめ家畜防疫員にその旨を届け出なければならない。

 (と殺に関する指示)

第十九条 家畜防疫員は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、第十七条第一項若しくは第十七条の二第五項の命令又は前条の届出に係る家畜につき、殺す場所又は殺す方法を指示することができる。

 (病性鑑定のための処分)

第二十条 都道府県知事は、病性鑑定のため必要があるときは、家畜防疫員に家畜の死体を剖検させ、又は剖検のため疑似患畜を殺させることができる。

2 家畜防疫員は、病性鑑定のため必要があるときは、疑似患畜の所有者に対し、七日をこえない範囲内において期間を定め、当該家畜を殺してはならない旨を指示することができる。

 (死体の焼却等の義務)

第二十一条 次に掲げる家畜の死体の所有者は、家畜防疫員が農林水産省令で定める基準に基づいてする指示に従い、遅滞なく、当該死体を焼却し、又は埋却しなければならない。ただし、病性鑑定又は学術研究の用に供するため都道府県知事の許可を受けた場合その他政令で定める場合は、この限りでない。

 一 牛疫、牛肺疫、口蹄疫{蹄にていとルビあり}、狂犬病、水疱性口内炎{疱にほうとルビあり}、リフトバレー熱、炭疽そ、出血性敗血症、伝達性海綿状脳症、鼻疽{疽にそとルビあり}、アフリカ馬疫、小反芻獣疫{芻にすうとルビあり}、豚熱、アフリカ豚熱、豚水疱病{疱にほうとルビあり}、家きんコレラ、高病原性鳥インフルエンザ、低病原性鳥インフルエンザ又はニューカッスル病の患畜又は疑似患畜の死体

 二 流行性脳炎、ブルセラ症、結核、ヨーネ病、馬伝染性貧血又は家きんサルモネラ症の患畜又は疑似患畜の死体(と畜場において殺したものを除く。)

 三 指定家畜の死体

2 前項の死体は、同項ただし書の場合を除き、同項の指示があるまでは、当該死体を焼却し、又は埋却してはならない。

3 第一項の規定により焼却し、又は埋却しなければならない死体は、家畜防疫員の許可を受けなければ、他の場所に移し、損傷し、又は解体してはならない。

4 家畜防疫員は、第一項ただし書の場合を除き、家畜伝染病のまん延を防止するため緊急の必要があるときは、同項の家畜の死体について、同項の指示に代えて、自らこれを焼却し、又は埋却することができる。

5 伝達性海綿状脳症の患畜又は疑似患畜の死体の所有者に対する前各項の規定の適用については、これらの規定中「焼却し、又は埋却」とあるのは、「焼却」とする。

6 都道府県知事は、第一項の規定による焼却又は埋却が的確かつ迅速に実施されるようにするため、当該都道府県の区域内における当該焼却又は埋却が必要となる場合に備えた土地の確保その他の措置に関する情報の提供、助言、指導、補完的に提供する土地の準備その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

7 都道府県知事は、前項の必要な措置を講ずるため特に必要があると認めるときは、農林水産大臣及び市町村長に対し、協力を求めることができる。

 (化製場等に関する法律の特例)

第二十二条 第二十条第一項の規定による剖検のため家畜の死体を解体する場合、前条第一項又は第四項の規定により家畜の死体を焼却し、又は埋却する場合及び同条第三項の許可を受けて家畜の死体を解体する場合には、化製場等に関する法律(昭和二十三年法律第百四十号)第二条第二項の規定(死亡獣畜取扱場外における処理の禁止)は、適用しない。

 (汚染物品の焼却等の義務)

第二十三条 家畜伝染病の病原体により汚染し、又は汚染したおそれがある物品の所有者(当該物品が鉄道、軌道、自動車、船舶又は航空機により運送中のものである場合には、当該物品の所有者又は運送業者。以下この条において同じ。)は、家畜防疫員が農林水産省令で定める基準に基づいてする指示に従い、遅滞なく、当該物品を焼却し、埋却し、又は消毒しなければならない。ただし、家きんサルモネラ症の病原体により汚染し、又は汚染したおそれがある物品その他農林水産省令で定める物品は、指示を待たないで焼却し、埋却し、又は消毒することを妨げない。

2 前項の物品(同項ただし書の物品を除く。)の所有者は、同項の指示があるまでは、当該物品を焼却し、埋却し、又は消毒してはならず、また、家畜防疫員の許可を受けなければ、これを他の場所に移し、使用し、又は洗浄してはならない。

3 家畜防疫員は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、第一項の物品(同項ただし書の物品を除く。)について、同項の指示に代えて、自らこれを焼却し、埋却し、又は消毒することができる。

4 伝達性海綿状脳症の病原体により汚染し、又は汚染したおそれがある物品の所有者に対する第一項本文及び前二項の規定の適用については、これらの規定中「焼却し、埋却し、又は消毒」とあるのは、「焼却」とする。

 (発掘の禁止)

第二十四条 第二十一条第一項若しくは第四項又は前条第一項若しくは第三項の規定により家畜の死体又は家畜伝染病の病原体により汚染し、若しくは汚染したおそれがある物品を埋却した土地は、農林水産省令で定める期間内は、掘つてはならない。ただし、都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない。

 (畜舎等の消毒の義務)

第二十五条 要消毒畜舎等(患畜若しくは疑似患畜又はこれらの死体の所在した畜舎、船舶、車両その他これに準ずる施設及びその敷地(農林水産省令で定める敷地を除く。)をいう。以下同じ。)は、家畜防疫員が農林水産省令で定める基準に基づいてする指示に従い、その所有者が消毒しなければならない。ただし、要消毒畜舎等のうち、家きんサルモネラ症に係るものその他農林水産省令で定めるものは、指示を待たないで、消毒することを妨げない。

2 要消毒畜舎等(前項ただし書に規定するものを除く。)の所有者は、家畜防疫員の指示があるまでは、当該要消毒畜舎等を消毒してはならない。

3 家畜防疫員は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、要消毒畜舎等(第一項ただし書に規定するものを除く。)について、同項の指示に代えて、自らこれを消毒することができる。

4 要消毒畜舎等の所有者は、第一項の規定による消毒が終了するまでの間、農林水産省令の定めるところにより、当該要消毒畜舎等の出入口付近に、家畜伝染病のまん延を防止するために必要な消毒をする設備を設置しなければならない。

5 家畜防疫員は、第三項の規定により自ら要消毒畜舎等を消毒する場合には、当該消毒が終了するまでの間、前項の農林水産省令の定めるところにより、自ら同項の設備を設置しなければならない。

6 第四項の設備が設置されている要消毒畜舎等に車両を入れ、又は当該要消毒畜舎等から車両を出す者は、農林水産省令の定めるところにより、あらかじめ、当該設備を利用して、当該車両を消毒しなければならない。

 (伝染性疾病の病原体により汚染された衛生管理区域周辺以外の場所の消毒等)

第二十五条の二 都道府県知事は、家畜以外の動物における牛疫、牛肺疫、口蹄疫{蹄にていとルビあり}、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ又は低病原性鳥インフルエンザのまん延による当該伝染性疾病の病原体の拡散を防止するため必要がある場合(当該伝染性疾病にかかつていることが発見された当該動物がいた場所又はその死体があつた場所の周辺に衛生管理区域がある場合を除く。)には、当該動物における当該伝染性疾病のまん延による当該伝染性疾病の病原体の拡散を防止するため必要な限度において、当該伝染性疾病にかかつていることが発見された当該動物がいた場所又はその死体があつた場所その他当該伝染性疾病の病原体により汚染し、又は汚染したおそれがある場所又は物品を当該都道府県の職員に消毒させることができる。

2 都道府県知事は、前項の規定による消毒をする場所の付近を通行する者に対し、家畜以外の動物における同項に規定する伝染性疾病のまん延による当該伝染性疾病の病原体の拡散を防止するため必要な限度において、その身体又はその場所の付近を通過させる車両の消毒を受けるよう求めることができる。

3 都道府県知事又は市町村長は、家畜以外の動物における第一項に規定する伝染性疾病のまん延による当該伝染性疾病の病原体の拡散を防止するため緊急の必要があると認める場合(当該伝染性疾病にかかつていることが発見された当該動物がいた場所又はその死体があつた場所の周辺に衛生管理区域がある場合を除く。)には、政令で定める手続に従い、当該動物における当該伝染性疾病のまん延による当該伝染性疾病の病原体の拡散を防止するため必要な限度において、相当の期間を定め、当該伝染性疾病にかかつていることが発見された当該動物がいた場所又はその死体があつた場所(これに隣接して当該伝染性疾病の病原体により汚染し、又は汚染したおそれがある場所を含む。)とその他の場所との通行を制限し、又は遮断することができる。

 (倉庫等の消毒)

第二十六条 都道府県知事は、家畜伝染病のまん延(家畜以外の動物における牛疫、牛肺疫、口蹄疫{蹄にていとルビあり}、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ又は低病原性鳥インフルエンザのまん延による当該伝染性疾病の病原体の拡散を含む。以下この章において同じ。)を防止するため必要があるときは、要消毒倉庫等(家畜伝染病の病原体により汚染し、又は汚染したおそれがある物品の所在した倉庫、船舶、車両その他これに準ずる施設及びその敷地(農林水産省令で定める敷地を除く。)をいい、要消毒畜舎等を除く。以下同じ。)の所有者に期限を定めて当該要消毒倉庫等を消毒すべき旨を命ずることができる。

2 家畜防疫員は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、前項の規定による命令に係る要消毒倉庫等につき、消毒方法を指示することができる。

3 要消毒倉庫等の所有者又はその所在が知れないため第一項の規定による命令をすることができない場合において緊急の必要があるときは、都道府県知事は、家畜防疫員に当該要消毒倉庫等を消毒させることができる。

4 要消毒倉庫等の所有者は、第一項の規定による命令に従つてすべき消毒が終了するまでの間、農林水産省令の定めるところにより、当該要消毒倉庫等の出入口付近に、家畜伝染病のまん延を防止するために必要な消毒をする設備を設置しなければならない。

5 都道府県知事は、第三項の規定により家畜防疫員に要消毒倉庫等を消毒させる場合には、当該消毒が終了するまでの間、前項の農林水産省令の定めるところにより、家畜防疫員に同項の設備を設置させなければならない。

6 第四項の設備が設置されている要消毒倉庫等に車両を入れ、又は当該要消毒倉庫等から車両を出す者は、農林水産省令の定めるところにより、あらかじめ、当該設備を利用して、当該車両を消毒しなければならない。

 (航海中の特例)

第二十七条 航海中の船舶において、患畜若しくは疑似患畜が死亡したとき、又は物品若しくは畜舎その他これに準ずる施設が家畜伝染病の病原体により汚染し、若しくは汚染したおそれを生じたときは、当該家畜、物品若しくは施設の所有者又は当該船舶の船長(船長に代わつてその職務を行う者があるときはその者)は、第二十一条、第二十三条又は第二十五条の規定にかかわらず、農林水産省令の定めるところにより、消毒その他必要な措置をしなければならない。

 (病原体に触れた者の消毒の義務)

第二十八条 家畜伝染病の病原体に触れ、又は触れたおそれがある者は、遅滞なく、その身体を消毒しなければならない。

2 第二十五条第四項の設備が設置されている要消毒畜舎等又は第二十六条第四項の設備が設置されている要消毒倉庫等に出入りする者は、農林水産省令の定めるところにより、あらかじめ、これらの設備を利用して、前項の規定による消毒をしなければならない。

 (消毒設備の設置場所を通行する者の消毒の義務)

第二十八条の二 都道府県知事が家畜伝染病のまん延の防止のために必要な消毒のための設備であつて農林水産省令で定めるものを設置している場所を通行する者は、農林水産省令の定めるところにより、当該設備によるその身体及びその場所を通過させる車両の消毒を受けなければならない。

2 前項の設備は、家畜伝染病の急速かつ広範囲なまん延(家畜以外の動物における牛疫、牛肺疫、口蹄疫{蹄にていとルビあり}、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ又は低病原性鳥インフルエンザの急速かつ広範囲なまん延による当該伝染性疾病の病原体の拡散を含む。)を防止するため特に必要があると都道府県知事が認める場合に設置するものとする。

3 都道府県知事は、第一項の設備が設置されている場所ごとに、公衆の見やすい場所に、農林水産省令で定める表示をしなければならない。

 (患畜等の表示)

第二十九条 家畜防疫員は、農林水産省令の定めるところにより、患畜、疑似患畜及び指定家畜について、らく印、いれずみその他の標識を付することができる。

 (消毒方法等の実施)

第三十条 都道府県知事は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、区域を限り、家畜の所有者に対し、農林水産省令の定めるところにより、消毒方法、清潔方法又はねずみ、昆虫等の駆除方法を実施すべき旨を命ずることができる。

 (検査、注射、薬浴又は投薬)

第三十一条 都道府県知事は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、家畜防疫員に、農林水産省令で定める方法により家畜の検査、注射、薬浴又は投薬を行わせることができる。

2 前項の検査、注射、薬浴又は投薬には、第七条及び第八条の規定を準用する。

 (家畜等の移動の制限)

第三十二条 都道府県知事は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、規則を定め、一定種類の家畜、その死体又は家畜伝染病の病原体を拡散するおそれがある物品の当該都道府県の区域内での移動、当該都道府県内への移入又は当該都道府県外への移出を禁止し、又は制限することができる。

2 農林水産大臣は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、農林水産省令の定めるところにより、区域を指定し、一定種類の家畜、その死体又は家畜伝染病の病原体を拡散するおそれがある物品の当該区域外への移出を禁止し、又は制限することができる。

 (家畜集合施設の開催等の制限)

第三十三条 都道府県知事は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、規則を定め、競馬、家畜市場、家畜共進会等家畜を集合させる催物の開催又はと畜場若しくは化製場の事業を停止し、又は制限することができる。

 (放牧等の制限)

第三十四条 都道府県知事は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、規則を定め、一定種類の家畜の放牧、種付、と畜場以外の場所におけると殺又はふ卵を停止し、又は制限することができる。

 (勧告等)

第三十四条の二 都道府県知事は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要がある場合において、飼養衛生管理基準が定められた家畜の所有者が当該飼養衛生管理基準(第十二条の三第二項第三号及び第四号に掲げる事項に係る基準に限る。)を遵守していないと認めるときは、改善すべき事項を記載した文書の提示その他の農林水産省令で定める方法により、その者に対し、期限を定めて、同項第三号又は第四号に規定する方法について改善すべきことを勧告することができる。

2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、改善すべき事項を記載した文書の提示その他の農林水産省令で定める方法により、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

3 都道府県知事は、前項の規定による命令を受けた者が、正当な理由がなくてその命令に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

 (資料の提出)

第三十四条の三 農林水産大臣は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、都道府県知事に対し、第十二条の四第一項の規定による報告に係る資料の提出を求めることができる。

 (報告及び通報の義務)

第三十五条 都道府県知事は、この章の規定により家畜伝染病のまん延の防止のためとつた措置につき、農林水産省令の定めるところにより、その実施状況及び実施の結果を農林水産大臣に報告するとともに関係都道府県知事に通報しなければならない。

 (発生の原因の究明)

第三十五条の二 農林水産大臣は、第十六条第一項第一号に規定する家畜伝染病が発生したときは、速やかに、その発生の原因を究明するよう努めるものとする。

   第四章 輸出入検疫等

 (輸入禁止)

第三十六条 何人も、次に掲げる物を輸入してはならない。ただし、試験研究の用に供する場合その他特別の事情がある場合において、農林水産大臣の許可を受けたときは、この限りでない。

 一 農林水産省令で定める地域から発送され、又はこれらの地域を経由した第三十七条第一項各号の物であつて農林水産大臣の指定するもの

 二 次のイ又はロに掲げる家畜の伝染性疾病の病原体

  イ 監視伝染病の病原体

  ロ 家畜の伝染性疾病の病原体であつて既に知られているもの以外のもの

2 前項但書の許可を受けて輸入する場合には、同項の許可を受けたことを証明する書面を添えなければならない。

3 第一項但書の許可には、輸入の方法、輸入後の管理方法その他必要な条件を附することができる。

 (病原体の輸入に関する届出)

第三十六条の二 家畜の伝染性疾病の病原体であつて既に知られているもののうち、監視伝染病の病原体以外のものを輸入しようとする者は、農林水産省令の定めるところにより、農林水産大臣に届け出なければならない。

2 農林水産大臣は、前項の規定により届け出なければならないこととされる家畜の伝染性疾病の病原体を公示するものとする。

3 第一項の規定は、第六十二条第一項の規定により指定された疾病の病原体について同項において準用する前条第一項の規定により同項ただし書の許可を受けて輸入する場合には、適用しない。

 (輸入のための検査証明書の添付)

第三十七条 次に掲げる物であつて農林水産大臣の指定するもの(以下「指定検疫物」という。)は、輸出国の政府機関により発行され、かつ、その検疫の結果監視伝染病の病原体を拡散するおそれがないことを確かめ、又は信ずる旨を記載した検査証明書又はその写しを添付してあるものでなければ、輸入してはならない。

 一 動物、その死体又は骨肉卵皮毛類及びこれらの容器包装

 二 穀物のわら(飼料用以外の用途に供するものとして農林水産省令で定めるものを除く。)及び飼料用の乾草

 三 前二号に掲げる物を除き、監視伝染病の病原体を拡散するおそれがある敷料その他これに準ずる物

2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

 一 動物検疫についての政府機関を有しない国から輸入する場合その他農林水産大臣の指定する場合

 二 農林水産省令で定める国から輸入する指定検疫物について、前項の検査証明書又はその写しに記載されるべき事項が当該国の政府機関から電気通信回線を通じて動物検疫所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。)に送信され、当該電子計算機に備えられたファイルに記録された場合

 (輸入場所の制限)

第三十八条 指定検疫物は、農林水産省令で指定する港又は飛行場以外の場所で輸入してはならない。但し、第四十一条の規定により検査を受け、且つ、第四十四条の規定による輸入検疫証明書の交付を受けた物及び郵便物として輸入する物については、この限りでない。

 (動物の輸入に関する届出等)

第三十八条の二 指定検疫物たる動物で農林水産大臣の指定するものを輸入しようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、当該動物の種類及び数量、輸入の時期及び場所その他農林水産省令で定める事項を動物検疫所に届け出なければならない。ただし、携帯品又は郵便物として輸入する場合その他農林水産省令で定める場合は、この限りでない。

2 動物検疫所長は、前項の規定による届出があつた場合において、第四十条第一項又は第四十一条の規定による検査を円滑に実施するため特に必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、当該届出に係る輸入の時期又は場所を変更すべきことを指示することができる。

 (検疫信号)

第三十九条 外国から入港した船舶であつて指定検疫物(郵便物として輸送されたものを除く。)を積載するものは、農林水産省令の定めるところにより、入港後、遅滞なく、検疫信号を掲げなければならない。

2 前項の信号は、同項の指定検疫物について第四十一条の規定による検査を終了し、当該指定検疫物の積卸を終了し、又は出港するまでは、おろしてはならない。

 (輸入検査)

第四十条 指定検疫物を輸入した者は、遅滞なくその旨を動物検疫所に届け出て、その物につき、原状のままで、家畜防疫官から第三十六条及び第三十七条の規定の違反の有無並びに監視伝染病の病原体を拡散するおそれの有無についての検査を受けなければならない。ただし、既に次条の規定により検査を受け、かつ、第四十四条の規定による輸入検疫証明書の交付を受けた物及び郵便物として輸入した物については、この限りでない。

2 家畜防疫官は、指定検疫物以外の物が監視伝染病の病原体により汚染し、又は汚染しているおそれがあるときは、輸入後遅滞なくその物(以下「要検査物」という。)につき、検査を行うことができる。

3 第一項の規定による検査は、動物検疫所又は第三十八条の規定により指定された港若しくは飛行場内の家畜防疫官が指定した場所で行う。ただし、特別の事由があるときは、農林水産大臣の指定するその他の場所で検査を行うことができる。

4 家畜防疫官は、監視伝染病の病原体の拡散を防止するため必要があるときは、第一項の検査を受ける者に対し指定検疫物を前項の場所に送致するための順路その他の方法を指示することができる。

5 家畜防疫官は、外国から入港した船舶又は航空機に乗つて来た者(第四十六条の二第一項において「入国者」という。)に対して、その携帯品(第一項若しくは第二項又は次条の検査を受けた物を除く。第四十六条の二第一項において同じ。)のうちに指定検疫物又は要検査物が含まれているかどうかを判断するため、必要な質問を行うとともに、必要な限度において、当該携帯品の検査を行うことができる。

第四十一条 家畜防疫官は、輸入される指定検疫物又は要検査物につき、船舶又は航空機内で輸入に先だつて検査を行うことができる。

 (郵便物等としての輸入)

第四十二条 指定検疫物は、小形包装物及び小包郵便物以外の郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次項において「信書便物」という。)としては、輸入してはならない。

2 前項の規定に違反して輸入された指定検疫物を包有している郵便物又は信書便物を受け取つた者は、遅滞なく、その現品を添えてその旨を動物検疫所に届け出て家畜防疫官の検査を受けなければならない。

第四十三条 日本郵便株式会社は、通関手続が行われる事業所において、指定検疫物を包有し、又は包有している疑いのある小形包装物又は小包郵便物の送付を受けたときは、遅滞なく、その旨を動物検疫所に通知しなければならない。

2 家畜防疫官は、前項の通知があつたときは、同項の小形包装物又は小包郵便物の検査を行う。

3 家畜防疫官は、前項の検査を行うため必要があるときは、当該郵便物の受取人にその開示を求めることができる。

4 受取人が前項の開示を拒んだとき、又は受取人に開示を求めることができないときは、家畜防疫官は、日本郵便株式会社の職員の立会いの下に当該郵便物を開くことができる。

5 第二項の検査を受けていない小形包装物又は小包郵便物であつて指定検疫物を包有しているものを受け取つた者は、遅滞なく、その現品を添え、その旨を動物検疫所に届け出て家畜防疫官の検査を受けなければならない。

 (輸入検疫証明書の交付等)

第四十四条 家畜防疫官は、第四十条から前条までの規定による検査の結果、指定検疫物が監視伝染病の病原体を拡散するおそれがないと認められるときは、農林水産省令の定めるところにより、輸入検疫証明書を交付し、かつ、指定検疫物にらく印、いれずみその他の標識を付さなければならない。

2 家畜防疫官は、第四十条第二項又は第四十一条の規定による検査を受けた要検査物について、輸入検疫証明書を請求されたときは、これを交付しなければならない。

3 家畜防疫官は、第四十六条第三項の規定による措置を講ずるときは、前二項の規定にかかわらず、輸入検疫証明書を交付しないことができる。

 (輸出検査)

第四十五条 次に掲げる物を輸出しようとする者は、これにつき、あらかじめ、家畜防疫官の検査を受け、かつ、第三項の規定により輸出検疫証明書の交付を受けなければならない。

 一 輸入国政府がその輸入に当たり、家畜の伝染性疾病の病原体を拡散するおそれの有無についての輸出国の検査証明を必要としている動物その他の物

 二 第三十七条第一項各号に掲げる物であつて農林水産大臣が国際動物検疫上必要と認めて指定するもの

2 前項の検査については、第四十条第三項の規定を準用する。

3 家畜防疫官は、第一項の規定による検査の結果、その物が家畜の伝染性疾病の病原体を拡散するおそれがないと認められるときは、農林水産省令の定めるところにより、輸出検疫証明書を交付しなければならない。

4 家畜防疫官は、国際動物検疫上、必要があるときは、前項の規定による輸出検疫証明書の交付を受けた物について再検査を行うことができる。

5 家畜防疫官は、本邦から出国する者(第四十六条の二第二項において「出国者」という。)に対して、その携帯品(第一項又は前項の検査を受けた物を除く。同条第二項において同じ。)のうちに第一項各号に掲げる物が含まれているかどうかを判断するため、必要な質問を行うとともに、必要な限度において、当該携帯品の検査を行うことができる。

 (検査に基づく処置)

第四十六条 第四十条第一項若しくは第二項、第四十一条、第四十二条第二項、第四十三条第二項若しくは第五項又は前条第一項若しくは第四項の規定による検査において、その検査に係る物が家畜伝染病の病原体により汚染し、汚染しているおそれがあり、又は汚染するおそれがあると認められた場合における第六条第一項、第七条、第八条、第十四条から第十七条まで、第十八条から第二十一条まで、第二十三条から第二十五条まで、第二十六条、第二十九条及び第三十一条第一項並びに同条第二項において準用する第七条及び第八条の規定の適用については、これらの規定中「都道府県知事」(第十五条の場合にあつては「都道府県知事又は市町村長」)とあるのは「動物検疫所長」と、「家畜防疫員」とあるのは「家畜防疫官」と読み替えるものとする。

2 農林水産大臣は、前項の検査において、届出伝染病の病原体により汚染し、又は汚染しているおそれがあると認められた動物その他の物につき、農林水産省令の定めるところにより、その所有者に対し、これらを隔離し、若しくは消毒すべき旨を命じ、又は家畜防疫官に隔離、注射、薬浴、投薬若しくは消毒を行わせることができる。

3 農林水産大臣は、第一項の検査中にその検査に係る動物が新疾病にかかり、又はかかつている疑いがあると認められたときは、当該動物又はその敷料その他これに準ずる物につき、農林水産省令の定めるところにより、その所有者に対し、これらを隔離し、若しくは消毒すべき旨を命じ、又は家畜防疫官に隔離、注射、薬浴、投薬若しくは消毒を行わせることができる。ただし、当該新疾病が家畜の伝染性疾病でないと認められる場合は、この限りでない。

4 家畜防疫官は、第一項の検査の結果、その検査に係る物品の輸入又は輸出について第三十六条、第三十七条第一項、第三十八条、第四十条第一項、第四十二条第一項又は前条第一項の規定に違反している事実があると認めるときは、農林水産省令で定める基準に基づき、当該物品を廃棄することができる。

 (入国者及び出国者に対する質問等)

第四十六条の二 家畜防疫官は、入国者に対して、その携帯品のうちに要消毒物品(監視伝染病が現に発生している地域において使用された物品であつて家畜防疫官がその消毒をすることが必要であると認めるものをいう。次項及び次条において同じ。)が含まれているかどうかを判断するため、必要な質問を行うとともに、必要な限度において、当該携帯品の検査を行うことができる。

2 家畜防疫官は、出国者に対して、その携帯品のうちに要消毒物品が含まれているかどうかを判断するため、必要な質問を行うとともに、必要な限度において、当該携帯品の検査を行うことができる。

 (入国者及び出国者の携帯品の消毒)

第四十六条の三 家畜防疫官は、前条第一項又は第二項の規定による検査の結果、これらの検査に係る携帯品のうちに要消毒物品が含まれていたときは、必要な限度において、当該要消毒物品を消毒することができる。

 (協力の要請)

第四十六条の四 動物検疫所長は、この章の規定による事務を円滑に行うため必要があると認めるときは、船舶若しくは航空機の所有者若しくは長(長に代わつてその職務を行う者があるときは、その者)又は港若しくは飛行場の管理者(次項において「船舶の所有者等」という。)に対し、第四十六条の二第一項又は第二項の質問に関する書類の配布、検疫の手続に関する情報の提供その他必要な協力を求めることができる。

2 船舶の所有者等は、動物検疫所長から前項の規定による求めがあつたときは、その求めに応ずるよう努めなければならない。

   第五章 病原体の所持に関する措置

 (家畜伝染病病原体の所持の許可)

第四十六条の五 家畜伝染病病原体(家畜伝染病の病原体であつて農林水産省令で定めるものをいう。以下同じ。)を所持しようとする者は、農林水産省令の定めるところにより、農林水産大臣の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

 一 第四十六条の十一第二項に規定する滅菌譲渡義務者が、農林水産省令の定めるところにより、同項に規定する滅菌譲渡をするまでの間家畜伝染病病原体を所持しようとする場合

 二 この項本文の許可を受けた者(以下「許可所持者」という。)又は前号に規定する者から運搬を委託された者が、その委託に係る家畜伝染病病原体を当該運搬のために所持しようとする場合

 三 許可所持者又は前二号に規定する者の従業者が、その職務上家畜伝染病病原体を所持しようとする場合

2 前項本文の許可を受けようとする者は、農林水産省令の定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を農林水産大臣に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 二 家畜伝染病病原体の種類

 三 所持の目的及び方法

 四 家畜伝染病病原体の保管、使用及び滅菌又は無害化をする施設(以下「取扱施設」という。)の位置、構造及び設備

 (許可の基準等)

第四十六条の六 農林水産大臣は、前条第一項本文の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項本文の許可をしてはならない。

 一 所持の目的が検査、治療、医薬品その他農林水産省令で定める製品の製造又は試験研究であること。

 二 取扱施設の位置、構造及び設備が農林水産省令で定める技術上の基準に適合するものであることその他その申請に係る家畜伝染病病原体による家畜伝染病が発生し、又はまん延するおそれがないこと。

2 次の各号のいずれかに該当する者には、前項の規定にかかわらず、前条第一項本文の許可を与えない。

 一 心身の故障により家畜伝染病病原体を適正に所持することができない者として農林水産省令で定める者

 二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

 三 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者

 四 この法律、狂犬病予防法(昭和二十五年法律第二百四十七号)、検疫法(昭和二十六年法律第二百一号)若しくは感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)又はこれらの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者

 五 第四十六条の九第一項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条の規定による通知があつた日前六十日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この項において同じ。)であつた者で当該取消しの日から五年を経過しないものを含む。)

 六 第四十六条の九第一項の規定による許可の取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があつた日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に第四十六条の十一第二項の規定による届出をした者(当該届出に係る同項に規定する滅菌譲渡について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から五年を経過しないもの

 七 前号に規定する期間内に第四十六条の十一第二項の規定による届出があつた場合において、同号の通知の日前六十日以内に当該届出に係る法人(当該届出に係る同項に規定する滅菌譲渡について相当の理由がある法人を除く。)の役員若しくは政令で定める使用人であつた者又は当該届出に係る個人(当該届出に係る同項に規定する滅菌譲渡について相当の理由がある者を除く。)の政令で定める使用人であつた者で、当該届出の日から五年を経過しないもの

 八 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む。)が前各号のいずれかに該当するもの

 九 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに第一号から第七号までのいずれかに該当する者のあるもの

 十 個人で政令で定める使用人のうちに第一号から第七号までのいずれかに該当する者のあるもの

3 前条第一項本文の許可には、条件を付することができる。この場合において、その条件は、その許可に係る家畜伝染病病原体による家畜伝染病の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要な最小限度のものに限り、かつ、許可を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。

 (許可証)

第四十六条の七 農林水産大臣は、第四十六条の五第一項本文の許可をしたときは、その許可に係る家畜伝染病病原体の種類その他農林水産省令で定める事項を記載した許可証を交付しなければならない。

2 許可証の再交付及び返納その他許可証に関する手続的事項は、農林水産省令で定める。

 (許可事項の変更)

第四十六条の八 許可所持者は、第四十六条の五第二項第二号から第四号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、農林水産省令の定めるところにより、農林水産大臣の許可を受けなければならない。ただし、その変更が農林水産省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。

2 許可所持者は、前項ただし書に規定する軽微な変更をしようとするときは、農林水産省令の定めるところにより、あらかじめ、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

3 許可所持者は、第四十六条の五第二項第一号に掲げる事項を変更したときは、農林水産省令の定めるところにより、その変更の日から三十日以内に、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

4 第一項本文の許可には、第四十六条の六の規定を準用する。

 (許可の取消し等)

第四十六条の九 農林水産大臣は、許可所持者が次の各号のいずれかに該当する場合は、第四十六条の五第一項本文の許可を取り消し、又は一年以内の期間を定めてその許可の効力を停止することができる。

 一 取扱施設の位置、構造又は設備が第四十六条の六第一項第二号の技術上の基準に適合しなくなつたとき。

 二 第四十六条の六第二項各号のいずれかに該当するに至つたとき。

 三 第四十六条の六第三項(前条第四項において準用する場合を含む。)の条件に違反したとき。

 四 この法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反したとき。

2 前項の規定による許可の取消し及び効力の停止に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。

 (家畜伝染病病原体の譲渡し及び譲受けの制限)

第四十六条の十 家畜伝染病病原体は、次の各号のいずれかに該当する場合のほか、譲り渡し、又は譲り受けてはならない。

 一 許可所持者がその許可に係る家畜伝染病病原体を、他の許可所持者(当該家畜伝染病病原体に係る第四十六条の五第一項本文の許可を受けた者に限る。以下この号において同じ。)に譲り渡し、又は他の許可所持者若しくは次条第二項に規定する滅菌譲渡義務者から譲り受ける場合

 二 次条第二項に規定する滅菌譲渡義務者が家畜伝染病病原体を、農林水産省令の定めるところにより、許可所持者(当該家畜伝染病病原体に係る第四十六条の五第一項本文の許可を受けた者に限る。)に譲り渡す場合

 (滅菌等)

第四十六条の十一 次の各号に掲げる者が当該各号に定める場合に該当するときは、その所持する家畜伝染病病原体の滅菌若しくは無害化(以下「滅菌等」という。)をし、又はその譲渡しをしなければならない。

 一 許可所持者 その許可に係る家畜伝染病病原体について所持することを要しなくなつた場合又は第四十六条の五第一項本文の許可を取り消され、若しくはその許可の効力を停止された場合

 二 家畜の伝染性疾病の病原体の検査を行つている機関(前号に掲げる者を除く。) その業務に伴い家畜伝染病病原体を所持することとなつた場合

2 前項の規定により家畜伝染病病原体の滅菌等又は譲渡し(以下「滅菌譲渡」という。)をしなければならない者(以下「滅菌譲渡義務者」という。)が、当該家畜伝染病病原体の滅菌譲渡をしようとするときは、農林水産省令の定めるところにより、当該家畜伝染病病原体の種類、滅菌譲渡の方法その他農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に届け出なければならない。

3 許可所持者が、その許可に係る家畜伝染病病原体を所持することを要しなくなつた場合において、前項の規定による届出をしたときは、第四十六条の五第一項本文の許可は、その効力を失う。

4 農林水産大臣は、必要があると認めるときは、滅菌譲渡義務者に対し、農林水産省令の定めるところにより、当該家畜伝染病病原体の滅菌譲渡の方法の変更その他当該家畜伝染病病原体による家畜伝染病の発生を予防し、又はそのまん延を防止するために必要な措置を講ずべき旨を命ずることができる。

 (家畜伝染病発生予防規程の作成等)

第四十六条の十二 許可所持者は、その許可に係る家畜伝染病病原体による家畜伝染病の発生を予防し、及びそのまん延を防止するため、農林水産省令の定めるところにより、当該家畜伝染病病原体の所持を開始する前に、家畜伝染病発生予防規程を作成し、農林水産大臣に届け出なければならない。

2 許可所持者は、家畜伝染病発生予防規程を変更したときは、その変更の日から三十日以内に、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

3 農林水産大臣は、家畜伝染病病原体による家畜伝染病の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があるときは、許可所持者に対し、家畜伝染病発生予防規程を変更すべき旨を命ずることができる。

 (病原体取扱主任者の選任等)

第四十六条の十三 許可所持者は、その許可に係る家畜伝染病病原体による家畜伝染病の発生の予防及びまん延の防止について監督を行わせるため、当該家畜伝染病病原体の取扱いの知識経験に関する要件として農林水産省令で定めるものを備える者のうちから、病原体取扱主任者を選任しなければならない。

2 許可所持者は、病原体取扱主任者を選任したときは、農林水産省令の定めるところにより、その選任の日から三十日以内に、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。

3 病原体取扱主任者は、誠実にその職務を遂行しなければならない。

4 取扱施設に立ち入る者は、病原体取扱主任者がこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは家畜伝染病発生予防規程の実施を確保するためにする指示に従わなければならない。

5 許可所持者は、その許可に係る家畜伝染病病原体による家畜伝染病の発生の予防及びまん延の防止に関し、病原体取扱主任者の意見を尊重しなければならない。

6 農林水産大臣は、病原体取扱主任者が、この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反したときは、許可所持者に対し、当該病原体取扱主任者を解任すべき旨を命ずることができる。

 (教育訓練)

第四十六条の十四 許可所持者は、取扱施設に立ち入る者に対し、農林水産省令の定めるところにより、家畜伝染病発生予防規程の周知を図るほか、その許可に係る家畜伝染病病原体による家畜伝染病の発生を予防し、及びそのまん延を防止するために必要な教育及び訓練を施さなければならない。

 (記帳義務)

第四十六条の十五 許可所持者は、農林水産省令の定めるところにより、帳簿を備え、その所持する家畜伝染病病原体の保管、使用及び滅菌等に関する事項その他当該家畜伝染病病原体による家畜伝染病の発生の予防及びまん延の防止に関し必要な事項を記載しなければならない。

2 前項の帳簿は、農林水産省令の定めるところにより、保存しなければならない。

 (施設の基準等)

第四十六条の十六 許可所持者は、取扱施設の位置、構造及び設備を第四十六条の六第一項第二号の技術上の基準に適合するように維持しなければならない。

2 農林水産大臣は、取扱施設の位置、構造又は設備が前項の技術上の基準に適合していないときは、許可所持者に対し、当該施設の修理又は改造その他当該家畜伝染病病原体による家畜伝染病の発生の予防又はまん延の防止のために必要な措置を講ずべき旨を命ずることができる。

 (保管等の基準等)

第四十六条の十七 許可所持者及び滅菌譲渡義務者並びにこれらの者から運搬を委託された者(以下「許可所持者等」という。)は、その所持する家畜伝染病病原体の保管、使用、運搬(船舶又は航空機による運搬を除く。以下同じ。)又は滅菌等をする場合においては、農林水産省令で定める技術上の基準に従つて当該家畜伝染病病原体による家畜伝染病の発生の予防及びまん延の防止のために必要な措置を講じなければならない。

2 農林水産大臣は、許可所持者等が講ずる家畜伝染病病原体の保管、使用、運搬又は滅菌等に関する措置が前項の技術上の基準に適合していないときは、その者に対し、その保管、使用、運搬又は滅菌等の方法の変更その他当該家畜伝染病病原体による家畜伝染病の発生の予防又はまん延の防止のために必要な措置を講ずべき旨を命ずることができる。

 (災害時の応急措置)

第四十六条の十八 許可所持者等は、その所持する家畜伝染病病原体に関し、地震、火災その他の災害が起こつたことにより、当該家畜伝染病病原体による家畜伝染病が発生し、若しくはまん延した場合又は当該家畜伝染病病原体による家畜伝染病が発生し、若しくはまん延するおそれがある場合においては、直ちに、農林水産省令の定めるところにより、応急の措置を講じなければならない。

2 許可所持者等は、前項に規定する場合においては、農林水産省令の定めるところにより、遅滞なく、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

3 農林水産大臣は、第一項の場合において、当該家畜伝染病病原体による家畜伝染病の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があるときは、許可所持者等に対し、当該家畜伝染病病原体の保管場所の変更、当該家畜伝染病病原体の滅菌等その他当該家畜伝染病病原体による家畜伝染病の発生の予防又はまん延の防止のために必要な措置を講ずべき旨を命ずることができる。

 (届出伝染病等病原体の所持の届出)

第四十六条の十九 届出伝染病等病原体(家畜伝染病病原体以外の家畜伝染病の病原体及び届出伝染病の病原体であつて、農林水産省令で定めるものをいう。以下同じ。)を所持する者は、農林水産省令の定めるところにより、その所持の開始の日から七日以内に、当該届出伝染病等病原体の種類その他農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に届け出なければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

 一 家畜の伝染性疾病の病原体の検査を行つている機関が、その業務に伴い届出伝染病等病原体を所持することとなつた場合において、農林水産省令の定めるところにより、滅菌譲渡をするまでの間当該届出伝染病等病原体を所持するとき。

 二 届出伝染病等病原体を所持する者から運搬又は滅菌等を委託された者が、その委託に係る届出伝染病等病原体を当該運搬又は滅菌等のために所持する場合

 三 届出伝染病等病原体を所持する者の従業者が、その職務上届出伝染病等病原体を所持する場合

2 前項本文の規定による届出をした者(次条第一項において「届出所持者」という。)は、その届出に係る事項を変更したときは、農林水産省令の定めるところにより、その変更の日から七日以内に、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。その届出に係る届出伝染病等病原体を所持しないこととなつたときも、同様とする。

 (準用)

第四十六条の二十 届出所持者には、第四十六条の十五及び第四十六条の十六の規定を準用する。この場合において、第四十六条の十五第一項及び第四十六条の十六第二項中「家畜伝染病病原体」とあるのは「届出伝染病等病原体」と、「家畜伝染病の」とあるのは「家畜の伝染性疾病の」と、同条中「取扱施設」とあるのは「届出伝染病等病原体の保管、使用及び滅菌等をする施設」と、同条第一項中「第四十六条の六第一項第二号の」とあるのは「農林水産省令で定める」と読み替えるものとする。

2 届出伝染病等病原体を所持する者(前条第一項第三号の従業者を除く。以下同じ。)には、第四十六条の十七及び第四十六条の十八の規定を準用する。この場合において、第四十六条の十七並びに第四十六条の十八第一項及び第三項中「家畜伝染病病原体」とあるのは「届出伝染病等病原体」と、「による家畜伝染病」とあるのは「による家畜の伝染性疾病」と読み替えるものとする。

 (事業所管大臣等に対する要請)

第四十六条の二十一 農林水産大臣は、家畜伝染病病原体又は届出伝染病等病原体(以下「監視伝染病病原体」という。)による家畜の伝染性疾病の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該監視伝染病病原体を取り扱う事業者の事業を所管する大臣に対し、当該事業者による監視伝染病病原体の適切な取扱いを確保するために必要な措置を講ずることを要請することができる。

2 農林水産大臣は、監視伝染病病原体による家畜の伝染性疾病の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、家畜の伝染性疾病に関する試験研究又は検査を行つている機関の職員の派遣その他必要な協力を要請することができる。

 (適用除外)

第四十六条の二十二 第四十六条の五から前条までの規定は、次に掲げる病原体については、適用しない。

 一 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二十五第一項(これらの規定が同法第八十三条第一項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)の規定による承認又は同法第二十三条の二の二十三第一項(同法第八十三条第一項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)の規定による認証を受けた医薬品又は再生医療等製品に含有される病原体その他これに準ずる病原体であつて家畜の伝染性疾病を発生させるおそれがほとんどないものとして農林水産省令で定めるもの

 二 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第六条第二十項に規定する一種病原体等、同条第二十一項に規定する二種病原体等、同条第二十二項に規定する三種病原体等又は同条第二十三項に規定する四種病原体等(それによる家畜伝染病のまん延により家畜の生産又は健康の維持に重大な影響を及ぼすおそれがある病原体として農林水産省令で定めるものを除く。)に該当する病原体

   第六章 雑則

 (農林水産大臣の都道府県知事に対する指示)

第四十七条 農林水産大臣は、家畜の伝染性疾病の発生又はまん延により、畜産に重大な影響を及ぼすおそれがあるときは、都道府県知事に対し、第六条第一項、第九条、第十五条、第十七条、第十七条の二第五項若しくは第六項、第二十五条の二、第二十六条第一項、第三項若しくは第五項、第二十八条の二第一項、第三十条、第三十一条第一項、第三十二条第一項若しくは第三十三条から第三十四条の二までの規定による措置を実施し、又は家畜防疫員に第十六条第三項の規定による措置を実施させるべき旨を指示することができる。

 (国の都道府県に対する協力)

第四十八条 農林水産大臣は、前条の指示をした場合又は都道府県知事から求められた場合において必要と認めるときは、その指定する家畜防疫官をして都道府県知事の指示を受け、第二章又は第三章の規定により家畜防疫員の行なうべき職権を行なわせることができる。

 (家畜防疫員の派遣の要請)

第四十八条の二 都道府県知事は、家畜の伝染性疾病を予防するため緊急の必要があるときは、他の都道府県知事に対し、家畜防疫員の派遣を要請することができる。この場合において、家畜防疫員の派遣を要請された都道府県知事は、正当な理由がない限り、その派遣を拒んではならない。

2 前項の規定による要請に応じて派遣された家畜防疫員は、その派遣を要請した都道府県知事の指示を受け、当該都道府県の家畜防疫員の行なうべき職権を行なうことができる。

3 第一項の規定による要請に応じて派遣される家畜防疫員の派遣に伴い要する費用は、その派遣を受ける都道府県が支弁するものとする。

4 前項の場合において、その派遣を受ける都道府県が当該費用を支弁するいとまがないときは、当該都道府県は、その派遣をする他の都道府県に対し、当該費用の一時繰替え支弁を求めることができる。

 (動物用生物学的製剤等の譲与又は貸付)

第四十九条 農林水産大臣は、家畜の伝染性疾病を予防するため必要があると認めるときは、都道府県に対し、動物用生物学的製剤を譲与し、又は予防用器具を無償若しくは時価よりも低い対価で貸し付けることができる。

 (動物用生物学的製剤の使用の制限)

第五十条 農林水産大臣の指定する動物用生物学的製剤は、都道府県知事の許可を受けなければ使用してはならない。

 (立入検査等)

第五十一条 家畜防疫官又は家畜防疫員は、家畜の伝染性疾病を予防するため必要があるときは、競馬場、家畜市場、家畜共進会場等家畜の集合する場所、衛生管理区域、化製場若しくは死亡獣畜取扱場、と畜場、倉庫、船舶、車両、航空機又は家畜の伝染性疾病の病原体により汚染し、若しくは汚染したおそれがあるその他の場所に立ち入つて動物その他の物を検査し、関係者に質問し、又は検査のため必要な限度において、動物の血液、乳汁等を採取し、若しくは動物の死体その他の物を集取することができる。

2 農林水産大臣は、前章の規定を施行するため必要があるときは、その職員に、許可所持者等又は届出伝染病等病原体を所持する者の事務所又は事業所に立ち入つてその者の帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、関係者に質問させ、又は検査のため必要な限度において、監視伝染病病原体若しくはこれにより汚染し、若しくは汚染したおそれがある物を集取させることができる。

3 農林水産省の職員(家畜防疫官を除く。)は、前項の規定による立入検査、質問又は集取をするときは、農林水産省令の定めるところにより、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。

4 第一項及び第二項の規定による立入検査、質問、採取又は集取の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (報告)

第五十二条 農林水産大臣又は都道府県知事は、家畜の伝染性疾病を予防するため必要があるときは、農林水産省令で定める手続に従い、動物の所有者、獣医師、家畜の伝染性疾病の病原体の所有者、飼料の製造、輸入若しくは販売の事業を行う者、競馬、家畜市場、家畜共進会等家畜を集合させる催物の開催者又は化製場若しくは死亡獣畜取扱場若しくはと畜場の所有者に対し、必要な事項についての報告を求めることができる。

2 農林水産大臣は、前章の規定を施行するため必要があるときは、農林水産省令で定める手続に従い、許可所持者等又は届出伝染病等病原体を所持する者に対し、必要な事項についての報告を求めることができる。

 (伝染性疾病の発生の状況等に関する情報の収集及び公表)

第五十二条の二 農林水産大臣は、家畜の伝染性疾病の外国における発生の状況、動向及び原因に関する情報を収集するものとする。

2 農林水産大臣は、この法律の規定により得られた情報その他その収集した家畜の伝染性疾病に関する情報について整理及び分析を行い、家畜の伝染性疾病の発生の状況、動向及び原因に関する情報並びに当該家畜の伝染性疾病の発生の予防及びまん延の防止のために必要な情報をインターネットの利用その他の適切な方法により積極的に公表するものとする。

 (審査請求の制限)

第五十二条の三 第十四条第三項、第十六条第一項、第十九条、第二十条第二項、第二十一条第一項、第二十三条第一項、第二十五条第一項又は第二十六条第二項の規定による家畜防疫員の指示(第四十六条第一項又は第四十八条の規定により家畜防疫官が行うこれらの規定による指示を含む。)及び第十七条第一項、第十七条の二第五項又は第二十六条第一項の規定による都道府県知事の命令(第四十六条第一項の規定により動物検疫所長が行う第十七条第一項又は第二十六条第一項の規定による命令を含む。)については、審査請求をすることができない。

 (家畜防疫官及び家畜防疫員)

第五十三条 この法律に規定する事務に従事させるため、農林水産省に家畜防疫官を置く。

2 前項の家畜防疫官は、獣医師の中から任命する。ただし、特に必要があるときは家畜の伝染性疾病予防に関し学識経験のある獣医師以外の者を任命することができる。

3 この法律に規定する事務に従事させるため、都道府県知事は、当該都道府県の職員で獣医師であるものの中から、家畜防疫員を任命する。ただし、特に必要があるときは、当該都道府県の職員で家畜の伝染性疾病予防に関し学識経験のある獣医師以外の者を任命することができる。

4 都道府県知事は、獣医師を当該都道府県の職員として採用することにより、この法律に規定する事務を処理するために必要となる員数の家畜防疫員を確保するよう努めなければならない。

 (証票の携帯等)

第五十四条 家畜防疫官又は家畜防疫員は、この法律により職務を執行するときは、農林水産省令の定めるところにより、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。

 (服制)

第五十五条 家畜防疫官の服制は、農林水産大臣が定める。

 (処分の承継人に対する効力)

第五十六条 この法律(前章を除く。以下この項において同じ。)又はこの法律に基づく命令の規定による指示その他の処分は、当該処分の目的である家畜その他の物の所有者又は管理者から権利を承継した者又は権利の設定を受けて、新たに当該家畜その他の物の管理者となつた者に対しても、またその効力を有する。

2 前項の家畜その他の物の所有者又は管理者は、当該家畜その他の物を他人に譲渡し、又は管理させる場合には、その処分のあつたこと及びその処分の内容をその者に知らせなければならない。

 (特別区に関する規定の適用)

第五十七条 この法律中市町村又は市町村長に関する規定は、特別区のある地にあつては、特別区又は特別区長に適用する。

 (手当金)

第五十八条 国は、次に掲げる動物又は物品の所有者(第十七条の規定により殺すべき旨を命ぜられた家畜については、その命令のあつた時における当該家畜の所有者)に対し、それぞれ当該各号に定める額(当該動物の死体が利用価値を有する場合には、その評価額を当該各号に定める額から差し引いて得た額)を手当金として交付する。ただし、家畜の伝染性疾病の発生を予防し、又はまん延を防止するために必要な措置を講じなかつた者その他の農林水産省令で定める者に対しては、農林水産省令の定めるところにより、この項本文の規定により交付すべき手当金の全部若しくは一部を交付せず、又はこの項本文の規定により交付した手当金の全部若しくは一部を返還させるものとする。

 一 第十六条又は第十七条の規定により殺された患畜(次号に該当するものを除く。)にあつては、患畜となる前における当該家畜の評価額(その額が、家畜の種類ごとに、標準的な資質を有する家畜の売買取引において通常成立すると認められる取引価額を下らない範囲内において政令で定める額を超えるときは、当該政令で定める額とする。次項第一号において同じ。)の三分の一

 二 ブルセラ症、結核、ヨーネ病又は馬伝染性貧血にかかつたため第十七条の規定により殺された患畜にあつては、同条の命令があつた時における当該家畜の評価額(その額が家畜の種類ごとに前号の政令で定める額を超えるときは、当該政令で定める額とする。)の五分の四

 三 第十六条、第十七条又は第二十条第一項の規定により殺された疑似患畜にあつては、疑似患畜となる前における当該家畜の評価額の五分の四

 四 第四条の二第三項若しくは第五項、第五条第一項、第六条第一項、第三十一条第一項又は第四十六条第二項若しくは第三項の規定による検査、注射、薬浴又は投薬を行つたため死亡した動物又は死産し、若しくは流産した動物の胎児にあつては、当該検査、注射、薬浴又は投薬の時における当該動物の評価額又は死産若しくは流産をする前における当該胎児の評価額の全額

 五 第二十三条(同条第一項ただし書の場合を除く。次項第三号において同じ。)の規定により焼却し、又は埋却した物品にあつては、焼却又は埋却前における当該物品の評価額の五分の四

2 国は、次に掲げる家畜又は物品の所有者に対し、前項の手当金のほか、それぞれ当該各号に定める額を特別手当金として交付する。ただし、第十六条第一項第一号に規定する家畜伝染病の発生を予防し、又はまん延を防止するために必要な措置を講じなかつた者その他の農林水産省令で定める者に対しては、農林水産省令の定めるところにより、この項本文の規定により交付すべき特別手当金の全部若しくは一部を交付せず、又はこの項本文の規定により交付した特別手当金の全部若しくは一部を返還させるものとする。

 一 第十六条の規定により殺された患畜にあつては、患畜となる前における当該家畜の評価額の三分の二

 二 第十六条の規定により殺された疑似患畜にあつては、疑似患畜となる前における当該家畜の評価額の五分の一

 三 第十六条第一項第一号に規定する家畜伝染病の病原体により汚染し、又は汚染したおそれがあるため第二十三条の規定により焼却し、又は埋却した物品にあつては、焼却又は埋却前における当該物品の評価額の五分の一

3 第四十六条第一項に規定する場合には、前二項の規定は、第一項第四号の動物及びその胎児に対する場合を除き、適用しない。

4 農林水産大臣は、第一項及び第二項に掲げる動物、死体、胎児又は物品の評価額を決定するには、関係都道府県知事の意見を聴かなければならない。

5 都道府県知事は、農林水産大臣に前項の意見を具申するには、農林水産省令の定めるところにより、あらかじめ選定した三人以上の評価人の意見を聴かなければならない。

 (費用の負担)

第五十九条 国は、第二十一条第一項又は第二十三条第一項の規定により焼却し、又は埋却した患畜若しくは疑似患畜の死体又は物品の所有者に対し、焼却又は埋却に要した費用の二分の一を交付する。

第六十条 国は、都道府県知事又は家畜防疫員がこの法律を執行するために必要な費用のうち次に掲げるものを負担する。

 一 家畜防疫員の旅費の全額(家畜伝染病(第六十二条第一項の規定により指定された疾病を含む。)以外の寄生虫病の発生を予防するために要するものについては、二分の一)

 二 第五十八条第五項の評価人の手当及び旅費の全額

 三 雇い入れた獣医師に対する手当の二分の一

 四 牛疫予防液の購入費又は製造費の全額

 五 牛疫予防液以外の動物用生物学的製剤の購入費又は製造費の二分の一

 六 農林水産大臣の指定する薬品の購入費の全額(家畜伝染病(第六十二条第一項の規定により指定された疾病を含む。)以外の寄生虫病の発生を予防するために要するものについては、二分の一)

 七 農林水産大臣の指定する衛生資材の購入費又は賃借料の二分の一

 八 農林水産大臣の指定する消毒に要した費用(第六号の薬品の購入費並びに前号の衛生資材の購入費及び賃借料を除く。)の二分の一

 九 農林水産大臣の指定する焼却又は埋却に要した費用の二分の一(指定家畜の焼却又は埋却に要するものについては、その全額)

2 国は、都道府県知事が第三十二条の規定による移動若しくは移出の禁止若しくは制限、第三十三条の規定による催物の開催若しくは事業の停止若しくは制限又は第三十四条の規定による放牧、種付、と殺若しくはふ卵の停止若しくは制限をした場合において、当該都道府県が家畜、その死体又は物品(以下この項において「家畜等」という。)の所有者に対して当該禁止、停止又は制限に起因する家畜等に係る売上げの減少額又は飼料費その他の保管、輸送若しくは処分に要する費用の増加額のうち政令で定めるものに相当する額を交付するときは、当該交付した額の二分の一を負担する。

 (指定家畜に係る補償金等)

第六十条の二 国は、その所有する指定家畜を第十七条の二第五項の規定による命令に従つて殺し、又は同条第六項の規定により殺されたために損失を受けた者に対し、その生産に要する費用その他の通常生ずべき損失として政令で定める損失を補償しなければならない。

2 国は、第二十一条第一項の規定により焼却し、又は埋却した指定家畜の死体の所有者に対し、焼却又は埋却に要した費用の全額を交付する。

3 前二項に定めるもののほか、指定家畜に係る損失の補償及び費用の負担に関し必要な事項は、政令で定める。

 (初期段階の措置に係る財政上の措置)

第六十条の三 政府は、患畜又は疑似患畜が発見された場合において家畜伝染病の発生後の初期の段階からそのまん延の防止のための措置が的確かつ迅速に講じられるようにするため、予備費の計上その他の必要な財政上の措置を講ずるよう努めなければならない。

 (家畜保健衛生所長への事務の委任)

第六十一条 都道府県知事は、第四条第一項、第四条の二第一項及び第三項、第七条(第三十一条第二項において準用する場合を含む。)、第八条(第三十一条第二項において準用する場合を含む。)、第九条、第十二条の四第一項、第十三条第一項及び第二項(同条第一項ただし書及び第二項については、第十三条の二第二項において準用する場合を含む。)、第十三条の二第一項、第十五条、第二十一条第一項ただし書、第二十四条ただし書、第二十六条第一項、第三項及び第五項、第三十条、第三十一条第一項、第五十条並びに第五十二条第一項の規定によりその権限に属する事務の一部を家畜保健衛生所長に委任することができる。

 (監視伝染病以外の疾病に対するこの法律の準用)

第六十二条 家畜その他の動物について監視伝染病以外の伝染性疾病の発生又はまん延の徴があり、家畜の生産又は健康の維持に重大な影響を及ぼすおそれがあるときは、政令で、動物及び疾病の種類並びに地域を指定し、一年以内の期間を限り、第三条の二、第五条から第十二条の二まで、第三章の規定及びこれに係るこの章の規定並びに第四章の規定(第三十六条の二の規定を除く。)の全部又は一部(家畜以外の動物については、第五条から第十二条の二までの規定を除く。)を準用することができる。

2 農林水産大臣は、前項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴かなければならない。

 (厚生労働大臣及び環境大臣との関係)

第六十二条の二 農林水産大臣は、第四条第二項に規定するもののほか、家畜から人に伝染するおそれが高いと認められる家畜の伝染性疾病についてこの法律の規定による家畜の伝染性疾病の発生の予防又はまん延の防止のための措置を講じようとする場合において、必要があると認めるときは、厚生労働大臣に意見を求めることができる。

2 厚生労働大臣は、家畜から人に伝染するおそれが高いと認められる家畜の伝染性疾病の発生又はまん延により国民の健康に影響を与えるおそれがあると認めるときは、この法律の規定による家畜の伝染性疾病の発生の予防又はまん延の防止のための措置の実施に関し、農林水産大臣に意見を述べることができる。

3 農林水産大臣及び厚生労働大臣は、前二項の規定の円滑な実施を図るため、相互に情報又は資料を提供するものとする。

4 農林水産大臣は、第二条第一項の表の上欄に掲げる伝染性疾病が野生動物から家畜に伝染するおそれが高いためこの法律の規定による家畜の伝染性疾病の発生の予防又はまん延の防止のための措置を講じようとする場合において、必要があると認めるときは、環境大臣に意見を求め、又は野生動物の監視その他の必要な措置を講ずることを求めることができる。

5 環境大臣は、前項の伝染性疾病が野生動物から家畜に伝染するおそれが高いため家畜に当該伝染性疾病の発生又はまん延のおそれがあると認めるときは、この法律の規定による家畜の伝染性疾病の発生の予防又はまん延の防止のための措置の実施に関し、農林水産大臣に意見を述べることができる。

6 農林水産大臣及び環境大臣は、前二項の規定の円滑な実施を図るため、相互に情報又は資料を提供するものとする。

 (連絡及び協力)

第六十二条の三 農林水産大臣及び関係行政機関の長は、この法律の施行に当たつては、家畜の伝染性疾病の発生の予防又はまん延の防止に関する事項について、相互に緊密に連絡し、及び協力しなければならない。

 (事務の区分)

第六十二条の四 第三章(第二十一条第六項及び第七項を除く。)の規定(第六十二条第一項において準用する場合を含む。)により地方公共団体が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

 (経過措置)

第六十二条の五 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

   第七章 罰則

第六十三条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

 一 第十三条第一項又は第十三条の二第一項(これらの規定を第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の獣医師又は所有者がこれらの規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 二 第十六条第一項、第三十六条第一項、第三十七条第一項、第三十八条又は第四十五条第一項(第三十六条第一項及び第三十七条第一項については、第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。

 三 第十七条第一項又は第十七条の二第五項の規定による命令に違反したとき。

 四 第三十六条第三項(第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による条件に違反したとき。

 五 第四十条第一項(第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して検査を受けず、又は検査を受けるに当たつて不正行為をしたとき。

第六十四条 第四十六条の五第一項又は第四十六条の十の規定に違反した場合には、当該違反行為をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第六十五条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 一 第十一条、第十二条、第十四条第一項、第十六条第二項、第二十一条第一項若しくは第三項、第五十条又は第五十六条第二項(第十四条第一項及び第五十六条第二項については、第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。

 二 第三十二条又は第三十三条(これらの規定を第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による禁止、停止又は制限に違反したとき。

 三 第三十六条の二第一項の規定による届出をしないで、又は虚偽の届出をして、家畜の伝染性疾病の病原体であつて既に知られているもののうち、監視伝染病の病原体以外のものを輸入したとき。

 四 第四十六条の八第一項、第四十六条の十一第一項、第四十六条の十三第一項又は第四十六条の十八第一項(第四十六条の二十第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。

 五 第四十六条の十八第三項(第四十六条の二十第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による命令に違反したとき。

 六 第五十一条第二項の規定による検査若しくは集取を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。

 七 第五十二条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

第六十六条 第十二条の六第二項又は第三十四条の二第二項(第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した場合には、当該違反行為をした者は、百万円以下の罰金に処する。

第六十七条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。

 一 第四十六条の六第三項(第四十六条の八第四項において準用する場合を含む。)の規定による条件に違反したとき。

 二 第四十六条の十一第二項の規定による届出をしないで、又は虚偽の届出をして、同項に規定する滅菌譲渡をしたとき。

 三 第四十六条の十一第四項、第四十六条の十六第二項(第四十六条の二十第一項において読み替えて準用する場合を含む。)又は第四十六条の十七第二項(第四十六条の二十第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による命令に違反したとき。

 四 第四十六条の十九第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

第六十八条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第四条の二第三項若しくは第五項、第五条第一項、第六条第一項、第九条、第二十六条第一項又は第三十条(第五条第一項、第六条第一項、第九条、第二十六条第一項及び第三十条については、第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反したとき。

 二 第八条の二、第二十一条第二項、第二十三条第一項、第二十四条、第二十五条第一項、第四項若しくは第六項、第二十六条第四項若しくは第六項、第二十八条第二項又は第二十八条の二第一項(第八条の二、第二十三条第一項、第二十四条、第二十五条第一項、第四項及び第六項、第二十六条第四項及び第六項、第二十八条第二項並びに第二十八条の二第一項については、第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。

 三 第十条第三項、第十五条又は第二十五条の二第三項(これらの規定を第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による通行の制限又は遮断に違反したとき。

 四 第十四条第二項若しくは第三項、第十九条、第二十六条第二項又は第四十条第四項(これらの規定を第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による指示(第十四条第二項の規定による指示については、同項の措置をとるべき旨の指示に限る。)に違反したとき。

 五 第十八条(第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による届出をしないで、第十八条に規定する家畜を殺したとき。

 六 第二十条第一項(第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による剖検又は殺処分を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

 七 第二十九条(第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による標識を付することを拒み、妨げ、又は忌避したとき。

 八 第三十一条第一項(第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査、注射、薬浴又は投薬を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

 九 第三十四条(第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による停止又は制限に違反したとき。

 十 第四十条第二項(第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

 十一 第四十条第五項、第四十五条第五項若しくは第四十六条の二第一項若しくは第二項(これらの規定を第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

 十二 第四十二条第二項又は第四十三条第五項(これらの規定を第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を受けず、又は検査を受けるに当たつて不正行為をしたとき。

 十三 第四十六条第二項又は第三項の規定による命令に違反し、又はこれらの規定による隔離、注射、薬浴、投薬若しくは消毒を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

 十四 第四十六条第四項(第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による処分を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

 十五 第四十六条の三(第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による消毒を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

 十六 第四十六条の八第二項の規定による届出をしないで、又は虚偽の届出をして、同条第一項ただし書に規定する変更をしたとき。

 十七 第四十六条の十四又は第四十六条の十五(第四十六条の二十第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。

 十八 第四十六条の十八第二項(第四十六条の二十第二項において準用する場合を含む。)又は第四十六条の十九第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 十九 第五十一条第一項の規定による検査、採取若しくは集取を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。

 二十 第五十二条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

第六十九条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

 一 第六十三条 五千万円以下の罰金刑

 二 第六十四条から前条まで 各本条の罰金刑

第七十条 第十二条の四第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、三十万円以下の過料に処する。

第七十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。

 一 第四十六条の十二第一項の規定による届出をしないで、同項に規定する家畜伝染病病原体の所持を開始した者

 二 第四十六条の十三第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 三 第四十六条の十二第三項の規定による命令に違反した者

第七十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の過料に処する。

 一 第四十六条の八第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 二 第四十六条の十二第二項の規定による届出をしなかつた者

   附則抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、昭和二十六年六月一日から施行する。

 (旧法の廃止等)

第二条 家畜伝染病予防法(大正十一年法律第二十九号。以下「旧法」という。)は、廃止する。ただし、この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

第四条 旧法又はこれに基づく命令の規定によつてした行政庁、家畜検疫官吏又は家畜防疫委員の処分その他の行為は、それぞれこの法律又はこの法律に基づく命令の相当規定により行政庁、家畜防疫官又は家畜防疫員のしたものとみなす。

   附則 (昭和二七年三月三一日法律第三九号) 抄

1 この法律は、昭和二十七年四月一日から施行する。

   附則 (昭和二八年八月一日法律第一一四号) 抄

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

   附則 (昭和二八年八月一五日法律第二一三号) 抄

1 この法律は、昭和二十八年九月一日から施行する。

2 この法律施行前従前の法令の規定によりなされた許可、認可その他の処分又は申請、届出その他の手続は、それぞれ改正後の相当規定に基いてなされた処分又は手続とみなす。

   附則 (昭和三〇年八月二七日法律第一八〇号) 抄

1 この法律の施行期日は、公布の日から起算して三箇月をこえない期間内において、政令で定める。

   附則 (昭和三一年三月二四日法律第二八号) 抄

1 この法律は、昭和三十一年四月一日から施行する。

4 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、この法律の施行後でも、なお従前の例による。

   附則 (昭和三一年六月六日法律第一三一号) 抄

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。

   附則 (昭和三七年九月一五日法律第一六一号) 抄

1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。

2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。

3 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。

4 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。

5 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。

6 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。

8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

9 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

   附則 (昭和四六年六月五日法律第一〇三号)

1 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。ただし、第五十八条第一項の改正規定(「結核病」の下に「、ヨーネ病」を加える部分を除く。)及び次項の規定は、公布の日から施行する。

2 前項ただし書に規定する改正規定の施行の日前に改正前の家畜伝染病予防法第五十八条第一項第一号又は第二号に規定する患畜に該当した家畜の所有者に対し交付する手当金については、なお従前の例による。

3 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

   附則 (昭和四六年一二月三一日法律第一三〇号) 抄

 (施行期日)

1 この法律は、琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の効力発生の日から施行する。

   附則 (昭和五〇年五月七日法律第二九号)

この法律は、公布の日から施行する。

   附則 (昭和五三年七月五日法律第八七号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

   附則 (昭和六〇年五月一八日法律第三七号) 抄

 (施行期日等)

1 この法律は、公布の日から施行する。

   附則 (平成元年一二月一九日法律第八〇号) 抄

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (罰則に関する経過措置)

7 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

   附則 (平成九年四月一一日法律第三四号)

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条の規定は、平成九年四月二十七日から施行する。

 (第二条の規定による改正に伴う経過措置)

第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に第二条の規定による改正前の家畜伝染病予防法(以下「旧法」という。)第四条第一項の規定による届出があった家畜に係る同条第三項の規定による通報及び報告については、なお従前の例による。

2 施行日前に旧法第六条第一項の規定により検査を受けた家畜については、第二条の規定による改正後の家畜伝染病予防法(以下「新法」という。)第七条及び第八条の適用については、新法第五条第一項の規定により検査を受けたものとみなす。

3 施行日前に旧法第六条第二項の規定により公示が行われた同条第一項の検査については、なお従前の例による。

4 施行日前に旧法第十三条第一項の規定による届出があった家畜に係る同条第四項の規定による公示、通報及び報告並びに同条第五項の規定による公示、報告及び通報については、なお従前の例による。

5 この法律の施行の際現に旧法第三十六条第一項ただし書の許可を受けている家畜の伝染性疾病の病原体の輸入については、なお従前の例による。

6 この法律の施行の際現にされている旧法第三十六条第一項ただし書の許可の申請は、新法第三十六条第一項第二号に掲げる家畜の伝染性疾病の病原体に係るものにあっては同項の規定によりした同項ただし書の許可の申請と、新法第三十六条の二第一項の家畜の伝染性疾病の病原体に係るものにあっては同項の規定によりした届出とみなす。

7 施行日前に旧法第四十条第一項の規定による届出、旧法第四十二条第二項の規定による届出、旧法第四十三条第一項の規定による通知又は同条第五項の規定による届出(以下この項において「届出等」という。)があった指定検疫物について旧法第四十条第一項、第四十二条第二項、第四十三条第二項又は第五項の規定による検査が行われていない場合には、当該届出等は、新法第四十条第一項の規定による届出、新法第四十二条第二項の規定による届出、新法第四十三条第一項の規定による通知又は同条第五項の規定による届出とみなす。

8 施行日前に旧法第四十条第一項若しくは第二項、第四十一条、第四十二条第二項又は第四十三条第二項若しくは第五項の規定により行われた検査であって、施行日前に旧法第四十四条の規定による輸入検疫証明書の交付又は旧法第四十六条の規定による処置がされていないものについては、新法第四十四条及び第四十六条の規定を適用する。

9 施行日前に旧法第十七条の規定により殺された患畜、旧法第十七条若しくは第二十条第一項の規定により殺された疑似患畜、旧法第六条第一項、第三十条第一項、第三十一条第一項若しくは第四十六条第二項の規定による検査、注射、薬浴若しくは投薬を行ったため死亡した動物若しくは死産し、若しくは流産した動物の胎児若しくは旧法第二十三条の規定により焼却し、若しくは埋却した物品に係る旧法第五十八条の規定による手当金の交付、旧法第二十一条第一項若しくは第二十三条第一項の規定により焼却し、若しくは埋却した家畜の死体若しくは物品に係る旧法第五十九条の規定による費用の負担又は旧法第六十条の規定による都道府県知事若しくは家畜防疫員が旧法を執行するために必要とした同条各号に掲げる費用の負担については、なお従前の例による。

 (罰則に関する経過措置)

第三条 この法律の施行前にした行為及び附則第二条第三項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

   附則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日

 (国等の事務)

第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

 (不服申立てに関する経過措置)

第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。

2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

 (罰則に関する経過措置)

第百六十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (その他の経過措置の政令への委任)

第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

 (検討)

第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

   附則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日

   附則 (平成一二年一一月二二日法律第一二三号)

この法律は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行する。

   附則 (平成一四年六月一四日法律第七〇号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

 (罰則に関する経過措置)

第七条 この法律の施行前にした行為並びに附則第三条第四項及び前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (食品の安全に関する行政の見直し)

第八条 政府は、牛海綿状脳症の発生を予防できなかったことにかんがみ、関係府省の連携を強化する観点から、生産から消費に至る食品の安全に関する行政の抜本的な見直しにつき検討するものとする。

   附則 (平成一四年七月三一日法律第一〇〇号)

 (施行期日)

第一条 この法律は、民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)の施行の日から施行する。

 (罰則に関する経過措置)

第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (その他の経過措置の政令への委任)

第三条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

   附則 (平成一四年一二月一三日法律第一五二号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)の施行の日から施行する。

 (罰則に関する経過措置)

第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (その他の経過措置の政令への委任)

第五条 前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

   附則 (平成一五年六月一一日法律第七三号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (検討)

第二条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、第一条から第五条までの規定による改正後の規定の施行の状況等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

 (家畜伝染病予防法の一部改正に伴う経過措置)

第三条 この法律の施行前にされた第五条の規定による改正前の家畜伝染病予防法第二条第一項の表二十三の項に規定する家きんペストに係る処分、手続その他の行為は、第五条の規定による改正後の家畜伝染病予防法第二条第一項の表二十三の項に規定する高病原性鳥インフルエンザに係る処分、手続その他の行為としてされたものとみなす。

 (罰則の適用に関する経過措置)

第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第五条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

   附則(平成一六年六月二日法律第六八号)

この法律は、公布の日から施行する。ただし、第六十三条及び第六十四条の改正規定は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

   附則 (平成一七年一〇月二一日法律第一〇二号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。

 (罰則に関する経過措置)

第百十七条 この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第九条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第三十八条の八(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第十三条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第七十条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第二十七条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第八条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第三十九条第二項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第四十二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十一条及び第七十二条(第十五号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第二条第二項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第百四条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

   附則 (平成二三年四月四日法律第一六号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 目次の改正規定(「第十二条の四」を「第十二条の七」に、「第三十五条」を「第三十五条の二」に改める部分及び「第六十二条の五」を「第六十二条の六」に改める部分に限る。)、第三条の二の改正規定、第二章に一条を加える改正規定、第二十一条に二項を加える改正規定、第三章に一条を加える改正規定、第五十二条の二を第五十二条の三とし、第五十二条の次に一条を加える改正規定、第五十三条の改正規定、第六十条の次に二条を加える改正規定(第六十条の三に係る部分に限る。)、第六十二条の二の改正規定、第六十二条の三の改正規定、第五章中第六十二条の五を第六十二条の六とする改正規定、第六十二条の四の改正規定及び同条を第六十二条の五とし、第六十二条の三の次に一条を加える改正規定並びに附則第九条第四項、第十二条(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)別表第一家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号)の項の改正規定に限る。)及び第二十条の規定 公布の日

 二 目次の改正規定(「第十二条の四」を「第十二条の七」に、「第三十五条」を「第三十五条の二」に改める部分及び「第六十二条の五」を「第六十二条の六」に改める部分を除く。)、第五条第四項の改正規定、第八条の次に一条を加える改正規定、第十二条の三の改正規定、第十二条の四の改正規定、第二章中同条を第十二条の六とし、第十二条の三の次に二条を加える改正規定、第十三条の次に一条を加える改正規定、第二十五条の改正規定、第二十六条の改正規定、第二十八条の改正規定、第四章の章名の改正規定、同章中第四十六条の次に三条を加える改正規定、第六十三条に一号を加える改正規定、第六十四条の改正規定、第六十六条の改正規定、同条を第六十七条とする改正規定、第六十五条の改正規定(第二十八条の二第一項に係る部分を除く。)、第六十五条を第六十六条とし、第六十四条の次に一条を加える改正規定、本則に二条を加える改正規定、第六章を第七章とする改正規定、第五十一条の改正規定、第五十二条の改正規定、第五十六条の改正規定、第六十一条の改正規定及び第五章を第六章とし、第四章の次に一章を加える改正規定並びに次条から附則第四条まで、附則第六条から第八条まで及び附則第十九条の規定 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日

 三 附則第十八条の規定 この法律の公布の日又は民法等の一部を改正する法律(平成二十三年法律第六十一号)の公布の日のいずれか遅い日

 (飼養衛生管理基準に関する経過措置)

第二条 前条第二号に掲げる規定の施行の日(以下「一部施行日」という。)前にこの法律による改正前の家畜伝染病予防法(以下「旧法」という。)第十二条の三の規定により定められ、又は改正された同条第一項に規定する飼養衛生管理基準は、一部施行日から起算して六月を経過する日(その日までにこの法律による改正後の家畜伝染病予防法(以下「新法」という。)第十二条の三の規定により定められ、又は改正されたときは、その定められ、又は改正された日)までの間は、新法第十二条の三の規定により定められ、又は改正された同条第一項に規定する飼養衛生管理基準とみなす。

 (勧告及び命令に関する経過措置)

第三条 一部施行日前にされた旧法第十二条の四第一項の規定による勧告及び同条第二項の規定による命令については、なお従前の例による。

 (農林水産大臣の指定する症状を呈している家畜の届出に関する経過措置)

第四条 新法第十三条の二第一項及び同条第二項において準用する新法第十三条第一項ただし書の規定は、一部施行日以後に家畜が新法第十三条の二第一項の症状を呈していることを発見した獣医師、当該家畜若しくはその死体の所有者又は運送業者について適用する。

 (患畜等の殺処分に関する経過措置)

第五条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に旧法第十七条第一項の規定により都道府県知事が旧法第二条第一項の表十九の項に掲げる豚コレラ又は同表二十三の項に掲げる高病原性鳥インフルエンザの患畜又は疑似患畜の所有者に対してした命令(当該命令に係る期限が施行日以後に到来するものに限る。)は、家畜防疫員がその者に対してした新法第十六条第一項の指示とみなす。

 (家畜伝染病病原体の所持に関する経過措置)

第六条 一部施行日において現に新法第四十六条の五第一項に規定する家畜伝染病病原体(新法第四十六条の二十二各号に掲げる病原体を除く。以下この条において「家畜伝染病病原体」という。)を所持している者は、一部施行日から三十日を経過するまでの間(以下この条において「猶予期間」という。)に同項本文の許可の申請をしなかった場合にあっては猶予期間の経過後遅滞なく、猶予期間に申請した当該許可を拒否された場合にあってはその処分後遅滞なく、当該家畜伝染病病原体の滅菌譲渡(新法第四十六条の十一第二項に規定する滅菌譲渡をいう。以下同じ。)をしなければならない。

2 一部施行日において現に家畜伝染病病原体を所持している者は、次に掲げる期間は、新法第四十六条の五第一項本文の規定にかかわらず、同項本文の許可を受けないで、当該家畜伝染病病原体を所持することができる。その者の従業者がその職務上所持する場合及びその者から運搬又は滅菌等(新法第四十六条の十一第一項に規定する滅菌等をいう。以下同じ。)を委託された者(その従業者を含む。)がその委託に係る家畜伝染病病原体を当該運搬又は滅菌等のために所持する場合も、同様とする。

 一 猶予期間

 二 猶予期間にした新法第四十六条の五第一項本文の許可の申請についての処分があるまでの間

 三 前項の規定により滅菌譲渡をするまでの間

3 一部施行日において現に家畜伝染病病原体を所持している者は、新法第四十六条の十一第二項に規定する滅菌譲渡義務者とみなして、新法第四十六条の十の規定を適用する。

4 新法第四十六条の十一第二項及び第四項の規定は、一部施行日において現に家畜伝染病病原体を所持している者が当該家畜伝染病病原体の滅菌譲渡をする場合について準用する。

5 新法第四十六条の十七の規定は、第二項の規定により家畜伝染病病原体を所持する者について準用する。この場合において、同条第一項中「家畜伝染病病原体の」とあるのは、「家畜伝染病予防法の一部を改正する法律(平成二十三年法律第十六号)附則第六条第一項に規定する家畜伝染病病原体(以下この条において「家畜伝染病病原体」という。)の」と読み替えるものとする。

6 一部施行日において現に家畜伝染病病原体を所持している者は、新法第四十六条の十七第一項に規定する許可所持者等とみなして、新法第四十六条の十八の規定を適用する。

第七条 前条第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

2 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 前条第四項において準用する新法第四十六条の十一第二項の規定に違反した者

 二 前条第四項において準用する新法第四十六条の十一第四項及び前条第五項において準用する新法第四十六条の十七第二項の規定による命令に違反した者

3 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前二項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各項の罰金刑を科する。

 (届出伝染病等病原体の所持に関する経過措置)

第八条 一部施行日において現に新法第四十六条の十九第一項に規定する届出伝染病等病原体(新法第四十六条の二十二各号に掲げる病原体を除く。以下この項において「届出伝染病等病原体」という。)を所持している者は、新法第四十六条の十九第一項本文の規定にかかわらず、同項本文の農林水産省令の定めるところにより、一部施行日から七日を経過するまでの間(第一号において「猶予期間」という。)に、当該届出伝染病等病原体の種類その他同項本文の農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に届け出なければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

 一 一部施行日において現に届出伝染病等病原体を所持している者(次号から第四号までに規定する者を除く。)が、猶予期間に滅菌譲渡をするまでの間当該届出伝染病等病原体を所持する場合

 二 家畜の伝染性疾病の病原体の検査を行っている機関が、一部施行日前にその業務に伴い届出伝染病等病原体を所持することとなった場合において、新法第四十六条の十九第一項第一号の農林水産省令の定めるところにより、一部施行日以後に滅菌譲渡をするまでの間当該届出伝染病等病原体を所持するとき。

 三 一部施行日前に届出伝染病等病原体を所持する者から運搬又は滅菌等を委託された者が、一部施行日において現にその委託に係る届出伝染病等病原体を当該運搬又は滅菌等のために所持している場合

 四 届出伝染病等病原体を所持する者の従業者が、一部施行日において現にその職務上届出伝染病等病原体を所持している場合

2 前項の規定によりされた届出は、新法第四十六条の十九第一項本文の規定によりされた届出とみなす。

 (手当金の交付等に関する経過措置)

第九条 施行日前に旧法第二条第二項に規定する患畜又は疑似患畜となった家畜、旧法第四条の二第三項若しくは第五項、第五条第一項、第六条第一項、第三十一条第一項又は第四十六条第二項若しくは第三項の規定による検査、注射、薬浴又は投薬を行ったため施行日前に死亡した動物又は死産し、若しくは流産した動物の胎児及び旧法第二十三条(同条第一項ただし書の場合を除く。第三項第三号において同じ。)の規定により施行日前に焼却し、又は埋却した物品に係る旧法第五十八条第一項の規定による手当金の交付については、なお従前の例による。

2 新法第五十八条第二項の規定は、新法第十六条の規定により施行日以後に殺された患畜及び疑似患畜並びに新法第二十三条(同条第一項ただし書の場合を除く。)の規定により施行日以後に焼却し、又は埋却した物品について適用する。

3 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる家畜又は物品は、それぞれ当該各号に定める家畜又は物品とみなして、新法第五十八条第二項の規定を適用する。

 一 平成二十二年十一月以降において新法第十六条第一項第一号に規定する家畜伝染病に相当する家畜伝染病の患畜となったことにより施行日前に旧法第十六条又は第十七条の規定により殺された家畜 新法第五十八条第二項第一号に規定する患畜

 二 平成二十二年十一月以降において新法第十六条第一項第二号に規定する家畜伝染病に相当する家畜伝染病の疑似患畜となったことにより施行日前に旧法第十六条又は第十七条の規定により殺された家畜 新法第五十八条第二項第二号に規定する疑似患畜

 三 平成二十二年十一月以降において新法第十六条第一項第一号に規定する家畜伝染病に相当する家畜伝染病の病原体により汚染し、又は汚染したおそれがあるため施行日前に旧法第二十三条の規定により焼却し、又は埋却した物品 新法第五十八条第二項第三号に規定する物品

4 国は、前項の規定により新法第五十八条第二項の規定の適用を受けることとなる家畜又は物品の所有者に対し、施行日前においても、同項の規定の例により、特別手当金を交付することができる。この場合において、同項の規定の例により交付された特別手当金は、同項の規定により交付された特別手当金とみなす。

5 施行日前に旧法第二十一条第一項又は第二十三条第一項の規定により焼却し、又は埋却したニューカッスル病(新法第二条第一項の表二十六の項の農林水産省令で定めるニューカッスル病に相当するもの以外のものに限る。以下この条において同じ。)の患畜若しくは疑似患畜の死体又は物品(ニューカッスル病の病原体により汚染し、又は汚染したおそれがあるものに限る。)に係る旧法第五十九条の規定による費用の負担については、なお従前の例による。

6 施行日前に都道府県知事又は家畜防疫員が旧法を執行するために必要とした費用(ニューカッスル病のまん延を防止するために必要なものに限る。)に係る旧法第六十条第一項の規定による費用の負担については、なお従前の例による。

7 新法第六十条第二項の規定は、施行日以後に都道府県知事が新法第三十二条の規定による移動若しくは移出の禁止若しくは制限、新法第三十三条の規定による催物の開催若しくは事業の停止若しくは制限又は新法第三十四条の規定による放牧、種付、と殺若しくはふ卵の停止若しくは制限をした場合における当該禁止、停止又は制限に起因する家畜、その死体又は物品に係る売上げの減少又は飼料費その他の保管、輸送若しくは処分に要する費用の増加に係る費用の負担について適用する。

 (罰則に関する経過措置)

第十条 この法律(附則第一条第二号に掲げる規定については、当該規定)の施行前にした行為及び附則第三条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における一部施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (検討)

第十一条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (政令への委任)

第二十条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

   附則 (平成二三年五月二日法律第三五号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附則 (平成二三年六月三日法律第六一号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 略

 二 附則第二十二条の規定 施行日又は家畜伝染病予防法の一部を改正する法律(平成二十三年法律第十六号)附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日のいずれか遅い日

   附則 (平成二四年五月八日法律第三〇号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条の規定(郵政民営化法目次中「/第六章 郵便事業株式会社/ 第一節 設立等(第七十条―第七十二条)/ 第二節 設立に関する郵便事業株式会社法等の特例(第七十三条・第七十四条)/ 第三節 移行期間中の業務に関する特例等(第七十五条―第七十八条)/第七章 郵便局株式会社/」を「/第六章 削除/第七章 日本郵便株式会社/」に改める改正規定、同法第十九条第一項第一号及び第二号、第二十六条、第六十一条第一号並びに第六章の改正規定、同法中「第七章 郵便局株式会社」を「第七章 日本郵便株式会社」に改める改正規定、同法第七十九条第三項第二号及び第八十三条第一項の改正規定、同法第九十条から第九十三条までの改正規定、同法第百五条第一項、同項第二号及び第百十条第一項第二号ホの改正規定、同法第百十条の次に一条を加える改正規定、同法第百三十五条第一項、同項第二号及び第百三十八条第二項第四号の改正規定、同法第百三十八条の次に一条を加える改正規定、同法第十一章に一節を加える改正規定(第百七十六条の五に係る部分に限る。)、同法第百八十条第一項第一号及び第二号並びに第百九十六条の改正規定(第十二号を削る部分を除く。)並びに同法附則第二条第二号の改正規定を除く。)、第二条のうち日本郵政株式会社法附則第二条及び第三条の改正規定、第五条(第二号に係る部分に限る。)の規定、次条の規定、附則第四条、第六条、第十条、第十四条及び第十八条の規定、附則第三十八条の規定(郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第百二号)附則第二条第一項、第四十九条、第五十五条及び第七十九条第二項の改正規定、附則第九十条の前の見出しを削り、同条に見出しを付する改正規定並びに附則第九十一条及び第九十五条の改正規定を除く。)、附則第四十条から第四十四条までの規定、附則第四十五条中総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第三条及び第四条第七十九号の改正規定並びに附則第四十六条及び第四十七条の規定は、公布の日から施行する。

 (罰則に関する経過措置)

第四十六条 この法律(附則第一条ただし書に規定する規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (その他の経過措置の政令への委任)

第四十七条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

   附則 (平成二五年一一月二七日法律第八四号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第六十四条、第六十六条及び第百二条の規定は、公布の日から施行する。

 (処分等の効力)

第百条 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。

 (罰則に関する経過措置)

第百一条 この法律の施行前にした行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第百二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

   附則 (平成二五年一二月一三日法律第一〇三号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 略

 二 附則第十七条の規定 薬事法等の一部を改正する法律(平成二十五年法律第八十四号)の公布の日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日

   附則 (平成二六年六月一三日法律第六九号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の施行の日から施行する。

 (経過措置の原則)

第五条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。

 (訴訟に関する経過措置)

第六条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。

2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。

3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。

 (罰則に関する経過措置)

第九条 この法律の施行前にした行為並びに附則第五条及び前二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (その他の経過措置の政令への委任)

第十条 附則第五条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

   附則 (令和元年六月一四日法律第三七号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 第四十条、第五十九条、第六十一条、第七十五条(児童福祉法第三十四条の二十の改正規定に限る。)、第八十五条、第百二条、第百七条(民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律第二十六条の改正規定に限る。)、第百十一条、第百四十三条、第百四十九条、第百五十二条、第百五十四条(不動産の鑑定評価に関する法律第二十五条第六号の改正規定に限る。)及び第百六十八条並びに次条並びに附則第三条及び第六条の規定 公布の日

 (行政庁の行為等に関する経過措置)

第二条 この法律(前条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条及び次条において同じ。)の施行の日前に、この法律による改正前の法律又はこれに基づく命令の規定(欠格条項その他の権利の制限に係る措置を定めるものに限る。)に基づき行われた行政庁の処分その他の行為及び当該規定により生じた失職の効力については、なお従前の例による。

 (罰則に関する経過措置)

第三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (検討)

第七条 政府は、会社法(平成十七年法律第八十六号)及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)における法人の役員の資格を成年被後見人又は被保佐人であることを理由に制限する旨の規定について、この法律の公布後一年以内を目途として検討を加え、その結果に基づき、当該規定の削除その他の必要な法制上の措置を講ずるものとする。

   附則 (令和二年二月五日法律第二号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則に見出し及び六条を加える改正規定(附則第五条第三項中第六十四条第二号、第六十六条及び第六十七条の読替えに係る部分並びに附則第十条に係る部分に限る。)は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

 (豚コレラ及びアフリカ豚コレラの名称の変更に伴う経過措置)

第二条 この法律の施行前にされたこの法律による改正前の家畜伝染病予防法第二条第一項の表二十の項に規定する豚コレラ又は同表二十一の項に規定するアフリカ豚コレラに係る処分、手続その他の行為は、それぞれこの法律による改正後の家畜伝染病予防法(次条において「新法」という。)第二条第一項の表二十の項に規定する豚熱又は同表二十一の項に規定するアフリカ豚熱に係る処分、手続その他の行為としてされたものとみなす。

 (罰則の適用に係る経過措置)

第三条 この法律の施行の日から起算して二十日を経過する日までの間における新法附則第五条第二項の規定の適用については、同項中「この法律の規定」とあるのは、「この法律の規定(第六十三条第三号を除く。)」とする。

   附則 (令和二年四月三日法律第一六号) 抄

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 目次の改正規定(「第六十二条の六」を「第六十二条の五」に改める部分に限る。)、第二条の次に三条を加える改正規定及び第六十二条の二を削り、第六十二条の三を第六十二条の二とし、第六十二条の四から第六十二条の六までを一条ずつ繰り上げる改正規定並びに附則第三条及び第七条の規定 公布の日

 二 第十二条の三の次に三条を加える改正規定(第十二条の三の三及び第十二条の三の四に係る部分に限る。)、第十二条の五の改正規定(「ときは」の下に「、飼養衛生管理指導等計画に即して」を加える部分に限る。)、第十二条の六第一項及び第二項の改正規定(「ときは」の下に「、飼養衛生管理指導等計画に即して」を加える部分に限る。)並びに第十二条の七の改正規定(「前二条の規定により都道府県知事がとつた措置」を「飼養衛生管理指導等計画」に改める部分に限る。)並びに附則第四条第三項の規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日

 三 第三十一条の改正規定、第四十六条第一項の改正規定(「同条第二項」を「同条第三項」に改める部分に限る。)、第四十七条の改正規定(「第三十一条第一項」の下に「若しくは第二項」を加える部分に限る。)並びに第六十条第一項及び第六十一条の改正規定 令和三年四月一日

 (家畜の伝染性疾病の名称の変更に伴う経過措置)

第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前にされたこの法律による改正前の家畜伝染病予防法(以下「旧法」という。)第二条第一項の表六の項に規定する水胞性口炎、同表十の項に規定するブルセラ病、同表十一の項に規定する結核病、同表十三の項に規定するピロプラズマ病、同表十四の項に規定するアナプラズマ病、同表二十二の項に規定する豚水胞病又は同表二十七の項に規定する家きんサルモネラ感染症に係る処分、手続その他の行為は、それぞれこの法律による改正後の家畜伝染病予防法(以下「新法」という。)第二条第一項の表六の項に規定する水疱性口内炎{疱にほうとルビあり}、同表十の項に規定するブルセラ症、同表十一の項に規定する結核、同表十三の項に規定するピロプラズマ症、同表十四の項に規定するアナプラズマ症、同表二十二の項に規定する豚水疱病{疱にほうとルビあり}又は同表二十七の項に規定する家きんサルモネラ症に係る処分、手続その他の行為としてされたものとみなす。

 (準備行為)

第三条 農林水産大臣は、新法第三条の二第一項に規定する特定家畜伝染病防疫指針を作成するため、施行日前においても、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴くとともに、都道府県知事の意見を求めることができる。

2 農林水産大臣は、新法第十二条の三の三第一項に規定する飼養衛生管理指導等指針を策定するため、附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日(次条第三項において「一部施行日」という。)前においても、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴くことができる。

 (命令に関する経過措置)

第四条 第十二条の六第二項の改正規定(「ときは」の下に「、飼養衛生管理指導等計画に即して」を加える部分を除く。)による改正後の家畜伝染病予防法第十二条の六第二項の規定は、施行日以後にされる同項の規定による命令について適用し、施行日前にされた同改正規定による改正前の同法第十二条の六第二項の規定による命令については、なお従前の例による。

2 新法第十二条の六第三項の規定は、施行日以後にされる同条第二項の規定による命令について適用する。

 (アフリカ豚熱に関する特例の削除に伴う経過措置)

第五条 施行日前にされた旧法附則第五条から第九条までの規定又はこれらの規定に基づく命令の規定に基づく行政庁の処分その他の行為については、なお従前の例による。

 (罰則に関する経過措置)

第六条 この法律(附則第一条第二号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第七条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第八条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、当該規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。