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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 入院患者看護費負担について

[場所] 
[年月日] 1952年1月21日
[出典] 厚生労働省
[備考] 
[全文] 

(昭和二七年一月二一日)

(市保第三三号)

(厚生省公衆衛生局長あて熊本市長照会)

1 伝染病院へ入院の際患家に適当な附添人なき場合院外より附添人を雇入れて患者身辺の始末、整理、整頓等に当たらせた場合、其の看護費は市支弁か患家負担であるか。

2 熊本労働基準局職員田代某に於いては、昭和二十六年十一月一日より本年一月十一日迄に妻子及び母共五名を赤痢患者として市立伝染病院へ同人の希望により附添人一名を附して、入院せしめたが、労働基準局の意見としては昭和二十六年十月三十日付労共本第一五三号労働省共済組合本部長名を以つて本省支部長基準局支部長、安定所支部長宛の「看護の給付の取扱について」の通牒に基き附添人の費用は伝染病予防法第二十一条第二十四条第二十五条の規定により市の負担に属するから患者負担の要はないと主張しておるが如何なる御見解であるか。

3 若し市が今後完全看護を実施する際は其の経費に対して、伝染病予防法第二十四条第二十五条に基く全面的な補助があるものと解してよいか。

備考

 当市立伝染病院に於いては未だ法令に基く完全看護は実施していないが、暫定的に患者入院の際其の家族及び親族其の他より附添人を附添わせることを原則としており、随つて附添人の費用は総て患家負担としている。

(但し貧民患者の場合は市支弁とする。)

(昭和二七年一月二九日 衛防第六号)

(熊本市長あて厚生省公衆衛生局防疫課長回答)

 一月二十一日付市保第三三号にて照会の件について左記の通り回答する。

   記

1 市(町村)が患者を隔離収容した場合、治療の為必要な看護の費用は市の負担であるが、本人自身の便宜の為の附添人等の費用は患家の負担である。

2 患家の希望によつて設けた附添人の費用は患家の負担である。

3 貴見の通りである。

 なお患者にその家族その他、伝染病患者の看護に習熟していない附添人をつけることは、伝染病予防上好ましくないので原則としてはこれ等の附添人は許可せず看護上必要の場合は、市が臨時看護婦等を傭い上げるようせしめられたい。