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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 伝染病患者に要した費用負担について

[場所] 
[年月日] 1952年8月23日
[出典] 厚生労働省
[備考] 
[全文] 

(昭和二七年八月二三日)

(発公第九九六号)

(厚生省公衆衛生局長あて石川県知事照会)

 伝染病患者に要した費用負担は患者の本籍、住所の如何にかかわらず現実に患者のあつた地の町村において負担するということは法の根本精神並びに大正十一年八月十一日付衛防第一、二六三号昭和二年一月七日付衛防第三、一六〇号衛生局長より岐阜県知事宛の回答により今日迄処理せられて来たのであるが、最近貴局の事務官の談によれば甲村居住の者が乙村に来て伝染病と診定せられ乙村の隔離施設に収容せられた場合には乙村において一旦処理しその費用を甲村に請求すべきであるとのことであるが、このような事は県内隣接町村の場合ならば一応肯けるが遠く他県の旅行者等の場合は到底いうべくして行われざる事であると思料せられるのであるが、貴局の正式な御意見伺いたく、現在富山県氷見郡上庄村の者が墓参帰郷の途中バス車中で発病、石川県鳳至郡穴水町に下車診断の結果、赤痢と決定せられ穴水町において収容治療、全治退院後穴水町長から富山県氷見郡上庄村長に費用を請求せし処前記衛生局長回答のように拒否せられた事実があるので至急何分の御回答を願います。

(昭和二七年九月二五日 衛発第九〇四号)

(石川県知事あて厚生省公衆衛生局長回答)

 八月二十三日付発公第九九六号にて照会のあつた標記の件は、従来処理せられて来た通り現実に患者のあつた地の町村において負担することに変りなく従つて御例示の場合における穴水町の請求は伝染病予防法のみとめるところではない。