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政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 急性灰白髄炎緊急対策のため迅速報告措置について

[場所] 
[年月日] 1961年6月21日
[出典] 厚生労働省
[備考] 
[全文] 

(昭和三六年六月二一日)

(衛発第五三四号)

(各都道府県知事・各指定都市市長・各政令市市長あて厚生省公衆衛生局長通知)

 急性灰白髄炎流行の緊急事態に際し、防疫措置の円滑化を図るため、今般、別紙「急性灰白髄炎緊急対策のための迅速報告措置要綱」を定めたから、管下保健所に対しても、周知徹底させ、これが取扱いに遺漏のないようせられたい。なお、この報告徴集については当省統計調査部と協議済であるから念のため申し添える。

別紙

急性灰白髄炎緊急対策のための迅速報告措置要綱

一 目的

  急性灰白髄炎流行の緊急事態にかんがみ患者発生の報告により、流行地域を適確迅速に把握し、防疫活動の円滑化を図ることを目的とする。

二 実施の時期

  昭和三十六年七月一日から当分の間

三 実施の要領

 (1) 報告の対象

  昭和三十六年四月一日以降に届出られた急性灰白髄炎患者

 (2) 報告の手続

  保健所長は、医師から届出があつた場合直ちに、別紙様式(一)により当該衛生部(局)長に報告するとともに、その写しを厚生省公衆衛生局長あて「速達便」をもつて送付する。この際、当該衛生部(局)長は重複して厚生省公衆衛生局長あて報告をすることを要しない。なお、四、五、六月分については七月十日迄に一括報告すること。

四 実施上の注意

 (1) 本緊急措置は「伝染病及び食中毒統計に関する届出について」(昭和三十年統発第六○八号)について、変更または省略を行なうものではないこと。

 (2) 本緊急措置は、防疫上の密接な関係があるものであるので保健所及び当該都道府県(または指定都市)衛生部(局)においては、統計担当部門の協力により、防疫担当部門が実施にあたることが望ましいこと。

 (3) 患者発生のない場合は、報告を要しないこと。

 (4) 報告されたものについて、訂正がある場合は、訂正すべき事項を発見した機関において様式(一)を用い「赤字」により記入のうえ、速やかに報告するものであること。

 (5) 本報告は情報として扱うもので、かつ臨時的なものであること。

五 本報告の結果は、次の事項の検討に資する。

 (a) 発生状況

 (b) 流行地域の把握及び臨時予防接種の必要性

 (c) ワクチン所要量の積算

 (d) 防疫対策

 (e) 防疫職員の派遣ならびにその他指導の要否

{別紙様式(一)は省略}