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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] コレラ対策の強化について

[場所] 
[年月日] 1991年10月15日
[出典] 厚生労働省
[備考] 
[全文] 

(平成三年一〇月一五日)

(健医感発第七二号・衛食第一二六号)

(各都道府県・各指定都市衛生主管部(局)長あて厚生省保健医療局疾病対策課結核・感染症対策室長あて・生活衛生局食品保健課長連名通知)

 コレラ対策については、昭和五三年八月一一日衛発第七〇一号厚生省公衆衛生局環境衛生局の両局長通知「コレラ防疫対策実施について」により実施されているところであるが、平成元年九月には、名古屋市等において海外渡航歴がない者からコレラ患者の集団発生がみられ、また、本年八月下旬から九月上旬にかけて千葉県等において海外渡航歴がない者からコレラ患者が発生した。一方、海外においても、南米等においてコレラの大規模な集団発生がみられ、コレラをめぐる情勢は必ずしも楽観できない状況にある。

 このような状況において、コレラ対策の一層の強化を図る必要があることから、公衆衛生審議会伝染病予防部会コレラ小委員会の報告(別添)を踏まえ、前記通知によりコレラ対策を強化するに当たり、左記事項を留意の上、防疫対策を講ずるよう願いたい。

 なお、医療機関への協力方については、別添のとおり日本医師会あて依頼しているので念の為申し添える。

   記

1 菌検査範囲の拡大について

 患者の早期発見のために、下痢を主徴とする急性胃腸炎症状を呈する患者の報告があった場合には、必要に応じて、食中毒菌の検査のほか、伝染病も疑ってコレラ菌、赤痢菌等の検査もできるよう体制を平常時から整備しておくこと。

2 患者発見時の対策について

 患者の発生時には、従来から「コレラ防疫対策要綱」に基づき、その対策が実施されているところであるが、特に防疫担当部門と食品衛生部門及び環境衛生部門と連携を密にして、迅速に所要の対策を実施するとともに、平常時から患者の発生を想定してより迅速かつより適切な対応が行えるよう訓練を行うこと。

3 医療関係者との協力体制の充実強化について

 国内における患者の早期発見ができるよう医療関係者に対して、我が国の輸入例も含めたコレラ患者の発生状況及び発生動向について、必要に応じ、情報提供するなど連絡を密にし、コレラに対する注意を喚起するとともに、医療機関において患者等(真性患者、疑似患者、要観察者)と診断された場合には、速やかに保健所へ届出又は通報が行われるよう都道府県医師会を通じ協力要請につき再確認しておくこと。

{別添は省略}