データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ペット動物(犬及び猫)の引取り、譲渡等における人畜共通伝染病の動物から人への感染予防対策について

[場所] 
[年月日] 1993年8月4日
[出典] 厚生労働省
[備考] 
[全文] 

(平成5年8月4日)

(衛乳第170号)

(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚主省生活衛生局乳肉衛生課長通知)

 ペット動物に由来するレプストスピラ症、パスツレラ症等の人畜共通伝染病の人への感染予防対策については、昭和62年10月7日衛乳第47号「小鳥のオウム病対策について」及び昭和63年12月26日衛乳第93号「ペット動物(犬、猫)由来人畜共通伝染病予防対策について」により通知し、指導、普及方お願いしているところであるが、近年、動物管理センター等に収容された犬及び猫(以下「ペット動物」という。)を一般家庭等に譲渡する事例が増加しているため、情とされたペット動物を介しての人畜共通伝染病の人への感染についての予防が重要となっている。

 ついては、動物管理センター等におけるペット動物の取扱いについて、左記事項に留意の上、人畜共通伝染病の動物から人への感染予防措置に配慮方をお願いする。

   記

1 ペット動物の引取りにおける措置等について

 (1) ペット動物を引き取る場合は、その所有者から獣医師による人畜共通伝染病感染の有無の診断を受けているか否か、またね診断を受けている場合はその結果を聴取し、当該ペット動物が人畜共通伝染病に感染している場合は、他のペット動物への感染予防措置を講ずること。

 (2) 人畜共通伝染病に感染しているペット動物を輸送した車両等については、必要に応じて消毒等の措置を講ずること。

2 狂犬病予防法に基づき抑留した犬の措置について

 (1) 狂犬病予防法に基づき抑留した犬においては、狂犬病予防員により、人畜共通伝染病感染の疑いの有無を判断し、当該ペット動物が人畜共通伝染病の疑いがある場合は、輸送車両内での他のペット動物への感染予防措置を講ずること。

 (2) 人畜共通伝染病に感染した疑いのある犬を輸送した車両等については、必要に応じて消毒等の必要な措置を講ずること。

3 動物管理センター等におけるペット動物の取扱いについて

 (1) 動物管理センター等においては、狂犬病予防員により人畜共通伝染病に感染したペット動物の発見に努めるとともに、人畜共通伝染病の感染が判明しているペット動物は必要に応じ隔離室に収容する等により、他のペット動物への感染予防措置を講ずること。

 (2) 人畜共通伝染病に感染しているペット動物を収容した抑留室等については、消毒等の必要な予防措置を講ずること。

4 ペット動物を譲渡する場合の人畜共通伝染病感染予防について

 (1) ペット動物を譲渡する場合には、当該ペット動物を専用の飼育室において飼養し、臨床獣医学上の観察及び検査を行うとともにその健康管理に努めること。

 (2) 人畜共通伝染病に感染した犬は、原則として譲渡しないこと。ただし、治療により完治したものについては、この限りでない。

5 その他

 (1) 狂犬病予防員は、ペット動物の引取りを担当する者及び狂犬病予防技術員に対する人畜共通伝染病の予防に関する知識の普及に努めること。

 (2) 予防に留意すべき人畜共通伝染病の概要については、昭和63年12月26日衛乳第93号「ペット動物(犬、猫)由来人畜共通伝染病予防方策について」の別添の別紙3に示されているが、このほかにもブルセラ病(別紙省略)にも十分留意されたいこと。