[文書名] エイズ治療拠点病院整備事業について
(平成6年6月23日)
(健医発第746号)
(各都道府県知事あて厚生省保健医療局長通知)
エイズのまん延は世界的に深刻な状況にあり、我が国においても、感染が全国的な広がりをみせているとともに患者数の増加傾向が強まるなど依然として予断を許さない状況にある。
このような状況の下、エイズ患者等が安心して医療を受けられる体制を整備することが緊急の課題となっていることに鑑み、今般、「エイズ治療拠点病院整備事業実施要綱」を別紙のとおり定め、新たに本事業を実施することにしたので通知する。
事業の実施に際しては、本要綱の趣旨を十分理解の上、貴管下医療機関に対し周知されるとともに、その実施方につき適切な指導をされるよう特段の御配慮をお願いする。
(別紙)
エイズ治療拠点病院整備事業実施要綱
1 事業の目的
本事業は、エイズ患者等が安心して医療を受けられる体制を整備するため、平成5年7月28日健医発第825号本職通知に基づき都道府県が選定したエイズ治療の拠点病院において、病室の個室化、患者専用機器の整備、診療支援のための施設及び機器整備等を促進することにより、患者のプライバシーを保護するとともに、院内感染の防止及びエイズ診療の質的向上を図ることを目的とする。
2 事業の実施主体
実施主体は、都道府県、市町村、公的医療機関(国立高度専門医療センター、独立行政法人国立病院機構の病院及び国立大学法人の病院を除く。)及び医療法人等の非営利法人とする。
3 補助対象事業及び補助条件
(1) 施設
ア 個室
個室を整備する場合は、個室内に必要な設備(専用の浴室、トイレ等)を設けること。
イ 剖検室
剖検を行う部屋を改修する場合については、血液等が直接体にかからない構造とし、使用機材を洗浄する専用の水洗い場、消毒設備、汚物処理施設を設けること。
ウ 相談指導(カウンセリング)室
エ エイズ専用外来診療室
(2) 設備
ア 患者モニター装置等、診療を行うために必要な機器及び剖検台の整備
イ HIV診療支援ネットワークシステムの構築に必要な機器の整備
4 その他の条件
ア 個室、相談指導(カウンセリング)室及びエイズ専用外来診療室の配置並びに医療の提供に当たっては、患者・感染者等のプライバシーに十分配慮するとともに診療忌避等が起こらないよう適切な医療の提供に努めること。
イ 院内感染防止について、院内関係者に徹底を図ること。
ウ 職員の教育、健康管理について十分配慮すること。
エ 本人の意に反した不適当な差額ベッド料の徴収を行わないこと。
オ 総合的な診療を実施するための体制の整備を図ること。