データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 輸入鳥類のウエストナイル熱対策について(協力依頼)

[場所] 
[年月日] 2003年3月31日
[出典] 厚生労働省
[備考] 
[全文] 

(平成15年3月31日)

(健感発第0331001号)

(全日本動物輸入業者協議会会長あて厚生労働省健康局結核感染症課長通知)

 貴会にあっては、平素より動物由来感染症対策について種々ご配慮いただき、感謝申し上げます。

 さて、動物由来感染症の一つであるウエストナイルについては、昨年米国で多数の患者・死者が発生したことから、我が国でも大きく報道され、平成14年10月18日に開催された厚生労働省の審議会(感染症分科会)において、その対策が協議されたところです。

 そこでは、国内での患者発生報告の義務づけについて意見が取りまとめられるとともに、輸入される鳥類についても、ウエストナイル熱発生地域を対象に一定の監視を実施すべきとの意見が出されました。

 この意見を踏まえ、当省としては、ウエストナイル熱対策の一つとして、我が国へ輸入される鳥類(家きん(参考1)を除く。以下「輸入鳥類」とする。)に対する措置を講ずべく、別紙の「ウエストナイル熱対策のための輸入される鳥類の取扱指針」(以下「指針」とする)を策定し、対応することと致しました。

 この輸入鳥類対策の概要は、以下のとおりです。

 (1) 現在流行が報告されている米国・カナダからの輸入鳥類

  厚生労働省から農林水産省に依頼し、輸出国政府機関発行の衛生証明書の添付を義務づけること

 (2) その他のウエストナイル熱発生地域からの輸入鳥類

  厚生労働省から輸入者に依頼し、輸入者が自主的に、輸出国における衛生管理状況を証明した書類を取得して衛生状態を確認することとし、確認できない場合には、輸入者の責任において、国内で当該鳥を蚊の侵入が無い飼養施設において2週間係留すること

 (3) 国内で輸入鳥類を保管する動物取扱業者の飼養施設での衛生確保

  厚生労働省から自治体に依頼し、自治体の担当者により、飼養施設が動愛法(参考2)に基づく基準(参考3)に合致することを確認し、併せて、従業員の健康管理等を指導すること

 (4) 「指針」については平成15年4月21日から適用すること

 ついては、貴会におかれましても、本対策について御了知のうえ、貴会会員への周知、履行要請方よろしくお願いいたします。その上で、貴会会員の御対応を別紙様式にてとりまとめの上、当職あてに送付いただきますよう、特段の御配慮方お願いいたします。

 なお、本件については、別添のとおり、農林水産省、環境省、自治体及び関係機関に通知済みであることを申し添えます。

参考1:家きんとは「鶏、あひる、七面鳥、うずら及びがちょう」の5種をさす

参考2:動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年10月1日法律第105号)のこと

参考3:動物取扱業者に係る飼養施設の構造及び動物の管理の方法等に関する基準(平成12年6月30日総理府令第73号)第3条(動物の管理の方法等)第2号ホの「蚊の害虫の侵入を防止するとともに、必要に応じて駆除すること」