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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 厚生労働科学研究で取りまとめられたウエストナイル熱の媒介蚊対策に関する参考図書の配布について

[場所] 
[年月日] 2003年6月18日
[出典] 厚生労働省
[備考] 
[全文] 

(平成15年6月18日)

(健感発第0618002号)

(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省健康局結核感染症課長通知)

 平成14年度厚生労働科学研究において、「ウエストナイル熱の媒介蚊対策のガイドライン作成に関する研究(注)」が行われ、今般、主任研究官より報告されたところであり、国内におけるウエストナイル熱対策に一層資するため、地方公共団体を始めとし、関係機関、関係団体にも配布することとしたところである。

 ついては貴自治体においても、下記に留意の上、ウエストナイル熱の媒介蚊駆除対策の参考とされたい。

 今後とも、ウエストナイル熱の侵入に備えた地域における対策の推進をよろしく御願いする。

   記

1 ウエストナイル熱の蔓延防止には、平素から以下のような媒介蚊対策を講じておくことが重要である。

 (1) 蚊のサーベイランスを実施し、地域に分布する蚊の種類、生息場所等を十分に把握すること。

 (2) 蚊のサーベイランスで得られた情報を基に、蚊の幼虫の育つ水たまり等の環境を改善することにより、幼虫の発生源を無くし、成虫の発生を抑制すること。

2 ウエストナイル熱の流行拡大が懸念される場合にあっても、安易な化学物質の空中散布等では十分な効果が期待できず、過剰な化学物質の使用になることから、以下に留意する必要がある。

 (1) 乳幼児等の家族を持つ住民の不安や環境に十分配慮すること。

 (2) 感染症の蔓延防止の効果と化学物質のもたらす健康危害や環境影響を十分に比較検討して対策を講じること。

 (注) 厚生科学研究費補助金の新興・再興感染症研究事業「節足動物媒介性ウイルスに対する診断法の確立、疫学及びワクチン開発に関する研究(主任研究官:国立感染症研究所ウイルス第一部 倉根一郎部長)」における「ウエストナイル熱の媒介蚊対策に関するガイドライン作成に関する研究班(分担研究者:国立感染症研究所毘虫医科学部小林睦生部長)

 ※同旨の通知は日本医師会感染症危機管理対策室長、社団法人日本獣医師会会長、財団法人日本環境衛生センター理事長、社団法人日本動物園水族館協会会長、社団法人日本ペストコントロール協会会長、日本防疫殺虫剤協会会長、日本家庭用殺虫剤協会会長、全日本鋤物輸入業者協議会会長、農林水産省生生産局畜産部衛生課長、環境省自然環境局総務課長、各地方衛生研究所所長にも発出された。