[文書名] 予防接種法等の規定に基づく処分等に係る行政事件訴訟法に基づく教示義務について〔感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〕
(平成17年4月1日)
(健感発第0401003号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省健康局結核感染症課長通知)
行政事件訴訟法の一部を改正する法律(平成16年法律第84号)の施行に伴い、都道府県又は市町村の行政庁が予防接種法(昭和23年法律第68号)、狂犬病予防法(昭和25年法律第247号)、結核予防法(昭和26年法律第96号)、検疫法(昭和26年法律第201号)、予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律(昭和51年法律第69号)及び感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)並びにこれらの法律に基づく命令の規定(別紙参照)に基づく処分(行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号。以下「行訴法」という。)第3条第2項に規定する処分をいう。以下同じ。)又は当該処分に係る不服申立てに対する裁決(行訴法第3条第3項に規定する裁決をいう。以下同じ。)をする場合には、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第57条の規定に基づき審査庁等を教示することに加え、行訴法第46条第1項及び第3項の規定に基づき取消訴訟等の提起に関する事項を教示しなければならないこととされたので、これが取扱いについては、下記のとおり、教示制度の趣旨及び内容を御了知の上、感染症の患者等の人権に配慮する観点から、特にその実施に遺憾のなきを期されたい。
あわせて、貴管下市町村に対しては、貴職からこの旨周知方願いたい。
記
第1 教示制度の趣旨
訴法第46条は、処分又は裁決の相手方に対して取消訴訟等で争う方法について適切な情報を提供し、権利利益の救済を得る機会を十分に確保しようとするものであること。
第2 教示制度の内容
1 取消訴訟の提起に関する事項の教示(行訴法第46条第1項関係)
行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分又は裁決をする場合には、その処分又は裁決の相手方に対し、①その処分又は裁決に係る取消訴訟の被告とすべき者及び②その処分又は裁決に係る取消訴訟の出訴期間を書面で教示しなければならないこと。
なお、教示が行われるのは、取消訴訟を提起することができる処分又は裁決をする場合であるため、教示の対象は、処分又は裁決の相手方にとって取消しを求める訴えの利益がある処分又は裁決に限られること。
2 形式的当事者訴訟における教示(行訴法第46条第3項関係)
行政庁は、当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものを提起することができる処分又は裁決をする場合には、その相手方に対し、①その訴訟の被告とすべき者及び②その訴訟の出訴期間を書面で教示しなければならないこと。
別紙
法第46条第1項関係
○予防接種法
第11条第1項
○狂犬病予防法
第4条第2項、第5条第2項及び第12条ただし書
○狂犬病予防法施行令(昭和28年第236号)
第1条の2及び第3条
○結核予防法
第21条の2第1項、第28条第1項、第29条第1項、第30条、第31条第1項、第34条第1項、第35条第1項、第36条第5項、第41条第1項及び第42条第2項
○予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律
附則第3条
○感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
第14条第5項、第27条第1項、第28条第1項、第29条第1項、第30条第1項及び第2項ただし書、第31条第1項、第32条第1項、第33条、第37条第1項、第38条第8項、第42条第1項、第43条第2項、第50条第1項並びに第63条
法第46条第3項関係
○結核予防法
第31条第4項
<備考>
上記の根拠条項以外の行政行為についても、個々の事情により、行訴法に基づく教示義務の対象となる処分に該当する場合があり得る。