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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 感染症発生動向調査事業における性感染症の発生動向調査について

[場所] 
[年月日] 2012年3月1日
[出典] 厚生労働省
[備考] 
[全文] 

(平成24年3月1日)

(健感発0301第3号)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省健康局結核感染症課長通知)

 性感染症対策については、多大なご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。

 性感染症の発生動向調査については、「感染症発生動向調査事業実施要綱」(平成11年3月19日付け健医発第458号。以下「実施要綱」という。)に基づき実施していただいているところです。

 今般、「性感染症に関する特定感染症予防指針」(平成24年厚生労働省告示第19号。以下「指針」という。)が改正されました。この中で、厚生科学審議会感染症分科会感染症部会エイズ・性感染症ワーキンググループでの議論を踏まえ、指針の「第一 原因の究明」の「二 発生動向の調査の活用」において、「性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ及び淋菌感染症については、国は、これら四つの感染症の発生動向を的確に反映できるよう、発生動向調査の結果を踏まえた指定届出機関の指定の基準(定点選定法)をより具体的に示す」こととされました。

 性感染症定点医療機関の選定の方法については、実施要綱によるほか、下記によることが望ましいと考えられますので、今後の定点の選定に当たってはご配意をお願いします。

 なお、感染症発生動向調査事業において、正確な報告がなされるためには、定点医療機関の理解と協力が必要であるため、引き続き、定点医療機関を対象とした情報提供や啓発に努めるようお願いします。


   記

1 趣旨

 感染症発生動向調査事業においては、可能な限り無作為に医療機関を抽出して届出を受けることで、患者数を推計することとしており、抽出の偏りによる過小・過大評価を避ける必要があるが、性感染症については、一部の医療機関に患者が集中する傾向があることから、医療機関の抽出の偏りによる推計の過小・過大評価に一層の留意が必要である。

2 性感染症定点医療機関の選定方法

 (1) 選定に当たっては、診療科・医療機関の種別毎の実際の医療機関数を反映するよう、以下のア及びイの方法により可能な限り層化して抽出する。

  ア 診療科による層化:①②の群に分けて、その割合により抽出する

   ① 産婦人科、産科又は婦人科

   ② 泌尿器科又は皮膚科

  イ 医療機関の種別による層化:①②の群に分けて、その割合により抽出する

   ① 病院

   ② 診療所

  ※抽出の例

   保健所管内人口35万人で、3か所の定点を設定する場合

    ア (診療科)について、管内の①、②の医療機関数の割合が7:3の場合

      ①を2か所、②を1か所選定(3×7/10=2.1→2 3×3/10=0.9→1)

    イ (医療機関の種別)について、管内の①、②の医療機関数の割合が2:8の場合

      ①を1か所、②を2か所選定(3×2/10=0.6→1 3×8/10=2.4→2)

 (2) 1保健所当たりでは定点数が少なく、(1)に定める条件を満たす抽出が困難な場合は、都道府県単位で、これらの条件を可能な限り満たして抽出するよう配慮する。

 (3) 診療実績があると考えられるにもかかわらず、長期にわたって報告がない定点医療機関が複数ある場合には、定点医療機関の選定の見直しを行う契機とすることを検討する。