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政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則の一部を改正する省令の公布及び一部施行について(通知)

[場所] 
[年月日] 2015年9月28日
[出典] 厚生労働省
[備考] 
[全文] 

(平成27年9月28日)

(健発0928第1号)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省健康局長通知)

(公印省略)

 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成27年厚生労働省令第147号。以下「改正省令」という。)については、本日、別紙のとおり公布及び一部施行されたところである。これらの改正の概要等は下記のとおりであるので、貴職におかれては、貴管内市町村(保健所を設置する市及び特別区を除く。)及び関係機関等へ周知を図るとともに、その実施に遺漏なきを期されたい。

 なお、本通知においては、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律第115号)による改正後の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律を「法」と、改正省令による改正後の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則(平成10年厚生省令第99号)を「省令」と略称する。


   記


第一 改正の趣旨

 最近の海外における感染症の発生の状況、国際交流の進展、保健医療を取り巻く環境の変化等を踏まえ、感染症予防対策の推進を図るとともに感染症のまん延を防止するため、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の改正を実施し、平成28年4月より、感染症に関する情報の収集に関する規定の整備、一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症及び新感染症の患者等からの検体の採取等の制度の創設等の措置が施行される。それに伴い、省令改正により必要な規定を定めたものである。


第二 概要

 1 感染症に関する情報収集体制の強化

  (1) 指定提出機関制度及び検査の実施体制

   ア 法第14条の2第1項に規定する五類感染症はインフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)とし、指定提出機関の指定は各地域の実情を勘案して、原則として内科若しくは小児科を含む病院等のうち適当と認めるものについて行うものとする。(省令第7条の2関係)

   イ 法第14条の2第2項の提出は、毎月一回(感染症の発生の状況及び動向を迅速かつ正確に把握するため必要があると認められる場合にあっては、毎週一回)とし、診断等の後速やかに行うものとする。(省令第7条の3関係)

   ウ 法第14条の2第3項の規定による検査は次に掲げるところにより行うものとする。(省令第7条の3第2項、第8条第5項第1号、第10条の2第1項、第13条の2、第23条の6第1項関係)

    ・検査施設は検査を実施するための必要な検査室を有し、これを用いて検査を実施するものであること。

    ・検査の精度管理を定期的に実施するとともに、外部調査を定期に受けること。

    ・検査部門の業務の統括等を行う検査部門管理者を置くこと。

   エ 専ら検査の業務及び精度の確保を行う部門(信頼性確保部門)につき、検査業務管理について内部監査を定期的に行うこと等の業務を自ら行い、または指定した者に行わせる信頼性確保部門管理者を置くこと。(省令第7条の3第2項第4号関係)

   オ 検査部門管理者と信頼性確保部門管理者は兼ねることができない。(省令第7条の3第2項第6号関係)

   カ 検査標準作業書、検査の信頼性確保試験標準作業書を作成し、これに基づき検査を実施すること。(省令第7条の3第2項第7号関係)

   キ 組織、文書管理等について記載した文書を作成すること。(省令第7条の3第2項第8号関係)

   ク 法第14条の2第4項に規定する報告は検査結果判明後速やかに行うものとし、省令で定める事項は、患者の性別及び年齢並びに指定提出機関の所在地を管轄する保健所名及び都道府県名とする。(省令第7条の3第3項及び第4項関係)

 2 感染症の発生状況、動向及び原因の調査

  (1) 検査の実施について

   ア 法第15条第4項の規定により一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症又は新感染症に係る検査を実施する場合、試薬等管理標準作業書、機械器具保守管理標準作業書、培養細胞管理標準作業書、検体取扱標準作業書、検査標準作業書、検査の信頼性確保試験標準作業書を作成し、これに基づき検査を実施すること。(省令第8条第5項第2号関係)

   イ 法第15条第4項の規定により三類感染症、四類感染症、五類感染症に係る検査を実施する場合、検査標準作業書、検査の信頼性確保試験標準作業書を作成し、これに基づき検査を実施すること。(省令第8条第5項第3号関係)

 3 検体の採取、収去

  (1) 検体採取を行う場合の通知事項

   法第16条の3第5項に規定する省令で定める事項は次のとおりとする。(省令第10条第1項、第10条の3、第23条の7、第24条関係)

    ・検体提出若しくは検体採取の勧告又は検体採取の措置を実施する理由

    ・検体提出等の期限

    ・検体採取の日時、場所

    ・検体の提出又は採取の勧告の場合、措置を実施することがある旨 等

  (2) 報告事項

   法第16条の3第8項に規定する報告は、検査結果判明後速やかに行うものとし、省令で定める事項は、患者の氏名、性別、年齢及び住所並びに当該患者を診断した病院等を管轄する保健所名及び都道府県名とする。(省令第10条の2第2項及び第3項、第13条の2第2項、第23条の6第2項、第23条の7、第24条関係)

  (3) 書面で通知する事項

   検体の収去、採取等の措置にあっては、当該措置を実施する日時又は実施すべき期限及びその方法(省令第19条第1項第2号、第19条第2項関係)

 4 その他

 (1) 到着地につきそれぞれ届出動物等の輸入の届出を行う検疫所について定めた別表第二について所要の改正を行う。

 (2) その他所要の改正を行う。


第三 施行期日

 改正省令は、平成28年4月1日から施行する。ただし、別表第2の規定については公布の日から施行とする。(省令附則関係)