[文書名] 大韓民国政府と中華人民共和国政府との所得に対する租税の二重課税回避と脱税防止のための協定
大韓民国政府と中華人民共和国政府は、
所得に対する租税の二重課税回避と脱税防止のための協定締結を希望しながら、次のように合意した。
第1条
人的範囲
この協定は一方または両締約国の居住者に適用する。
第2条
対象租税
1. この協定は租税が賦課される方法如何に関係なく、一方締約国あるいは地方自治団体が賦課する所得に関する租税に対して適用する。
2. 財産の価額増加に対する租税は勿論、動産、不動産の譲渡による所得に関する租税も含め、総所得あるいは所得の著要素に賦課されるすべての租税は所得に対する租税として見なす。
3. この協定が適用される現行租税は次のようである。
ア. 大韓民国においては、
(1) 所得税
(2) 法人税及び
(3) 住民税
(以下、「韓国の租税」)
イ. 中華人民共和国においては、
(1) 個人所得税
(2) 外国人投資企業及び外国企業に対する所得税及び
(3) 地方所得税
(以下、「中国の租税」)
4. この協定はこの協定の署名日以降、第3項で言及された現行租税に追加または代替して賦課される同一か、あるいは実質的に類似の租税に対しても適用される。両締約国の権限のある当局は自国税法の実質的な改正事項を合理的な時間内で相互通報する。
第3条
一般的定義
1. 文脈によって特別に解釈されない限り、この協定の目的上、
ア.「韓国」とは、大韓民国を意味し、地理的な意味で韓国税法が適用される領海を含む大韓民国領域を称し、国際法に従って海上・下層土の資源の探査・開発及び上部水域の資源に関して、大韓民国が主権を保有する領海外の地域を含む。
イ.「中国」とは、中華人民共和国を意味し、地理的な意味で中国税法が適用される領海を含む中華人民共和国の領域を称し、国際法に従って海上・下層土の資源の探査・開発及び上部水域の資源に関して、中華人民共和国が主権を保有する領海外の地域を含む。
ウ.「一方締約国」及び「他方締約国」ということは、文脈によって韓国あるいは中国を意味する。
エ.「租税」とは、文脈によって韓国の租税あるいは中国の租税を意味する。
オ.「人」とは、個人・会社及び他人の団体を含む。
カ.「会社」とは、法人格のある団体あるいは租税目的上法人格のある団体として扱われる実体を意味する。
キ.「一方締約国の企業」及び「他方締約国の企業」ということは、各々一方締約国の居住者のよって経営される企業と他方締約国の居住者のよって経営される企業を意味する。
ク.「国民」とは、次のことを意味する。
(1) 締約国の国籍を持つ個人
(2) 締約国で施行されている法によってそのような地位を付与される法人・組合及び団体
ケ.「国際運輸」とは一方締約国に本店か、あるいは実質管理場所を持っている企業が運営する船舶または航空機による運送を意味する。ただし、船舶あるいは航空機が他方締約国内の場所でのみ運営されている場合は除外する。
コ.「権限のある当局」ということは、次のようなことを意味する。
(1) 韓国の場合、財務部長官あるいはその権限のある代理人
(2) 中国の場合、国家税務総局あるいはその権限のある代理人
2. 一方締約国がこの協定を適用することにおいて、この協定に定義されてない用語は、文脈のよって特別に解釈されない限り、この協定が適用される租税に関連する締約国の法における意味を持つ。
第4条
居住者
1. この協定の目的上、「一方締約国の居住者」ということは、その締約国の法によってその者の住所、居所、本店あるいは実質管理場所の所在地あるいはこれと類似の性質の他基準に従って、その締約国で納税義務のある人を意味する。
2. 第1項の規定によって、個人の両締約国の居住者になる場合、その地位は次のように決定される。
ア. 同個人は自分が利用できる恒久的住居を所有している締約国の居住者であることとして見なす。同個人が両締約国内で自分が利用できる恒久的住居をおいている場合、その人は自分の人的及び経済的関係がより密接的な(重大な理解関係の中心地)締約国の居住者であるとして見なす。
イ. 同個人の重大な理解関係の中心地がある締約国を決定できないか、あるいは、ある締約国でもその人が利用する恒久的住居を持っていない場合、その人を日常的な居所をおいていない締約国の居住者として見なす。
ウ. 同個人が両締約国内で日常的な居所を持ってないか、あるいは、いかなる締約国内でも日常的な居所を持っていない場合、その人はその人が国民である締約国の居住者として見なす。
エ. 同個人が両締約国の国民、あるいは、いかなる締約国の国民でもない場合、両締約国の権限のある当局が相互合意によって問題を解決する。
3. 第1項の規定によって、個人以外の人が両締約国の居住者になる場合、両締約国の権限がある当局が相互合意によって問題を解決して、そのような人に対するこの協定の適用方式を決定するため努力する。
第5条
固定事業場
1. この協定の目的上、「固定事業場」ということは、企業の事業がすべて、あるいは部分的に営為される固定された事業場所を意味する。
2. 「固定事業場」ということは、特に次を含む。
ア. 管理場所
イ. 支店
ウ. 事務所
エ. 工場
オ. 作業場及び
カ. 鉱山・油田・ガス川・採石場または他の天然資源の採取場所
3.「固定事業場」はまた、次を含む
ア. 建築場所、建設・組立・設置工事または以上の場所か工事と関連された監督活動を含み、そのような場所・工事または活動が6ヶ月を超過して存続する場合
イ. 一方締約国の企業の他方締約国での被雇用人または他従事者を通じる用役(諮問用役を含む)の提供を含み、そのような活動が同一な事業あるいは連関された事業に対して12ヶ月以内の期間の間総6ヶ月を超過する単一期間あるいは著期間に存続する場合。
4. 1項あるいは第3項の規定に関係なく、「固定事業場」は次を含まないこととして見なす。
ア. 企業に属する財貨や商品の貯蔵・展示または引導の目的だけの施設使用
イ. 貯蔵・展示または引導の目的のみでの企業所有の財貨あるいは商品の在庫保有
ウ. 他企業による加工の目的のみでの企業所有の財貨または商品の在庫保有
エ. 企業のための財貨や商品の購入または情報収集の目的のみでの事業上固定された場所の維持
オ. 企業のための予備的で補助的な性格の活動のみでの事業上固定された場所の維持
カ. 「ア」または「オ」に言及された活動の複合的活動だけのため事業上固定された場所の維持(ただし、同複合的活動から招来される事業上固定された場所の全般的な活動が予備的であるか補助的な性格であるべきである)
5. 第1項及び第2項の規定にもかかわらず、第6項が適用される独立的地位を持つ代理人以外の人が、一方締約国内で他方締約国の企業のために活動して、その企業名義の契約締結権を常時行事する場合には、その企業は同人がその企業のため遂行する活動に関して同一方締約国内で、固定事業場を持っているとして見なす。ただし、同人の活動が事業上固定された場所で行われるとしても、事業上固定された場所が固定事業場として見なされない第4項に言及された活動に関わらない場合であるべきである。
6. 一方締約国の企業が他方締約国内で仲介人・一般委託売買人または独立的地位を持つ他の代理人を通じて事業を経営するという理由だけで、同人らが事業を通常的に遂行する限り、同企業が同一方締約国に固定事業場を持っているとしては見なさない。しかし、そのような代理人の活動が同企業のため全部、あるいはほとんど全部遂行される場合、その人はこの項で言及している独立的地位を持っている代理人として見なさない。
7. 一方締約国の居住者である会社が他方締約国の居住者である会社または他方締約国で(固定事業場を通じるかまた他の方法によって)事業を経営する会社を支配したり、あるいはその会社によって支配されているという事実その自体だけで、ある会社が他会社の固定事業場としてはならない。
第6条
不動産所得
1. 農業または林業所得を含めて、他方締約国に所在する不動産から、一方締約国の居住者が取得する所得に対しては、同他方締約国が課税することができる。
2. 「不動産」ということは、当該財産が所在する締約国の法で持つ意味を持つ。この用語はいかなる場合も、不動産に附属される財産、農業と林業に使われる家畜と装備、土地財産に関する一般法の規定が適用される権利、不動産の用益権及び鉱山・鉱泉・他の天然資源の採取または採取する権利に対する代価である可変的または固定的な紙給金に対する権利を含む。船舶及び航空機は不動産として見なさない。
3. 第1項の規定は不動産の直接使用・賃貸または他の形の使用から発生する所得に対して適用される。
4. 第1項及び第3項の規定は企業の不動産から発生される所得と独立的な人的用役の遂行のために使用される不動産から発生される所得に対しても適用する。
第7条
事業利潤
1. 一方締約国の企業の利潤に対しては、その企業の他方締約国で所在する固定事業場を通じて同他方締約国で事業を経営しない限り、同一方締約国でのみ課税する。企業がこのような事業を経営する場合、同固定事業場で帰属する利潤に対してのみ、同他方締約国で課税できる。
2. 第3項の規定に従うことを条件として、一方締約国の企業が他方締約国で所在する固定事業場を通じて同他方締約国で事業を経営する場合、同固定事業場が同一であるかまたは類似な条件下で同一であるか、類似な活動に従事して、または同固定事業場の某企業と全的に独立して引き取りする別の分離された人として仮定する場合、同固定事業場が取得することとして期待される利潤は各締約国内で、同固定事業場に帰属される。
3. 固定事業場の利潤を決定することにおいて、経営費と一般管理費を含めて、同固定事業場の事業目的のために発生された経費は、同固定事業場が所在する締約国内で、あるいは他所で発生されるかに関係なく、費用控除が許容される。
4. 企業の総利潤を多部分に配分して固定事業場に帰属させる利潤を決定することが一方締約国で慣例になっている限り、第2項の規定は同一方締約国が慣例的であるそのような配分方法によって課税される利潤を決定することを排除しない。しかし、採択された配分方法はその結果がこの条の原則に付合されるべきである。
5. いかなる利潤も固定事業場で該当企業のため、財貨または商品を単純に購買するという理由だけで、同固定事業場で帰属されない。
6. 前期第1項の目的上、固定事業場で帰属される利潤は、それに反対される妥当で十分な理由がない限り、毎年同一な方法で決定される。
7. 利潤のこの協定の他条項で特別に扱われる所得の項目を含む場合、その他条項の規定はこの条の規定によって影響されない。
第8条
海運及び航空運輸
1. 国際運輸上、船舶あるいは航空機の運航から発生される利潤に対しては、その企業の本店または実質管理場所が所在する締約国でのみ課税する。
2. 海運企業の本店または実質管理場所が船上である場合、当該企業は船舶の母港所在地国に所在することとして見なし、母港がない場合には船舶の運営者の居住国に所在する事として見なす。
3. 第1項の規定は共同計算・合作事業あるいは国際経営体に参加することによって発生する利潤に対しても適用する。
第9条
特殊関係企業
ア. 一方締約国の企業が他方締約国の企業の経営・支配または資本に直接あるいは間接に参与した場合
イ. 同一人が一方締約国の企業と他方締約国の企業の経営・支配または資本に直接あるいは間接的に参与する場合
以上のいかなる場合においても両企業間の商業上または財政上の関係において独立企業間で設定される条件と他条件が設定されるか、賦課される場合、同条件がなければ一方企業の利潤になったものの、同条件によってそのような利潤にならなかったことに対しては、同企業の利潤に含めてこれに従って課税することができる。
第10条
配当
1. 一方締約国の居住者である会社が他方締約国の居住者に支給する配当に対しては、同他方締約国で課税することができる。
2. しかし、そのような配当に対しては、配当を支給する会社が居住者である締約国の同国の法によって課税することができる。ただし、受領人が配当の受益的所有者である場合、そのように賦課される租税は次を超過しない。
ア. 受益的所有者が配当を支給する会社の資本の25%以上を直接所有する会社(組合は除外)である場合、総配当額の5%
イ. 他のすべての場合総配当額の10%
この項の規定は配当の支給原因になる利潤と関連して会社に対する課税に影響を及ぼさない。
3. この条で使用されている「配当」ということは、株から、あるいは債権でないながら、利潤に参加する他の権利から発する所得、そして分配をする会社が居住者の国家の法によって、株から発生する所得と同一な課税上の取り扱いを受ける他の法人権利から生じる所得を称する。
4. 第1項及び第2項の規定は、一方締約国の居住者である配当の受益的所有者がその配当を支給する会社が居住者である他方締約国で所在する固定事業場を通じて、そこで事業を経営したり、または、他方締約国で所在する固定施設を通じて独立的人的用役を遂行し、また配当支給の原因になる持ち分が、そのような固定事業場、あるいは固定施設と実質的関連される場合には適用しない。そのような場合には、場合によって、第7条または第14条の規定を適用する。
5. 一方締約国の居住者である会社が他方締約国から利潤または所得を取得する場合、他方締約国は同会社が支給する配当については、そのような配当が同他方締約国の居住者に支給されたり、またはその配当の支給原因となる持ち分が同他方締約国に所在する固定授業場または固定施設と実質的に関連される場合を除き、支給された配当または保留利潤が全て、あるいは部分的に同他方締約国から発生された利潤または所得として構成されているとしても、課税することができないし、同会社の留保利潤も保留利潤に対する租税の対象にすることができない。
第11条
利子
1. 一方締約国で発生して、他方締約国の居住者で支給される利子に対しては、同他方締約国で課税することができる。
2. しかし、そのような利子に対しては、利子が発生する締約国でも、同国の法令に従って課税することができる。ただし、受取人が同利子の受益的所有者である場合、そのように賦課される租税は利子総額の10%を越えない。
3. 第2項の規定にもかかわらず、一方締約国から発生する利子として、他方締約国の地方自治団体を含む他方締約国の政府、中央銀行または政府性格の機能を遂行する金融機関に支給される利子及び他方締約国の地方自治団体を含む他方締約国の政府、中央銀行及び政府性格の機能を遂行する金融機関によって、保証されたり、あるいは間接的に提供された債権と関連して他方締約国の居住者に支給される利子は同一方締約国の課税から免除される。
4. この条で使用される「利子」ということは、抵当可否と債務者の利潤に対する参加権の随伴可否に関係なく、すべての種類の債権から発生する所得と特に、政府債権、公債または会社債から発生する所得及びそのような債権に付随されるプレミアムと奨励金を称する。
5. 第1項、第2項及び第3項の規定は、一方締約国の居住者である利子の受益的所有者がその利子が発生する他方締約国に所在する固定事業場を通じて、そこで事業を経営したり、または他方締約国に所在する固定施設を通じてそこで独立的人的用役を遂行し、さらに利子の支給原因になる債権がそのような固定事業場または固定施設と実質的に関連される場合には適用されない。そのような場合には、場合によって、第7条または第14条の規定を適用する。
6. 利子は支給人が一方締約国の政府、地方自治団体または同締約国の居住者である場合、その一方締約国で発生したとして見なす。しかし、一方締約国の居住者の可否に関係なく利子支給人が同一方締約国内で利子の支給原因になる債務が関連された固定事業場または固定施設を持っていて、また利子がそのような固定事業場あるいは固定施設によって負担される場合には、そのような利子は同固定事業場または固定施設のある締約国から発生するとして見なす。
7. 支給人と受益的所有者間、またはその両者と他者間の特殊関係によって利子の支給額が、支給の原因になる債権を考慮する時、そのような関係ではなかったとした時、支給人と受益的所有者間に合意される予定の金額を超過する場合には、この条の規定は後に言及される金額に対してのみ適用する。そのような場合には、支給額の超過部分に対しては、この協定の他の規定を適切に考慮して各締約国の法律に従って課税する。
第12条
使用料
1. 一方締約国で発生して、他方締約国の居住者に支給される使用料に対しては、他方締約国で課税することができる。
2. しかし、そのような使用料に対しては、使用料が発生する締約国でも同締約国の法律に従って課税することができる。ただし、受取人が使用料の受益的所有者である場合、そのように賦課される租税は使用料総額の10%を超過しない。
3. この条で使用される「使用料」ということは、文学作品・芸術作品または学術作品(映画フィルム、ラジオまたはテレビ放送用フィルムまたはテープを含む)の著作権・特許権・ノウハウ・商標権・儀仗あるいは新案・図面・秘密公式や秘密工程の使用または使用権、または産業的・商業的・学術的装備の使用及び使用権、または産業的・商業的・学術的経験関連の情報に対する対価として支給されるすべての種類の支給金を称する。
4. 第1項及び第2項の規定は一方締約国の居住者である使用料の受益的所有者が使用料が発生する他方締約国で所在する固定事業場を通じてそこで事業を経営したり、同他方締約国に所在する固定施設を通じてそこで独立的人的用役を遂行し、さらに使用料の支給原因となる権利または財産がそのような固定事業場、または固定施設に実質的に関連される場合には、場合によって、第7条または第14条の規定を適用する。
5. 使用料はその支給人が一方締約国の政府、地方自治団体または同締約国の居住者である場合、同一方締約国から発生したこととして見なす。しかし、一方締約国の居住者である可否に関係なく使用料の支給人が一方締約国内で使用料支給原因となる債務が関連された固定事業場あるいは固定施設を持っていて、その使用料が同固定事業場または固定施設によって負担される場合、そのような使用料は同固定事業場または固定施設の所在する締約国から発生するとして見なす。
6. 支給人と受益的所有者間またはその両者と他人の特殊関係によって使用料の支給額が、その支給の原因となる使用・権利または情報を考慮する場合、そのような特殊関係がなければ支給人と受益的所有者間に合意される金額を超過する場合に、この条の規定は後で言及された金額に対してのみ、適用する。そのような場合に、その支給額の超過部分に対してはこの協定の他規定を適切に考慮して各締約国の法律に従って、課税する。
第13条
譲渡所得
1. 第6条に言及されて他方締約国に所在する不動産の譲渡から一方締約国の居住者に発生する利得に対しては、同他方締約国で課税することができる。
2. 一方締約国の企業が他方締約国内で持っている固定事業場の事業上財産の一部を形成する動産または一方締約国の居住者が独立的人的用役の遂行目的上、他方締約国で利用できる固定施設に属する動産の譲渡から発生する利得及びそのような固定事業場(単独であるいは企業体と一緒)また固定施設の譲渡から発生する利得に対しては、同他方締約国で課税することができる。
3. 国際運輸に使用される船舶または航空機またはそのような船舶あるいは航空機の運行に関連される動産の譲渡から発生する利得に対しては当該企業の本店または実質管理場所が所在する締約国でのみ課税する。
4. 会社の財産が主に一方締約国で所在する不動産から直・間接的に構成される場合、同会社の資本株式の持ち分譲渡から発生する利得に対しては同締約国で課税することができる。
5. 第1項または第4項に言及される財産以外に財産の譲渡から発生する利得に対しては、その譲渡人の居住地である締約国でのみ課税することができる。
第14条
独立的人的用役
1. 一方締約国の居住者が専門職業的用役または独立的性格の他活動と関連して取得する所得に対しては、同一方締約国でのみ課税するが、次の場合には他方締約国内でも課税することができる。
ア. 同居住者が他方締約国内で自分の活動遂行のため、定則的に利用することができる固定施設を持っている場合(この場合、同固定施設に帰属させることができる部分に限って、他方締約国で課税することができる。)
イ. 同居住者が当該年度に総183日を超過する短日期間あるいは諸期間で、他方締約国内で滞在する場合(この場合、同他方締約国で遂行した活動から取得する部分に限って、同締約国で課税することができる。)
2.「専門職業的用役」ということは、医者・弁護士・技師・建築士・歯科医師及び会計士の独立活動は勿論、特に独立的な学術・文学・芸術・教育または教授活動を含む。
第15条
従属的人的用役
1. 第16条・第18条・第19条・第20条及び第21条の規定に従うことを条件として、雇用と関連して一方締約国の居住者が取得する給料、任金及び他類似な報酬に対しては、その雇用が他方締約国で遂行されない限り、同一方締約国でのみ課税する。ただし、その雇用が他方締約国で遂行される場合、同雇用から発生する報酬に対しては、同他方締約国で課税することができる。
2. 第1項の規定にも関わらず、他方締約国内で遂行される雇用と関連して、一方締約国の居住者が取得する報酬に対しては、次の場合同一方締約国でのみ課税する。
ア. 受取人がある当該12月期間中、総183日を超過しない短日期間または諸期間で、他方締約国内で滞在し、
イ. その報酬が他方締約国の居住者でない雇用主によって、または彼の代わりに、支給されて、
ウ. その報酬が他方締約国内で雇用主が持っている固定事業場または固定施設によって負担されない場合。
3. この条の第1項及び第2項の規定にも関わらず、一方締約国の企業によって国際運輸に運行される船舶や航空機に搭乗して遂行される雇用に関する報酬に対しては、同企業の本店または実質管理場所が所在する締約国でのみ課税することができる。
第16条
取り締まりの報酬
一方締約国の居住者が他方締約国の居住者である会社の理事会の構成員の資格として取得する報酬及び他の類似な支給金に対しては、同他方締約国で課税することができる。
第17条
芸能人及び体育人
1. 第14条及び第15条の規定にもかかわらず、演劇・映画・ラジオまたはテレビの芸能人や音楽家のような芸能人または体育人として一方締約国の居住者が他方締約国で遂行する人的活動から取得する所得に対しては、同他方締約国で課税することができる。
2. 芸能人や体育人がそのような資格として遂行した人的活動に関する所得がその芸能人または体育人自身に帰属せずに/しなくて、他人に帰属する場合には、第7条・第14条及び第15条の規定に関わらず、同所得に対してはその芸能人または体育人の活動が遂行される締約国で課税することができる。
3. この条第1項及び第2項の規定にも関わらず、一方締約国の居住者である芸能人または体育人が両締約国政府間の文化交流計画に従って遂行する活動から取得する所得は他方締約国の租税から免除される。
第18条
年金
1. 第19条第2項の規定に従うことを条件として、過去の雇用に対する対価として、一方締約国の居住者に支給される年金及び他のこれと類似な報酬に対しては、同一方締約国でのみ課税する。
2. 第1項の規定にも関わらず、一方締約国の政府または地方自治団体が社会保障制度上の公共福祉計画に従って支給する年金及び他の類似な支給金に対しては、同締約国でのみ課税する。
第19条
政府用役
1.ア.一方締約国政府、地方自治団体または他の組織体で政府の性格機能を遂行する事において、提供される用役と関連して、同一方締約国の政府、地方自治団体または他組織体が個人に支給する年金以外の報酬に対しては、同一方締約国でのみ課税する。
イ.しかし、その用役が他方締約国で提供されて、その個人が次に該当する同他方締約国の居住者である場合、その報酬に対しては同他方締約国でのみ課税する。
(1) 同他方締約国の国民である者
(2) その用役提供のみの目的で、同他方締約国の居住者になってない者。
2.ア.一方締約国の政府、地方自治団体または他の組織体に政府政策の機能を遂行することにおいて提供される用役と関連して、同一方締約国の政府、地方自治団体または他の組織体によって、またはこれらによって創設された基金から個人に支給される年金に対しては同一方締約国でのみ課税する。
イ.しかし、その個人が他方締約国の居住者で、そして国民である場合、そのような年金に対しては同他方締約国でのみ課税する。
3.15条・第16条・第17条及び第18条の規定は、一方締約国の政府または地方自治団体によって経営される事業と関連して提供される用役に対する報酬及び年金に対して適用される。
第20条
学生及び訓練生
他方締約国の居住者であって、一方締約国を訪問する直前に、他方締約国の居住者であって、ただ教育または訓練の目的のみで、同一方締約国で滞在する学生、事業研修生または訓練生が自分の生計・教育または訓練目的として受ける以下の支給金または所得に対しては、同一方締約国で課税しない。
ア. 自分の生計・教育・学習・研究または訓練目的で同一方締約国の国外源泉から受ける支給金。
イ. 政府または価額・教育・文化・他の免除機関が提供する交付金、奨学金または奨励金。
ウ. 同一方締約国で遂行される教育または訓練と関連される人的用役から得る所得。
第21条
教師及び研究者
一方締約国の居住者であって、他方締約国を訪問する直前にも一方締約国の居住者であって、他方締約国の総合大学・短期大学・学校または他方締約国の政府によって、非営利機関として承認された他教育機関または学術研究機関の招請で、そのような機関で教授・講義または研究のための目的のみ同他方締約国で滞在する個人は、同他方締約国で最初到着した日から3年の期間の間、そのような教授・講義または研究から取得する報酬に対しては同他方締約国の租税から免除される。
第22条
他の所得
1.この協定の前期各条で取り扱われてなかった一方締約国の居住者の所得項目に対しては同一方締約国でのみ課税する。
2.1項の規定は、一方締約国の居住者である所得の受取人が他方締約国に所在する固定事業場を通じて、同他方締約国で事業を経営したり、または他方締約国に所在する固定施設を通じて同他方締約国で独立的な人的用役を遂行して、また所得の支給原因となる権利あるいは財産がそのような固定事業場または固定施設と実質的に関連される場合には、第6条第2項に規定された不動産所得以外の所得に対しては適用されない。そのような場合には、場合によって、第7条または第14条の規定を適用する。
第23条
二重課税の回避方法
1. 韓国居住者の場合、二重課税は次のように回避される。
韓国以外の国家で納付する租税に対して許容する韓国の租税からの税額控除に関する韓国税法の規定(この項の一般的な原則に影響を及ぼしてはいけない)に従うことを条件として、中国内の源泉所得に対して直接的であるか、控除であるかで、中国の法とこの協定に従って納付する中国の租税(配当の場合、配当が支給される利潤に対して納付する租税を除外する)は、同所得に対して納付する韓国の租税から税額控除が許容される。しかし、その控除税額は中国内の源泉所得が韓国の租税納付対象になる総所得で占められる比率に配当する韓国の租税額の部分を超過しない。
2. 中国居住者の場合、二重課税は次のように回避される。
ア. 中国居住者が韓国からの所得を取得する場合、韓国の法とこの協定の諸規定に従って、納付する所得税額は同居住者に賦課される中国の租税から控除されることができる。しかし、その控除税額は中国の租税法令に従って算出される中国の所得税額を超過しない。
イ. 韓国から取得した所得が韓国居住者である会社によって中国の居住者でると同時に、配当支給会社の株式の10%以上所有した会社に支給される配当である場合、控除税額計算において配当支給会社は配当支給会社にその所得と関連して韓国で納付する税額を考慮するべきである。
3. この条の第1項及び第2項に言及された一方締約国で納付する租税は、租税軽減、免除または経済開発促進にため、もし他の租税誘因措置に関する法律規定がなければ納付するべきである税額を含むこととして見なす。この項の目的上第10条第2項、第11条第2項及び第12条第2項の配当、利子及び使用料の場合税額は、各々総配当、利子及び使用料の10%であるとして見なす。
4. この条の第3項の規定は第28条の規定に従って、この協定が発効する年度の次の年度の1月1日から始まって10年の期間でのみ適用する。
第24条
無差別
1. 一方締約国の国民は同一な状況下にいる他方締約国の国民が負担したり、負担するかもしれない租税及び関連された用件と違ったり、より過重な租税またはこれと関連された同他方締約国で負担しない。この規定は第1条の規定にも関わらず、一方または両締約国の居住者ではない人に対しても適用する。
2. 一方締約国の企業が他方締約国内で持っている固定事業場に対する租税は同じ活動を遂行する同他方締約国の企業に賦課される租税より不利に賦課されない。この項の規定は一方締約国に対して、市民としての地位または家族扶養の責任を根拠として自国の居住者に付与する租税目的上いかなる人的控除・救済及び軽減を他方締約国の居住者にも付与する義務を賦課することとして解釈されない。
3. 第9条・第11条第7項または第12条第6項の規定が適用される場合を除外し、一方締約国の企業が他方締約国の居住者に支給する利子・使用料及び他支給金は、同企業の課税利潤を決定するための目的上、これらが同一方締約国の居住者に支給された時と同一な条件として控除される。
4. 一方締約国の企業資本の全部または一部が他方締約国の一人またはその以上の居住者によって、直接または間接に所有されたり支配される場合、その器用は同一方締約国の他の類似な企業が負担したり負担するかもしれない租税及び関連された用件と違ったり、より過重な租税またはそれと関連された用件を同一方締約国で負担しない。
5. 第2条の規定にもかかわらず、この条の規定は全ての種類及び名称の租税に対して適用する。
第25条
相互合意手続
1. 一方締約国または両締約国の措置がある人に対して、この協定の規定に付合しない課税上の結果を招いたり、招くと同人が思う場合、同人は締約国の国内法に規定された救済手段に関係なく、その人が居住者である締約国の権限ある当局にあるいはその問題が第24条第1項に該当される場合には、その人が国民である締約国の権限ある当局に異議を提起することができる。同問題は、この協定の規定に付合しない課税上の結果を招く措置の最初通報日から3年以内で提起されるべきである。
2. 権限ある当局は、異議が正当であると認定されるが、同当局自らが満足できる解決策に到らない場合、他方締約国の権限ある当局と相互合意によって、この協定に付合しない課税を回避するように問題解決のため努力する。導出された合意は両締約国の国内法上の時間的制約用件にもかかわらず施行されるべきである。
3. 両締約国の権限ある当局はこの協定の解釈または適用に関して発生する難関、あるいは疑問を相互合意によって解決するように努力する。また両当局はこの協定に規定されない場合に関しても、二重課税回避のため相互協議することができる。
4. 両締約国の権限ある当局は、第2項及び第3項で意味する合意に到達するための目的で直接意見を交換することができる。合意に到達するために望ましいと思われる場合、両締約国の権限ある当局の代表は意見交換のため会合を持つことができる。
第26条
情報交換
1. 両締約国の権限ある当局はこの協定の諸規定を施行したり、または当該国内法による課税がこの協定に反しない限り、この協定の適用対象になる租税に関する締約国の国内法の諸規定を施行することに必要な情報、特に脱税防止のための情報を交換する。情報の交換は第1条により制限されない。一方締約国が入手する情報は同国の国内法によって入手される情報と同一に秘密として取り扱われるべきであり、この協定の適用対象になる租税の賦課・徴収・強制執行または訴追や争訴請求の決定に関連される人または当局(行政・司法機関を含む)に対してのみ公開される。そのような人または当局は租税目的のためのみで情報を使用する。彼らは公開法廷手続あるいは司法的決定の場合、情報を公開することができる。
2. いかなる場合でも第1項の規定は一方締約国に対して、次の義務を賦課することとして解釈されない。
ア. 一方または他方締約国の法律、または行政慣行に抵触される行政的措置を遂行すること。
イ. 一方または他方締約国の法律下で、または行政の通常的な過程で入手出来ない情報を提供すること。
ウ. 交易上・事業上・産業上・商業上または専門職業上の秘密または取引の過程を公開することが公共政策(公共秩序)配置される情報を提供すること。
第27条
外交官及び領事館員
この協約のいかなる規定も、国際法の一般規則または特別協定の諸規定による外交官または領事館員の財政上の特権に影響を及ぼさない。
第28条
発効
1. この協定は、両国でこの協定の発効に必要な国内法的手続が完了されたことを通報する外交公文が交換される日から30日目になる日に発効される。
2. この協定は次に対して効力を持つ。
ア. 源泉徴収される租税に対しては、この協定が発効される年度の次の年度1月1日から
イ. 他の租税に対しては、この協定が発効される年度の次の年度1月1日以後開始される課税年度から
第29条
終了
この協定は無期限に効力を持ち、各締約国は発効日から5年経過後、開始されるある年度の6月30日以前に外交経路を通じて他方締約国に対して書面として終了を通報することができる。そのような場合、この協定は次に対して効力を持たない。
ア. 源泉徴収される租税に対しては、終了通報が行われる年度の次年度の1月1日以降
イ. 他の租税に関しては、終了通報が行われる年度の次年度の1月1日以後に開始される課税年度から
以上の証拠として、下記の署名者は各々の政府から正当に権限を委任されてこの協定に署名した。
1994年3月28日北京で同等に正本である韓国語、中国語及び英語で各2部ずつ作成した。解釈上相違のある場合には、英語本が優先する。
大韓民国政府のために、中華人民共和国政府のために
署名 韓昇洲(Han Sung−joo)(外交部長官)
署名 劉仲藜(Liu Zhong Li)(財政部長)
議定書
大韓民国政府と中華人民共和国政府間の所得に対する租税に二重課税回避と脱税防止のための協定を署名することについて、両者は次の規定がこの協定の不可分の一部であることを合意した。
1. 第8条「海運及び航空運輸」に関して、韓国は中国の企業による国際運輸上の船舶及び航空機の運行に対して付加価値税を免除し、中国は韓国の企業による国際運輸上の船舶または航空機の運行に対して営業税を免除することとして諒解する。
2. 第15条「従属的人的用役」に関して、一方締約国の海運または航空運輸企業が他方締約国へ派遣する被雇用人の報酬に対しては、一方締約国でのみ課税することができることとして諒解する。
以上の証拠として、下記の署名者は各々の政府から正当に権限を委任されてこの協定に署名した。
1994年3月28日北京で同等に正本である韓国語、中国語及び英語で各2部ずつ作成した。解釈上相違のある場合には、英語本が優先する。
大韓民国政府のために、中華人民共和国政府のために
署名 韓昇洲(Han Sung−joo)(外交部長官)
署名 劉仲藜(Liu Zhong Li)(財政部長)