[文書名] 大韓民国政府と中華人民共和国政府との対外経済協力基金に関する交換覚書
(韓国側覚書)
1996年3月15日
閣下、
本人は大韓民国政府の対外経済協力基金(以下、「基金」とする)からの借款供与と関連して、1995年11月14日両国政府が署名した協定に基づき、大韓民国政府と中華人民共和国政府との間に最近合意された以下のような諒解事項を確認する光栄を有します。
1.(1)大韓民国政府は、中華人民共和国政府が次の事業(以下、「事業」とする)の遂行のため、対外経済協力基金の政府代行機関である韓国輸出入銀行(以下、「銀行」とする)から総額56,914百万ウォン限度の5件のウォン借款(以下、「借款」とする)を引き出せるようにする。
事業名 借款限度(百万ウォン)
ア.延吉市上水稲事業 6,922
イ.遼寧省韓中国際交流センター事業 3,846
ウ.青島市高架道路建設事業 15,382
エ.北海港拡張事業 7,691
オ.港南省通信網建設事業 23,073
(2)対外貿易経済合作部によって代表される中華人民共和国政府は、中国公商銀行を「ア」項事業の債務者に指定し、中国銀行を「イ」、「ウ」、「エ」、「オ」項事業の債務者に指定して、借款の元金と利子及び借款の債務者が支払うべき他の費用の満期時における正確な支払いを保証する。
2.借款の条件と使用手続は債務者と銀行との間で締結される借款契約(以下、「借款契約」とする)によって規律され、この契約には特に次の原則が含まれる。
(1)償還期間は据え置き期間5年を含めて20年とする。
(2)利子率は年3.0%とする。
(3)銀行は直接支給方式の場合、各供出額の0.1%を取り扱い手数料として契約に明示する。また、借款資金の供出、借款契約による銀行への元金の償還または利子の支給などと関連して商業銀行が提供する用役に対する全ての銀行の手数料や諸費用は、両国の関連商業銀行間で締結される約定に従う。
3.(1)事業に必要な物資と用役の調達のための購買適格国家は大韓民国とする。ただし、「ア」、「ウ」項の事業においては、大韓民国からの物資購入が経済的でない場合、銀行が同意し特定の金額の範囲内で中国または第3国から物資を購入することができる。
(2)事業に必要な物資と用役の供給者は制限国際入札を通じて、あるいは購買適格国家の供給者との直接契約を通じて選定される。
(3)購買適格国家でない他国家から輸入された、原資材を含む財貨は、輸入分が供給単価の50%未満である場合、この借款の融資対象にすることができる。輸入分比率の計算方式は借款契約に規定する。
(4)購買方式及び手続に関する細部事項は、対外貿易経済合作部と銀行との間の合意によって規律される。
4.中国政府は、借款資金で割り当てられた資金が事業遂行のため不十分である場合、必要な資金を確保するための迅速な措置を取らなければならない。
5.借款資金は、事業の進展に伴って、借款契約に明示された借款金額の限度と支出期間の範囲内で、かつ借款契約上の支払い手続に従って、銀行が債務者に直接また債務者のために支払う。
6.借款契約で明示される他の条件は債務者と銀行との間の協議を通じて決定される。
7.この約定は別の合意がない限り、債務者が借款契約上のすべての義務を履行するまで有効である。
上記規定を中華人民共和国政府が受諾すれば、この覚書と閣下の同一な趣旨の回答覚書はこの問題に関する両国政府間の合意を構成し、閣下の回答覚書の日付において発効することを提案する光栄を有します。
閣下に再び本人の最高の敬意を表します。
大韓民国特命全権大使
鄭鐘旭(Chunng Chong−wook)
中華人民共和国 対外貿易経済合作部 副部長
谷永江(Gu Yongjiang)閣下
(中華人民共和国側回答覚書)
1996年3月15日
閣下、
本人は今日次のような内容の閣下の覚書を受理したことを確認する光栄を有します。
(韓国側提案覚書)
本人はまた、中華人民共和国政府が上記提案を受諾することができ、閣下の覚書とこの回答覚書が両国政府間の合意を構成して、この覚書の日付から効力を発生するようになることを閣下にお知らせする光栄を有します。
中華人民共和国 対外貿易経済合作部 副部長
谷永江(Gu Yongjiang)/署名/
大韓民国特命全権大使
鄭鐘旭(Chunng Chong−wook)閣下