[文書名] 東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)の実施に関する共同声明
2000年10月25・26日、新潟で開催された、東アジア酸性雨モニタリングネットワークに関する第2回政府間会合に出席した中国、インドネシア、日本、マレーシア、モンゴル、フィリピン、韓国、ロシア、イ及びベトナムの代表は、
東アジア地域における酸性雨問題のリスクが増大している現状にあることを認識し、
1992年に開催された環境と開発に関する国連会議で採択されたアジェンダ21において、欧州及び北米における越境大気汚染に関するプログラムの経験は世界の他の地域でも共有される必要があると述べていることを想起し、
第1回政府間会合(1998年3月、横浜にて開催)における共通理解に基づき、1998年から2000年まで、東アジア10ヶ国の参加により実施された東アジア酸性雨モニタリングネットワークの試行稼動が成功裡に実施されたことを認識し
以下の結論に至った。
1. 本会合参加各国は、以下の目的を達成するため協力しあい、2001年1月より東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)の透明性をもった本格稼働を開始する。
1) 東アジアにおける酸性雨問題の状況に関する共通理を形成すること
2) 酸性雨による環境への悪影響を防止もしくは減少させるために、地方・国・地域レベルの意思決定に有益な情報を提供すること
3) 参加国間での酸性雨問題に関する協力を推進すること
2. EANETの活動は、まずこの第2回政府間会合にてなされた決定に基づき開始されるものであるが、EANET活動の基盤を将来強化するための努力は継続される。
3.参加国は、EANET活動に関するさらなる文書が作成されるまでの間は、EANETの暫定的な設計に基づき、モニタリング活動を実施・強化する。
4.参加国は、ネットワーク活動の効果的な実施のため、より一層の積極的な参画と二国間及び多国間の国際協力を推進する。ネットワーク活動は、東アジアにおける既存の地域・準地域・国家レベルの活動を補強し、相互に協力的なものであるべきである。世界にある他の国際的モニタリングネットワーク及びプログラムとの協力が推進されるべきである。
5.ネットワーク運営には安定した資金拠出及び現物拠出が必要とされる。参加各国は、ネットワーク活動支援のために継続的かつ自発的な拠出を行うよう要請される。
6.参加各国は、酸性雨による環境への悪影響を防止もしくは減少させるために行う国際協調の努力の推進に寄与するため、将来のEANET活動について議論を行う。