[文書名] クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(APP)第2回閣僚会議 コミュニケ
クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップの第2回閣僚会議は、2007年10月15日にニューデリーで開催された。
我々は、2006年1月11-12日にオーストラリア・シドニーで本パートナーシップを立ち上げた。我々の直面する気候変動、クリーン開発、エネルギー安全保障という課題は大きいが、現実的な解決を重視した革新的なパートナーシップを立ち上げ比較的短期間で大きな成果を達成した。シドニー以降、詳細なアクションプランを作成し、パートナーシップ全体で110の協力プロジェクトを承認した。我々は、相互尊重と協力にもとづく、真に平等なパートナーシップを築き上げてきたものと信じている。我々それぞれが、共通の課題に積極的に貢献してきた。
我々は、7番目のパートナーとして、カナダがこのパートナーシップに参加したことを喜んで報告する。カナダはこの地域の主要国であり、パートナーのビジョンを共有し、我々の活動の基盤となる二国間あるいは多国間メカニズムを通じ、すべてのパートナーとともに建設的に取り組んできた。我々の作業が次の段階に移行するにあたり、カナダの加盟はパートナーシップを強化するものと期待している。カナダのパートナーシップに対する支持は、これまでの活動の進捗と将来の可能性と期待に対する重要な支援である。
これまで収めた成果は、いくつかの要因によるものである。参加国政府内の異なった省庁間の協力は我々の努力を強化し、パートナーシップの下、意義のある共同作業につながった。さらに、官民の共同作業が強力に進められたことが、我々の成功の基礎となっている。パートナー国の官民両部門は、これらの取り組みを進めるにあたり、重要な専門知識と資源を持ち寄った。これらの要素が組み合わさったことが、すばらしい成果を達成するのに役立っている。よりクリーンな化石エネルギー、アルミニウム、石炭鉱業、鉄鋼、再生可能エネルギーと分散型電源、発電及び送電、建物及び電気機器、セメントという重要な8分野における我々の取り組みは、エネルギー効率を改善し、ベストプラクティスを促進し、低排出に向けた新たな解決策に資するものである。
パートナーシップの当初のプロジェクトポートフォリオは部門別の評価、キャパシティビルディング、ベストプラクティスの特定並びに技術研究及び実証等の活動に主眼を置かれたが、これらの活動は今後の展開の中でも我々の作業の要であり続ける。我々は、これらの承認プログラムの中からパートナー各国が取り組む協力活動の多様性を例証するようなプロジェクトを18件フラッグシッププロジェクトとして選定したことをここに報告する。これらのフラッグシップロジェクトは、パートナー間の協力の規模と可能性を実証するものである。エネルギー安全保障と経済成長を促進しながら、温室効果ガス排出に立ち向かうという政府の参加や起業家精神、そして研究者の能力が「てこ」となって、革新的なパートナーシップの有効性を示すことが期待される。
民間部門を含む産業界は、パートナーシップの下で政府と協力し、重要な役割を担い、我々達成に大きな貢献者である。彼らのエネルギーと意欲は我々の作業にかけがえのない要素であり続けるだろう。我々はインド商工会議所およびインド産業連盟が、産業界のパートナーを招き、IEAやADBのトップによる講演を含む晩餐を主催することをうれしく思う。我々は、これが8分野すべての産業界との関与を強化するものと信じている。
さらに、我々はシドニーで最初に検討を開始した「アジア太平洋エネルギー技術協力センター」の実施フェーズを立ち上げたことを喜んで報告する。当センターは、ワークショップ、指導者育成プログラム及び情報データベースを通じてエネルギー効率に関する知識及びパートナー各国の政府及び産業界に広く存在するベストプラクティスの共有・普及を強化することにより、パートナー各国に大きな便益を与えることであろう。
我々は既存のイニシアティブを通じて、二国間、多国間で協力を続けており、これらのメカニズムを用いて連携を強化してきた。我々の活動は、がそれらの協定に対して補完的であり、我々は、複数の国際機関が本パートナーシップとの連携を強化することに対して関心を表明していることを歓迎し、将来的にこれらの組織との関係を発展、もしくは強化したい。
我々は既に強力な成果をあげているが、このパートナーシップを通じた協力を更に強化することを決意し、これをコミットする。我々の作業の次のフェーズでは、引き続き、技術の協力と普及に関する努力を強化し深める。また、我々は連携プロジェクトに対して追加的な財政資源を配分する努力を続ける。我々は、政策実施委員会に対して本パートナーシップの更なる成功を確保するための努力を続けるよう求める。
我々は、今次会合をホストしたインド政府に感謝し、2009年に再会することを決定した。