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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本国経済産業省と中華人民共和国国家発展改革委員会との間の省エネルギー・環境分野における協力の継続強化に関する覚書

[場所] 東京
[年月日] 2008年5月7日
[出典] 経済産業省
[備考] 
[全文]

日本国経済産業省と中華人民共和国国家発展改革委員会(以下「双方」と略す)は、省エネルギー・環境分野における協力を以下のとおり継続強化していくことで一致した。

1.双方は、第3回日中省エネルギー・環境総合フォーラム(以下「フォーラム」と略す)を、本年の第4四半期(10月~12月の間)に日本で開催することを確認した。フォーラムを通じ、双方は、これまでの着実な成果を共有しつつ、更に省エネルギー・環境分野での協力メカニズムを確立し、ビジネスベースの省エネルギー・環境協力を推進する。

2.双方は、日中省エネルギー・環境ビジネス推進モデルプロジェクト(以下「プロジェクト」と略す)の実施が、両国の省エネルギー・環境分野での互恵協力関係にとって重大な意義を有することを認識する。双方は、2007年9月に指定されたプロジェクトを推進するとともに、省エネルギー診断、プロジェクト実行可能性調査、設備導入の面で引き続きプロジェクトを推進し、フォーラムに向けて新たなプロジェクトが形成されるよう努める。中国側は、地方政府の関係部門がプロジェクトの開発、発掘及び成果の普及に参加することを積極的に指導し、日本側は、これを積極的に評価する。日本側は、中国側の関連プロジェクトへの日本企業の参加を積極的に奨励し、中国側はこれを積極的に評価する。双方は必要に応じ、双方、中華人民共和国の地方政府の関係部門及び日中経済協会の間で地方レベルの協力の進め方について協議を行っていくこととする。

3.双方は、日本国の独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の中国における事業の展開に対し積極的評価を与える。双方は、都市ゴミ発電のプロジェクトをNEDOの中華人民共和国に対するモデル事業として2008年に正式に実施に着手し、これをプロジェクトとして指定することを確認する。また、双方は、2007年に開始した2つの太陽光発電関連事業(浙江省及び青海省)の円滑な実施を支持するとともに、鉄鋼及びセメント分野の省エネルギー環境診断を引き続き推進することを歓迎する。

4.双方は、クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(APP)の枠組みの下で、政府部門と企業が参加する関連分野の省エネルギーとエネルギー効率向上に関する協力を、引き続き積極的に推進する。

5.双方は、省エネルギーに係る日本側受入研修を通じて省エネルギー法及び中国の省エネルギー政策が進展したことを高く評価する。また、双方は、「日本国政府と中華人民共和国政府との間の環境・エネルギー分野における協力推進に関する共同コミュニケ」において達した共通認識に基づき、省エネルギー政策に係る受入研修を継続することを確認する。双方は、専門家派遣等によりエネルギー計測等の省エネルギー法執行強化のための研修協力を展開することを歓迎する。

6.双方は、石炭分野における技術協力として、中国の石炭火力発電所における設備診断・設備改造・人材育成を推進する。双方は、石炭火力発電所からの二酸化炭素の隔離・貯蔵(CCS)を通じて、石油回収率の向上(EOR)の実証研究を継続的に展開する。

7.双方は、青島市・天津市と北九州市、広東省と兵庫県それぞれによる循環型都市協力の展開を基礎とする、日中循環型都市協力を積極的に推進するとともに、日中の都市の循環型経済を発展させるための実質的協力を促進し、支持する。

8.「日中省エネルギー協力センター」について、中国側は、中国側が土地、建築物等のハード面の建設を行うことを提案し、日本側が技術等を提供することを要望する。日本側は、これらについて中国側と協議を進めていくことを表明する。

9.本覚書は、2008年5月7日に東京にて署名する。

日本国 中華人民共和国

経済産業大臣 国家発展改革委員会主任