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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本国政府とインドネシア政府との間の気候変動に関する二国間協力

[場所] 東京
[年月日] 2011年11月25日
[出典] 外務省仮訳
[備考] 
[全文]

1 日本国政府及びインドネシア政府(以下「双方」という。)は,環境を維持及び保全し,気候変動問題を解決する喫緊の必要性を再確認し,南アフリカで開催される気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)第17回締約国会議(COP17)の成功を確保するために,建設的に協力することを確認する。

2 双方は,気候変動対策プログラム・ローンなどの気候変動分野における日・インドネシア間の協力の顕著な実績を再確認し,及びこの分野における更なる協力を探求することを目指す。

3 双方は,問題に早急に対処することの重要性を認識し及び持続可能な森林管理等を促進するための過去及び進行中の森林関係の協力を再確認しつつ,森林減少・劣化に由来する排出の削減等(REDD+)に関する協力の更なる実施を目指す。

4 双方は,産業その他の分野における省エネルギー,再生可能エネルギーその他の温室効果ガス(GHG)排出削減行動に関連する先進技術が,持続可能な成長を達成しながら気候変動問題に対処する上で重要であることを確認する。双方は,これらの分野における協力を更に探求し,実施することを目指す。

5 双方は,オフセット・クレジット・メカニズムの構築に向けた議論の進展を歓迎し,インドネシア側の国家気候変動評議会(DNPI)及び日本側の在インドネシア日本国大使館の間の緊密な連携の下,気候変動に関する国際連合枠組条約の原則及びカンクン合意に沿って同メカニズムに関する相互理解を深めるため及び温室効果ガス削減への具体的行動を促進するため,現在進行中の諸活動に立脚し,モデル事業,キャパシティ・ビルディング及び共同調査の特定と実施を通じて,官民にわたる協議プロセスを拡大していく。

6 双方は,気候変動に関する国際連合枠組条約の原則及びカンクン合意に沿って,温室効果ガス排出削減行動の透明性を確保するために,強固な測定,報告及び検証の仕組みの枠組みを構築する重要性を認識する。

7 双方は,インドネシアにおいてMRV(測定,報告及び検証)を担当する機関の設立に向けた準備に関する協力の進展を歓迎し,インドネシアにおけるキャパシティ・ビルディングの重要性を認識しつつ,緊密に協働することを決定する。

8 双方は,低炭素成長のための地域協力の重要性を再確認する。この観点から,インドネシアは日本が提唱する東アジア低炭素成長パートナーシップ構想を歓迎し,2012年4月に日本において開かれる同構想の対話会議に積極的に参加する。