[文書名] 日本国とインドネシア共和国との間の低炭素成長パートナーシップのための二国間クレジット制度に関する二国間協力
1. 日本側及びインドネシア側(以下「双方」という。)は、気候変動に関する国際連合枠組条約(以下「条約」という。)第2条に言及される条約の究極的な目的及び持続可能な開発の達成を追求し、また2013年以降も協力して、引き続き気候変動に取り組むため、次のとおり低炭素成長パートナーシップを推進する。
2. 双方は、国際連合の下並びに東アジア低炭素成長パートナーシップを含めた、地域的及び二国間の枠組みでの低炭素成長に向けた協力のため、様々なレベルで緊密に政策協議を行う。
3. 双方は、インドネシアにおける低炭素成長を実現するための投資並びに低炭素技術、製品、システム、サービス及び社会基盤の普及を促進するため、二国間クレジット制度(以下「JCM」という。)を創設し、それぞれの国の関連する有効な国内法令に従ってJCMを実施する。
4. 双方は、JCMを運営するため、双方からの代表者から構成される合同委員会を設置する。
5. 合同委員会は、関係する省庁及び閣僚から、JCMの実施に関する適切な助言を受ける。
6. 合同委員会は、JCMに関する規則及び指針を決定する。
7. 双方は、JCMの下での緩和事業における認証された排出削減又は吸収量を、国際的に表明したそれぞれの温室効果ガス緩和努力の一部として使用できることを相互に認める。
8. 双方は、世界的な温室効果ガスの排出削減又は吸収に向けた具体的行動を促進するために、JCMの堅固な方法論、透明性及び環境十全性を確保するとともに、JCMを簡素で実用的なものとする。
9. 双方は、JCMの下で登録された緩和事業を、他の国際的な気候緩和制度の目的のために使用しないことによって、温室効果ガスの排出削減又は吸収量の二重計算の回避を確保する。
10. 双方は、JCMを実施していくために必要な資金、技術及び能力向上の支援の円滑化のため、緊密に協力する。
11. JCMは取引を行わないクレジット制度としてその運用を開始する。双方は、取引可能なクレジット制度への移行のための協議を継続し、可能な限り早い段階で当該協議の結論を得る。
12. 双方は、JCMの取引可能なクレジット制度の運用時に、JCMを通じ、途上国の適応努力の支援への具体的な貢献を目指す。
13. 本パートナーシップは、この文書が署名されてから、条約の下での新たな国際的な枠組みが運用されるまでの期間を対象とする。双方は、特に、条約の下での交渉の進展を踏まえつつ、本パートナーシップのあり得る延長につき検討し、本パートナーシップの期限までに結論を得る。
14. この文書の各内容は、双方の書面による相互の同意によって修正され得る。
日本側によって、東京において2013年 月 日、インドネシア側によって、ジャカルタにおいて2013年 月 日に、日本語、インドネシア語及び英語による本書2通に署名された。これらの文書は等しく価値を有する。解釈に相違がある場合には、英語が参照される。
日本側を代表して
岸田文雄
外務大臣
インドネシア側を代表して
M.ハッタ・ラジャサ
経済担当調整大臣