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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本国政府とパラオ共和国政府との間の炭素削減パートナーシップに関する協力覚書

[場所] パラオ
[年月日] 2014年01月13日
[出典] 外務省仮訳
[備考] 
[全文]

1.日本国政府及びパラオ共和国政府(以下「両政府」という。)は、気候変動に関する国 際連合枠組条約(以下「UNFCCC」という。)第2条に言及される気候系に危険な 人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定 化させるというUNFCCCの究極的な目的及び持続可能な開発の達成を追求し、また 協力して気候変動に取り組むことを継続するために、ここに次のとおり炭素削減パート ナーシップを推進する。

2.両政府は、パラオ政府の小島嶼国連合及び太平洋諸島フォーラムへのコミットメント を尊重し、UNFCCCを含む国際連合若しくは他の関連する国際的、地域的及び二国 間の枠組みの下での協力に向け、様々なレベルで、気候変動の悪影響を軽減するべく緊 密に政策協議を行う。

3.両政府は、パラオにおける気候変動の悪影響を軽減するための投資並びに炭素高効率 技術、製品、システム、サービス及び社会基盤の普及を促進するため、ここに二国間ク レジット制度(以下「JCM」という。)を創設し、それぞれの国の関連する有効な国 内法令に従って、JCMを実施する。

4.両政府は、ここにJCMを運営するため、合同委員会を設置する。

(A)合同委員会は、両政府の代表者から構成される。

(B)合同委員会の委員の構成を含む合同委員会運営規則は、両政府のコンセンサスによ って定められる。

(C)合同委員会は、小島嶼国連合の一員としてのパラオの立場を尊重し、コンセンサス によって、規則及びガイドライン類、温室効果ガスの排出削減又は吸収を定量化する ための方法論、第三者機関の指定に関する要件及び必要なJCMの実施及び管理に関 するその他の事項を策定する。

(D)合同委員会は、JCMの実施のために、定期的に会合を招集する。

5.両政府は、JCMの下での緩和事業における認証された排出削減又は吸収量を、国際 的に表明したそれぞれの温室効果ガス緩和努力の一部として使用できることを相互に 認める。

6.両政府は、世界的な温室効果ガスの排出削減又は吸収に向けた具体的行動を推進する ために、JCMの堅固な方法論、透明性及び環境十全性を確保するとともに、JCMを簡素で実用的なものとする。

7.いずれの政府も、温室効果ガスの排出削減又は吸収量の二重計算を回避するため、J CMの下で登録された緩和事業を、他の国際的な気候緩和制度の目的のために使用しな い。

8.両政府は、JCMを実施していくために必要な資金、技術及び能力向上の支援の円滑 化のため、緊密に協力する。特に、JCMの実施のため、日本国政府はパラオ共和国政 府を支援する。

9.JCMは取引を行わないクレジット制度としてその運用を開始する。両政府は、UN FCCCの究極的な目的に沿って、取引可能なクレジット制度への移行に関する協議を 行い、JCMの成功裡の実施を考慮しつつ、可能な限り早い段階で当該協議の結論を得 る。

10.本パートナーシップの各内容は、両政府間の相互の書面による同意によってのみ修 正することができる。

11.本協力覚書は、一方の政府から他方の政府へ60日前までに通知することにより終 了させることができる。

ゲルルムドにおいて2014年1月13日に、英語による本書2通に署名された。

石原 伸晃

環境大臣 日本国

チャールズ・オビアン

公共基盤・産業・商業大臣 パラオ共和国