データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] インド太平洋(アフリカを含む)における日印開発協力

[場所] 
[年月日] 2018年10月29日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文] 

1. 日本及びインドは,質の高いインフラ及び我々のパートナーの能力構築を通じた連結性を強化することにより,アフリカを含むインド太平洋における経済成長及び開発を通じた平和,安定及び繁栄を促進するために協力することをコミットする。両国は,全ての開発協力が,開かれた,透明性のある,非排他的な方法で,また,国家の主権及び領土保全を含む国際的な基準に基づき,責任ある債務による資金調達慣行,並びに現地の経済及び開発の戦略優先順位と合致した形で行われなければならないとの確信を有している。

2. インドの「アクト・イースト政策」及びモディ首相のアフリカ諸国との継続的かつ恒常的な関与のための10原則と日本の「質の高いインフラ輸出拡大パートナーシップイニシアティブ」及びTICAD6ナイロビ宣言を連携させ,両国は,インド太平洋における連結性その他のインフラ整備に焦点を当てた具体的協力を促進するために,対象国政府とのさらなる協議を歓迎し,コミットする。日本及びインドは、個別の協力(以下に掲げるものを含むが、これらに限られない)の特定についての進捗を歓迎する。

 2.1 LNG関連インフラ整備等のスリランカでの協力

 2.2 住宅、教育及び電化の案件における協力を通じたラカイン州における開発の取組の連携に関するミャンマーでの協力。

 2.3 ラムガール・バリヤルハット間の道路の4車線化及び橋梁の改修並びにジャムナ川に敷設されるジャムナ鉄道専用橋建設及び車両供与による連結性の強化を目的とするバングラデシュでの協力。

 2.4 ケニアにおける中小企業開発セミナーの開催や,ケニアにおけるがん病院の設立といった保健サービスの分野での協働的な案件の可能性の追求等のアフリカでの協力

3. 両国はまた、能力開発、医療、生活、水、衛生及びデジタル空間における協力を拡大することの重要性並びに協力を通じて、教育、健康その他の福祉を拡大すること並びにアフリカを含むインド太平洋の人々の潜在的開発能力を実現することが重要であることを認識する。

4. さらに,両国は,地域における産業回廊及び産業ネットワークの開発に向けたインドと日本企業間の交流を強化するための日印ビジネスプラットフォームを確立するために協力する。こうした観点から,両国は,地域における日印間の具体的なビジネス事業の発展を促進することが期待されるNEXI及びECGC間のMOUを歓迎した。

5. 日本及びインドは,インド太平洋における両国の開発協力が,同地域における公平で,前向きな,未来志向の変化に向けた潜在的可能性を解放し,アフリカの社会経済開発に貢献することができると信じる。