データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] インドと日本の農業・食品加工・食品安全・林業・水産における協力

[場所] 
[年月日] 2018年10月29日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文] 

A: 農業

1. 農林水産省(MAFF)及びインド農業・農民福祉省(MoAFW)との間の協力覚書(MOC)に基づく合同作業部会(JWG)

(i)2016年10月11日,協力覚書が署名された(モディ・インド首相の訪日時)。

(ii)2017年11月6日(ワールド・フード・インディア(WFI)2017の後),第1回JWGが開催され,3つの協力分野が特定された。

 (a)農業の生産性

 (b)食品加工

 (c)漁業

(iii)「農業及び漁業分野に関する日インド投資促進プログラム」

 第1回JWGの議論を経て,農林水産省及び農業・農民福祉省は,農業及び漁業におけるインドへの投資促進の方法として,「農業及び漁業分野に関する日インド投資促進プログラム」の策定に合意し,2018年10月29日署名された。

(iv)日印フードビジネス協議会が支援するイセ食品のテランガナ・メガ・プロジェクトが,投資プログラムの最初の投資案件として登録された。

2. 日印農業モデルファーム

(i)農林水産省と農業・農民福祉省は,日本がいかに日本の技術を活用し農業の生産性向上に貢献できるかについて議論した。

(ii)一つのアイデアとして,日本の技術が展示・普及され,これらの技術が用いられた産品を販売する日印農業モデルファームの設立が挙げられている。

3. 研究協力

(i)2018年2月9日,国際農林水産業研究センター(JIRCAS)とインド農業研究委員会(ICAR)との間で,共同研究に関する覚書が署名された。

(ii)2018年6月15日,カルナールにおいて,最初のキックオフミーティングが開催され,(a)持続可能な農業生産のため,塩害の軽減に向けた低コストの暗渠排水技術の開発及び(b)地域に適した耐塩性作物の開発における協力について議論した。

B: 食品加工

1. ワールド・フード・インディア(WFI2017)

 日本は,ワールド・フード・インディア2017にパートナーカントリーとして参加し,日本の谷合農林水産副大臣が日本代表団を率いた。約60社の日本企業が参加した。

2. 農林水産省とインド食品加工省との間の協力覚書

(i)2018年10月29日,農林水産省と食品加工省との間の協力覚書が署名され,両首脳の立ち会いの下,交換された。

3. インド食品加工省と日本企業との間の協力覚書

(i)2018年3月13日,食品加工省(MoFPI)と日本企業(イセ食品)との間で最初の覚書が署名された。

(ii)2018年10月29日,食品加工省と日本企業(カゴメと日産スチール工業)との間で覚書が署名された。

4. 日本においてインド農業・食品市場を研究するための協議会

(i)農林水産省は,グローバル・フード・バリューチェーン(GFVC)の構築を推進しており,2018年3月には,GFVC推進官民協議会においてのインド部会を開催した。当時GFVC推進官民協議会には,約400社がメンバーとして加入した。

(ii)2018年5月,日印フードビジネス協議会が開始された。

C: 食品安全

食品基準庁と日本政府間の協力覚書

2018年10月29日,インドの食品安全基準庁(FSSAI)と食品安全委員会,消費者庁,厚生労働省,農林水産省との間で協力覚書が締結された。

D: 林業

農林水産省と環境・森林・気候変動省との間の協力覚書に基づく合同作業部会

(i)2015年12月11日,農林水産省と環境・森林・気候変動省(MoEF&CC)との間ので協力覚書に署名し,以下,7つの協力分野を特定した。

  a)人材育成と研修機関間の交流

  b)持続可能な森林経営

  c)森林保全と山地災害防止

  d)生物多様性の保全

  e)森林資源の有効活用

  f)森林及び林業政策に関する情報共有,技術交流g)林業セクターの研究開発

(ii)2018年7月23日,第3回JWGにおいて,2018年から2022年に実施される日印森林・林業協力ロードマップが合意された。

E: 水産

(1)2018年3月,インド向けの食用の水産物の衛生証明書が合意された。

(2)2018年10月,インド向けのエビの餌等の水産用餌料の衛生証明書が合意された。

F: 農林水産省と州政府間の協力,民間企業の活動

(1)アンドラ・プラデシュ州(AP州)

 (a)2016年7月30日,農林水産省とアンドラ・プラデシュ州の間で,農業・食品関連産業に係

る協力覚書が署名された。

 (b)2018年2月25日,農林水産省とアンドラ・プラデシュ州の間で,マスタープランの策定に

係る協力覚書が署名された。2018年7月,アンドラ・プラデシュ州におけるコールドチェー

ンに係るマスタープラン策定のための調査が開始された。

(2)マハラシュト州(MH州)

 (a)2018年10月29日,農林水産省とマハラシュトラシュ州の間で,協力覚書が署名された。

(3)ウッタル・プラデシュ州(UP州)

 (a)2018年10月26日,農林水産省とウッタル・プラデシュ州の間で,協力覚書が署名された。

H: 国際協力機構(JICA)

(1)「アンドラ・プラデシュ州灌漑・生計改善計画(フェーズ2)」

  2017年12月13日,JICAとインド財務省の間で,円借款貸付契約が調印された。

(2)「ヒマーチャル・プラデシュ州森林生態系保全・生計改善事業」

  2018年3月29日,JICAと駐日インド大使館との間で,円借款貸付契約が調印された。

(3)「協同組合を通じた酪農セクター生計向上計画」2018年7月,JICAは,協力準備調査を開始した。