[文書名] エネルギー・インフラ・デジタル連結性協力を通じた自由で開かれたインド太平洋の促進に関する日米共同声明
日米は,自由で開かれたインド太平洋を強化する共通の目的を再確認し,同地域におけるエネルギー・インフラ・デジタル連結性を進展させるための両国の共同の取組における具体的進展を歓迎した。日米は,両国のパートナーシップを深化させ,拡大することを決意した。主な要素は以下を含む。
【ハイレベルによる調整】
・日米は,ハイレベルによる政策調整と幅広い支持を得る努力を通じ,自由で開かれたインド太平洋を推進するための協力を深化する意図を有している。2018年9月26日の日米首脳会談において,両国は共通のビジョンを確認し,第三国における具体的なプロジェクトにおける協力的な取組を強調した。
【エネルギー分野での進展】
・日米は昨年立ち上げた日米戦略エネルギーパートナーシップ(JUSEP)の枠組の中で連携しながら,100億ドル規模の官民による投資及びキャパシティ・ビルディング訓練という日本政府の目標と,米国の「エネルギーを通じたアジアの開発と成長の促進」(アジア・エッジ)イニシアティブを協調させることにより,液化天然ガス(LNG)供給プロジェクトやLNGインフラ建設プロジェクトに高水準の投資を促す意図を有している。
・2018年10月24日,日米は第2回JUSEP会合を開催し,インド太平洋及びアフリカにおける具体的な活動を追求することにより,開かれた競争力のあるエネルギー市場の推進,企業間連携の促進及び国をまたぐエネルギー分野の連結の実現にコミットした。
・2018年11月13日,日本の経済産業省及び文部科学省並びに米国の商務省(DOC)及びエネルギー省(DOE)は,原子力分野における研究開発及び産業協力に関する協力覚書を発表した。
・経済産業省,海外産業人材育成協会(AOTS)及び米国貿易開発庁(USTDA)は,東南アジア諸国の職員に対するLNGバリューチェーン訓練プログラムにおいて協力している。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)及びDOEもまた,インド太平洋諸国に対するLNGバリューチェーン訓練プログラムにおいて協力している。
【持続可能な融資】
・2018年11月12日,国際協力銀行(JBIC),米国海外民間投資公社(OPIC),豪州外務貿易省(DFAT)及び輸出金融保険公社(Efic)は,質の高いインフラを生み出し,連結性を強化させ,持続可能な経済成長を促進するインド太平洋における投資プロジェクトを促進するために覚書に署名した。
・国際協力機構(JICA)及びOPICは,2018年9月21日に,発展途上国における民間投資向けの協調融資オプションの枠組を提供するための協力の覚書に署名した。
・日米は,JUSEPを通じてJBIC及び日本貿易保険(NEXI)の第三国向けLNGプロジェクトに対するファイナンスのための優遇条件を活用している。
・JOGMECは,日本企業が当該プロジェクトからLNGをオフテイクする権利を有することを条件として,LNG液化施設を対象としたファイナンス・スキームを改善した。
【民間部門における協力】
日米の民間企業は,以下を含む,インド太平洋地域における具体的なプロジ ェクトで協力している。
・JBICとNEXIがファイナンスを決定したインドネシアのジャワ1Gas-to-Powerプロジェクト
・日米の民間部門により調整されているバングラデシュのLNG to Powerプロジェクト
・日米の民間部門により調整された日本・グアム・豪州間光海底ケーブル事業
【スタンダードの設定】
日米・は,G7,G20及びAPECのような国際フォーラムにおける質の高いインフラの国際スタンダードを促進するべく共に取り組んでいる。来たるAPEC会議において,両国はインフラ投資に関するAPEC初の具体的指針を含む「APECインフラ開発・投資の質に関するガイドブック」の改訂に関するコンセンサス形成のために協力する。
・2018年11月1日,日米は経済・構造政策分野作業部会を開催し,透明性,マーケットベースの資金供給,インフラの開放性及び債務持続可能性の原則に根差したインフラ投資を促進することにコミットした。
・2018年7月23日及び24日に開催された第9回インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話において,日米は自由で開かれたインド太平洋を支えるデジタルインフラを含む,第三国におけるインフラについて協力することにコミットした。
・国際的な公共調達のベスト・プラクティスを推進するため,経済産業省とUSTDAは,日本の質の高いインフラパートナーシップ及びUSTDAのグローバル調達イニシアティブの下,インド太平洋地域の第三国における訓練プログラムを提供するために協力している。