データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 開発分野における日EU協力

[場所] 
[年月日] 2019年9月27日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文] 

 日本及びEUは,定期的な日EU開発政策対話を通じ,開発分野における協力を促進してきた。日EU戦略的パートナーシップ協定(SPA)や新たな「持続可能な連結性及び質の高いインフラに関する日EUパートナーシップ」は,共有する関心分野において一層の協力を追求するための更なる弾みとなる。

日EU協力の例

 アフリカにおいて,日本及びEUはそれぞれ補完的なプロジェクトを実施している。一例は,日本が支援する西アフリカ「成長の環」マスタープランと,同マスタープランに資するEUが実施中の複数のプロジェクトである。これらのプロジェクト以外にも,アフリカで実施中の様々なプロジェクトを通じ,日本及びEUは以下の分野での協力を推進している。

 運輸: 道路・橋・交差点・立体交差・バイパス・港湾設備の建設及び修繕。運輸マスタープランの策定。

 エネルギー: 再生可能エネルギー及びエネルギー効率向上を含む,発電・送電・配電能力向上。

 市場統合・税関: 貿易円滑化及び税関能力構築。

 太平洋地域において,太平洋島嶼国が直面している特別な課題と脆弱性に細心の注意を払いつつ,以下の分野における開発協力の取組を通じて,日本及びEUは,地域の連結性と持続可能な開発に貢献している。

 海洋: EUによる海洋技術協力センター(MTCC-Pacific)の設立と,日本による港湾管理広域アドバイザーの派遣。

 海洋資源管理: 日本によるIUU(違法・無報告・無規制)漁業と海洋資源の適切な管理に関する技術協力コースの実施と,EUによる太平洋EU海洋パートナーシップ(PEUMP)の創設。

 廃棄物管理: 日本及びEUによる廃棄物管理に関する各種地域プログラム。

 持続可能なエネルギー: 日本及びEUによる持続可能なエネルギーに関する各種地域プログラム。

今後の協力の深化

 日本及びEUは他の地域や分野における一層の協力を探求する。

 さらに,日本及びEUは,持続可能な開発のための2030アジェンダの実施のために多様なステークホルダーから資金を動員する喫緊の需要があるとの認識の下,双方の努力を強化することに取り組む。

 加えて,2019年9月に署名された国際協力機構(JICA)と欧州投資銀行(EIB)との間の協力覚書(MoU)は,プロジェクトへの協調投融資及び技術協力並びに技術支援の協調を通じたものを含む,今後の協力のための更なる広がりを提供する。

 日本及びEUは,2020年のなるべく早い時期に開催される次回開発政策対話において双方の野心を前進させていくことを期待する。

(了)