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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] G20 デジタル経済大臣会合 成果文書及び議長総括

[場所] インド・ベンガルール
[年月日] 2023年8月19日
[出典] デジタル庁
[備考] 
[全文] 

前文

1. 我々、G20デジタル経済担当大臣は、2023年8月19日にベンガルールで会合を開き、デジタル変革とインクルージョン、デジタルスキリング、デジタル経済におけるセキュリティについて議論を深めた。

2. 我々は、実現可能で、包摂的で、オープンで、公平かつ非差別的で、安全なデジタル経済を創出することの重要性を認識する。デジタル経済の文脈において、適用可能な法的枠組みを尊重する。また、我々は、COVID-19パンデミックによってもたらされた無数の課題に取り組む上で、世界がデジタル技術によって果たす重要な役割と、デジタル経済の潜在力を引き出すために、人権を尊重し、適切に設計された、包摂的で、安全安心で、信頼性があり、強靱で、持続可能かつオープンで、相互運用可能なデジタルシステムを開発・展開するための技術的・財政的能力が多くの国で不足していることを認識する。それゆえに、我々は、デジタル化のさまざまな課題に対応し、その機会を活用するために、プライバシーとデータを保護し、包摂的で持続可能な、開発志向かつ人間中心のアプローチを採用することの重要性を認識する。

3. 我々は、ジェンダー間のデジタル格差を含むデジタルデバイドが、全ての国、特にLDC(LeastDevelopedCountries:後発開発途上国)にとって大きな課題であることを認識する。我々は、過去のG20議長国において実施されたデジタルデバイド解消に向けた議論に基づき、全ての人々、特に十分なサービスを受けていない脆弱な立場にある人々のための包摂的なデジタル化の加速が喫緊の課題であることを再確認する。

4. 我々は、持続可能で高性能、安全かつ強靭なデジタルインフラに基づく、高品質なデジタル接続の利用可能性とアクセシビリティが、将来的に極めて重要であることを認識する。長年にわたるG20の成果を踏まえ、我々は、接続性の差異を埋めるというコミットメントを再確認し、全ての人々に普遍的かつ安価なアクセスを促進するという目標を奨励する。我々は、ユニバーサルコネクティビティに向けた世界的な取組を歓迎する一方で、経済成長を促進し持続可能な開発をするために、ユーザーエンパワーメントにより、インターネットの恩恵を最大化することで、接続性をより有意義なものにすべく、協力して取り組むことを目指す。

5. 我々は、アクセス可能で、包摂的かつ安全安心なデジタルシステムが、将来の経済を牽引し、成長、イノベーション、教育、持続可能な開発を促進する可能性を有していることを認識する。また、我々は、デジタル経済におけるセキュリティの重要性を再確認し、デジタルスキリングの取組がデジタル経済の成長を加速させることを認識する。

A. デジタル・インクルージョンと変革のためのデジタル公共インフラ

6. 議長国であるインドのイニシアティブの下、我々はデジタル公共インフラ(以下、DPI)とは、安全で相互運用可能であるべきであり、オープンなスタンダードと仕様に基づいて構築され、社会規模で公共サービスや民間サービスへの公平なアクセスを提供し、開発、包摂、革新、信頼、競争を促進し、人権と基本的自由を尊重するために、適用可能な法的枠組みと実現可能なルールによって管理される一連の共有デジタルシステムであると認識する。デジタル変革に対するG20メンバー国の多様なアプローチを考慮すると、DPIは発展途上の概念であり、これらの特徴を持つデジタルシステムに限定されるものではなく、特定の国の状況に合わせて調整されることも、別の用語で参照されることもありうることを認識する。

7. DPIのような有意義な接続性は、人間中心で、開発志向で、持続可能で、拡張性があり、安全で、アクセス可能で、包摂的なデジタルシステムを強化することができる。DPIは、技術の進歩によって官民双方のサービス提供を変革できる共有技術インフラを提供することで、デジタルトランスフォーメーションへの有望なアプローチを提供する。COVID-19パンデミックの際、DPIは革新的な官民双方のソリューションを通じて、より容易なアクセスとサービスの提供を可能にし、その有効性を実証した。DPIを開発、展開、管理する際には、人権を尊重し、個人情報、プライバシー、知的財産権を保護する安全で包摂的なアプローチを優先することの重要性に留意する。そのためにも、DPIの安全性、確実性、信頼性、説明責任、包摂性を確保しようとするガバナンスの枠組みと制度的能力の重要性を認識する。我々はまた、DPIが有意義な接続性を促進し、持続可能な開発のための2030アジェンダの実施と持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取組を加速させる上で果たすことができる役割についても認識する。

8. 我々は、DPIが提供する機会を十分に活用し、低中所得国(LMICs:Lower and Middle Income Countries)を含む他の国々への参考とするために、G20内外でDPIの開発と展開における国内の経験と知見を共有することの重要性を強調する。このため、我々は、DPIの開発、展開、ガバナンスのための自主的に提案された枠組みである「デジタル公共インフラのためのG20の枠組み」を歓迎する。この枠組みは、強固かつ包摂的、人間中心で持続可能なDPIを構築するための原則の提案とともに、技術だけでなく、ガバナンスやコミュニティを含む技術以外の要素も含む。また、この枠組みは、G20メンバー国やその他の国々に対し、DPIに対する技術やアプローチの選択に柔軟性を与えていることにも留意する。我々は、適用される法的枠組みに従い、適切なレベルのプライバシー及びデータ保護を確保することの重要性を確認する。我々は、デジタルID、デジタル決済システム、および適切な同意に基づくデータ共有システムなど、国内目的のためのDPIのいくつかの基本を認識しており、これらはそれぞれ、確実な本人確認、迅速かつ信頼できる決済、およびシームレスなデータ/情報の交換を可能にする。また、健康、農業、製造業、教育などの分野を横断する基盤層としても機能する。

9. 我々はオープンソースソフトウェア、オープンアプリケーションプログラミングインタフェース(API)、そしてそれらをサポートするオープンスタンダードを含む全ての標準をDPIの観点から推進し、国境を越えた相互運用性を長期的な目標として、異なるDPIシステムの通信を可能にすることの重要性を確認する。我々は、適用される法的枠組みを尊重しつつ、データの越境移転と信頼性のある自由なデータ流通を実現することの重要性を再確認する。この文脈で、開発に果たすデータの役割を再確認しつつ、インド議長年に開発作業部会が実施した作業を強調する。

10. 我々は、低中所得国(LMICs)におけるDPI導入に対する需要と資金調達の高まりを認識し、進捗と影響の適正なモニタリングを確保しつつ、協調的かつ自発的な資金調達と技術支援による包括的なマルチステークホルダーアプローチの必要性を認識する。また、適切な保護措置、持続的な資金調達、技術支援の欠如により、DPIの整備が不十分となり、データ漏洩やプライバシー侵害、個人データへの不適切かつ制限のないアクセス、知的財産権の侵害、セキュリティリスクなど、さまざまなリスクにつながる可能性があることも認識する。このような観点から、我々は、グローバルなマルチステークホルダーアプローチを採用し、低中所得国(LMICs)において、強固で、包摂的、人間中心かつ持続可能なDPIを実施するため能力を構築すること、そのための技術支援と適切な資金援助を提供する必要性を強調する。この観点から、我々はインド議長国により提案された One Future Alliance (OFA)、すなわち政府、民間、学術・研究機関、ドナー機関、市民社会組織、その他関連するステークホルダーを結集し、DPIのエコシステムにおける世界的な取組を相乗的に促進することを目的とした自発的なイニシアティブかつ、既存のメカニズムも活用することができる議論を強調する。

11. DPIに関する情報や知識の共有に差異があることは認識している。この差異を埋めるために、我々は、現在進行中の取組を強化し、既存のレジストリを基に構築することを推奨する。これに向けて、我々は、G20メンバー国やそれ以外の国々が自発的に共有するDPIのバーチャルリポジトリである Global Digital Public Infrastructure Repository (GDPIR)を構築し、維持するというインドの計画を歓迎する。このリポジトリは、各国の関連ツールやリソースを含むDPIの開発・展開の実践と経験を共有することを目的とする。

B. デジタル経済における安全性、セキュリティ、強靱性および信頼性の構築

12. デジタル経済の著しい成長と、安全性、信頼性、確実性、強靱性の推進およびプライバシーとデータ保護の必要性に鑑み、我々は、デジタル経済におけるセキュリティが、全ての国や利害関係者にとってますます優先される事項となっていることを確認する。

13. 2017年のドイツG20議長国の下で、我々は信頼性とセキュリティがデジタル経済の潜在力を活用するために不可欠であることを認識した。これらの価値は、アルゼンチン、日本、サウジアラビアのG20議長国下でそれぞれ2018年、2019年、2020年に再確認された。さらに、2020年のサウジアラビアG20議長国と2021年のイタリアG20議長国の間で、我々は、デジタル経済におけるセキュリティが持続可能な開発と成長を促進する重要な要因であることを認識した。我々は2022年のインドネシアG20議長国の下で、事業の継続性を支援するための重要な促進要因としてのデジタルセキュリティに関する既存の取組について議論を継続した。

14. 我々は、デジタルな解決策が、保健、金融、教育、製造、公共サービス及び公共事業、その他経済の重要なセクターにおけるサービス提供の主要な促進要因となっていることを認識する。デジタル経済における安全性、セキュリティ、強靱性と信頼性は、デジタル変革を推進し、デジタル変革がもたらす機会を効果的に利用し、様々な課題に対処するために不可欠である。

15. 我々はまた、セクター及び国境を越えたグローバルな相互連結性及びデジタル上の従属関係が、単独の主体だけ対処できない可能性のあるデジタル経済に関連する共有のセキュリティリスクを生み出す可能性があることを認識する。デジタル経済には複層的なレイヤーがあるため、いずれかのレイヤーでの侵害やインシデントが、経済全体の機能を混乱させる可能性がある。デジタル環境には国境が無いという性質があるため、G20メンバーとそれ以外の国々が、安全性、信頼性のある、強靱なデジタル環境の実現に向けた方法と優良事例を共有することが重要である。

16. 我々は、デジタル経済に対するセキュリティ上の脅威を防止し、軽減することは、これらの脅威を理解し、予測し、準備し、対処するための関係者の能力に依存することを認識する。したがって、我々は、デジタル経済における中小零細企業(MSMEs)を含む事業の継続性のためのセキュリティリスクマネジメントについての共通の理解を深めるよう努力する。この目的のため、我々は、G20メンバー国によって開発・実装されている慣行、戦略及びツールを活用した、拘束力のない「デジタル経済における安全性、セキュリティ、強靱性、信頼性の構築における事業者支援のためのG20ハイレベル原則(付属書2A)」を歓迎する。この原則は、セキュリティ、能力構築、マルチステークホルダー協力の文化を促進し、研究開発を支援することによって、デジタル経済の強靱性の強化に務める。

17. 我々は、デジタル経済に関連する潜在的なリスク及びそれらが社会、特に子ども及び若者に与える影響を認識する。デジタル環境は、子どもと若者が創造性を探求し、学習体験を向上させ、協働するための新たな道を開くものであることを考慮し、我々は、デジタルツールとデジタルサービスへのアクセスの増加が、ネットいじめやグルーミング、子どもの性的虐待や搾取、個人データやプライバシーに関するリスクなど、子どもたちが特に陥りやすいさまざまなリスクにさらされる機会が増える可能性があることを認識する。我々はまた、女性と少女が、ジェンダーに基づく暴力を助長する技術の影響をより深刻に受けていることを認識する。2021年には、イタリアのG20議長国下で、「デジタル環境における子どもの保護とエンパワーメントのためのハイレベル原則」を採択した。我々は、デジタル環境における子ども及び若者の最善の利益の保護及び人権の尊重を含む、デジタル・エコシステムにおける子ども及び若者の保護及びエンパワーメントのためのサイバー教育及びサイバー意識が、引き続き我々の主要な優先分野の一つであることを再確認する。

18. 我々は、国連の児童の権利条約の重要な役割と、子どものプライバシー及び個人データを尊重し、子どものプライバシーと個人情報を保護するための政府の努力を促進する、異なる管轄権にわたってオンライン上の安全に対処するための包括的で人間中心のアプローチを発展させる必要性に関する認識を示した、インド議長国の「G20児童と若者のサイバー教育・サイバー意識に関するツールキット」(付属書2B)*1*を歓迎する

C. 将来のグローバルな労働力確保のためのデジタルスキリング

19. 我々は、社会、経済、労働者の間のデジタルスキルギャップの拡大は、デジタル経済にとって破壊的であり、特に女性及び女児にとって、デジタルデバイドを拡大する結果となりうることを認識している。従って、我々は、スキリング、リスキリング、アップスキリング及びその他の能力開発イニシアティブを通じて、男女間のスキル格差を含むデジタルデバイド及びスキルギャップへの対応に焦点を当て、デジタルスキル及びデジタルリテラシーを促進するための共同の取組を強化することを決意する。この観点から、我々は、2016年中国、2017年ドイツ、2018年アルゼンチン、2022年インドネシアのそれぞれのG20議長国によりなされた取組への支持を再確認する。2023年インド議長国は、インドネシアが提案したツールキットの第4の柱、すなわちデジタル経済における「雇用」を土台としている。

20. 男女平等な労働力と、基礎から応用までのデジタルスキルの習得を支援することは、包摂的で持続可能な開発を促進する鍵である。特に十分なサービスを受けていない集団や脆弱な立場にある人々のための、包摂的な教育、研修プログラム、その他の学習機会を設計・促進することは、デジタルスキルギャップの是正に貢献し得る。従って、我々は、関連するスキルセットを特定し、求職者、雇用主、教育・研修機関、市民社会の関係者の間の情報格差を埋める重要性を認識している。

21. デジタル技術があらゆる仕事に必要なスキルを変えつつあることを踏まえ、我々はは、関連する技術的スキルと社会情緒的スキル、つまり横断的スキルに関する労働者のアップスキリングとリスキリングの必要性を認識している。デジタル時代は、人間中心でプライバシーに配慮した設計、開発、そしてこれらの技術利用を実現するスキルを労働者に身につけさせることを必要としている。そのため、我々は、デジタルアップスキリング及びリスキリングプログラムの設計と実施のための指標となる戦略を概説した「デジタルアップスキリング及びリスキリングプログラムの設計と導入のためのG20ツールキット」(付属文書3A)*2*を歓迎する。このツールキットはさらに、スキリング、アップスキリング、リスキリングに関連する数多くのグッドプラクティスを特定し、将来の労働力確保に向けた戦略のより良い評価と改善を助けるリソース として機能する。

22. 我々は、多くのG20メンバー国がスキル、職業、専門資格、または職務に基づく分類法や資金枠組みを確立していることを認識している。しかしながら、G20アルゼンチン議長国下(2018年)において確認されたように、国家間の比較を可能にするスキル、能力、技量の測定方法は普及していない。したがって、我々は、より広範な人材を活用し、デジタルスキルを有する労働力の需給ギャップを解消するために、国境を越えたデジタルスキルに関する共通理解が必要であると認識している。したがって、我々は、デジタルスキルの各国間比較を促進するためのG20ロードマップ(附属書3B)を歓迎する。このロードマップは、G20内外で職務、デジタルスキル及び関連資格の共通理解を持つことを可能にすることを目指す一連の広範囲な工程を示すものである。

23. 自主的な関与に基づき、我々は、デジタルスキリングイニシアティブ、職業能力基準、スキル分類法、専門資格、スキル資格、需供ギャップに関する研究-特に、デジタルスキルに関する、関連情報を交換し、関心のある国のアプローチから学ぶことを促進することを目的としたもの-に関するグッドプラクティスのリポジトリとして、ユネスコが設立・運営する、バーチャルなセンターオブエクセレンス(CoE)を発展させるという議長国インドの提案の価値を認識している。

D. 地政学的課題

24. 今年、我々はウクライナでの戦争が世界経済に深刻な影響を与えている状況を目の当たりにした。この問題についても議論が行われた。我々は、国連安全保障理事会や国連総会を含む他の場で表明された我々の国家的立場を改めて表明した。国連総会は、2022年3月2日の決議ES-11/1号において、賛成多数(賛成141、反対5、棄権35、欠席12)で採択されたとおり、ロシア連邦のウクライナに対する侵略を最も強い言葉で非難し、ウクライナ領土からの完全かつ無条件の撤退を要求している。ほとんどの国連加盟国は、ウクライナでの戦争を強く非難し、この戦争が甚大な人的被害を引き起こし、世界経済における既存の脆弱性を悪化させていることを強調した。状況や制裁措置に対する見解や評価はさまざまであった。G20は安全保障問題を解決する場ではないことを認識しつつも、安全保障問題が世界経済に深刻な影響を及ぼす可能性があることを認識している。*3* *4*

25. 平和と安全を保障する国際法と多国間システムを守ることは不可欠である。これには、国際連合憲章に謳われている全ての目的と原則の擁護、武力紛争における民間人と社会基盤の保護を含む国際人道法の遵守が含まれる。核兵器の使用やその脅威は容認されない。紛争の平和的解決、危機への取組、外交や対話は不可欠である。今を戦争の時代にしてはならない。

結語

26. 我々は、デジタル公共インフラ、デジタル経済におけるセキュリティ、デジタルスキリングに関する我々の議論と成果が、全ての人々の人権、プライバシー、個人情報保護の尊重を促進し、持続可能な開発のための2030アジェンダの実施と持続可能な開発目標の達成に貢献する、包摂的で持続可能なデジタル経済を構築するための我々の努力を前進させるものであることを確認する。

27. インド議長国の下、G20デジタル・エコノミー作業部会(DEWG)にご貢献をいただいたG20メンバー国および招待国の皆様に感謝する。また、成果達成に向けて貴重なご意見をいただいた国際電気通信連合(ITU)、経済協力開発機構(OECD)、国連開発計画(UNDP)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、世界銀行グループ (World Bank Group)などのナレッジパートナーにも感謝する。

28. ブラジルは、G20の次期議長国として、全ての人々のためにデジタル経済の潜在力を最大限に活用し、人々の生活を向上させ、デジタルデバイドを解消するという基本的な目標を掲げ、包摂的で持続可能な、開発志向かつ人間中心のアプローチを引き続き推進するために、過去の議長国としての成果を積み上げていくことを期待している。従って、我々は、ブラジルが普遍的で有意義な接続性、AI、デジタル環境における情報の完全性と信頼性、デジタル政府というテーマで取り組む計画を歓迎する。

29. 我々は、今回の閣僚会合の成果が、G20デジタル経済にとって有用なリソースとなることを期待する。我々はまた、次なる議長国の活動に積極的に貢献し、グローバル・デジタル・エコノミーの利益実現のために総力を挙げて取り組んでいく意向である。

{*1* 「G20児童と若者のサイバー教育サイバー意識に関するツールキット」は、G20インド議長国によって作成されたものであり、インド議長国によって配布されたサイバーセキュリティに関する質問書に対するG20メンバー国および招待国からの応答に基づいている。付属書2Bには、このツールキットの概要が記載されている。}

{*2* 「デジタルアップスキリングおよびリスキリングプログラムの設計と導入のためのG20ツールキット」は、インドG20議長国によって作成されたものであり、インド議長国から配布された「デジタル・スキリングに関する質問書」に対するG20メンバーおよび招待国からの応答に基づいている。付属書3Aには、このツールキットの概要が記載されている。}

{*3* ロシアは、地政学的なパラグラフ24を含めることはG20の権限に合致しないとして拒否し、パラグラフ24が議長総括であることを認識する。ロシアは、残りの文章に同意する。}

{*4* 中国は、G20DEMM(デジタル経済大臣会合)は地政学的な問題を議論する適切な会合ではないとし、地政学に関連する内容が含まれることを支持しないと述べた。}