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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日中韓外相三者委員会共同プレス宣言

[場所] 中国青島
[年月日] 2004年6月21日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

1.第1回日中韓外相三者委員会は、2004年6月21日、中国の青島で開催された。代表団長は、それぞれ川口順子日本国外務大臣、李肇星中華人民共和国外交部長、潘基文大韓民国外交通商部長官が務めた。

2.三者委員会は、昨年10月にインドネシアのバリで行われた日中韓首脳会合において発出された歴史的な共同宣言に基づき立ち上げられた。三国の首脳は三者委員会に対し、三国間の協力活動について研究し、企画し、調整し及びモニタリングし、進捗報告書を毎年の三国首脳会合に提出する権限を与えた。

3.三国の外相は三者委員会のあり方を決定し、三者委員会は少なくとも年一回、三国のいずれかにおいて開催され、開催地は持ち回りとする原則を確認した。また、会合毎の議題に照らして適切な場合、三者委員会の代表団に外交当局以外の関連当局のメンバーも含み得ることを確認した。三者委員会の決定は全会一致で行うことを確認した。また、協力のさらなる促進のため、三者プロセスの将来のあり方について検討することを確認した。

4.三国の外相は、三国間協力の進展を再検討し、三国間協力の将来の方向性を議論した。三国の外相は、必要に応じて三国の関連当局の関与を得つつ、共同の作業を行った上で、「三国間協力に関する行動戦略(Action Strategy on Trilateral Cooperation, ASTC)」を作成し、次の三国首脳会合に提出することとなった。「三国間協力に関する行動戦略」は、首脳共同宣言において首脳によって特定された14分野における三国間協力を推し進めるためにとるべき措置の外枠を示すこととなる。

協力の進展を再検討するにあたり、三国の外相は、三国の研究機関で現在行われている三国間自由貿易協定(FTA)に関する研究を評価し、今後もこれに関心を払い続けることを確認するとともに、現在首脳への報告を作成中である三国間投資取決めに関する共同研究グループの作業を奨励した。また、三国の外相はエネルギー協力の重要性を強調した。

5.三国の外相は、東アジアの地域協力における現在の進展を視野に入れつつ、他の地域パートナーとの連携に関する意見交換を行った。三国の外相は、ASEANとの協力を更に促進する重要性を強調し、ASEAN+3の協力に関連して、三国間での調整を強化する必要性を認識した。この文脈で、三国の外相は、ASEAN+3プロセスにおけるASEAN側の指導的役割を尊重することを再確認した。三国の外相は、また、他の地域パートナーとの協力の必要性についても議論した。

6.三国の外相は、現在の地域及び国際情勢、とりわけ朝鮮半島の核問題及びイラク問題について意見を交換した。

7.三者委員会の次回会合について、三国の外相は、外交ルートを通じて日時及び開催地を調整することを決定した。三国の外相はまた、2004年11月にラオスで行われる首脳会合に向けた準備を十分に行うため、局長レベル、或いは他のレベルでの会合、並びに外交ルートを通じ、三国間の緊密な調整と意思疎通を図っていくこととした。