データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 持続可能な開発に関する共同声明

[場所] 北京
[年月日] 2009年10月10日
[出典] 外務省
[備考] 外務省仮訳
[全文]

中華人民共和国、日本国及び大韓民国の首脳は、2009年10月10日に中国・北京で開催された第2回日中韓サミットにおいて、

 2003年10月7日の「日中韓三国間協力の促進に関する共同宣言」及び2008年12月13日に採択された「三国間パートナーシップに関する共同声明」及び「日中韓三国間協力推進のための行動計画」の三か国による実施状況の進展を満足の意をもってレビューした。

 地域及び国際社会にとって平和で繁栄し持続可能な未来を創造することについての共有されたビジョンと責任を再確認した。

 持続可能な開発はすべての国の生存と開発、及び、世界の平和と安定にかかっており、国際金融危機を克服し経済回復を推進する活発な措置をとる一方で、三か国はグリーン経済、社会・経済システム及び自然・生態システム間の好循環の形成、経済成長と社会開発のバランスの推進、持続可能な開発の実現に努めることを強調した。

 特にグリーン経済を発展させるため、互恵とウィン・ウィンの結果を追求するとの精神の下、以下の分野における協力を強化することを決意した。

●第11回三か国環境大臣会合において指定した10の環境優先分野、たとえば生物多様性保護や環境意識等をエンドースし、2010年の第12回三か国環境大臣会合で採択される共同行動計画の策定を奨励し、協力を円滑にする実際的な措置をとり、持続可能な環境管理を一層進める。

●リデュース、リユース、リサイクルの精神の下、日中韓循環経済モデル拠点の設立を探求し、資源節約、環境配慮型の産業構造、成長パターン、消費様式を推進するために、共同で努力する。

●日中韓共同研究協力プログラムを推進し、多様な交流と協力を進め、科学技術の発展と革新を地域共通課題の解決及び経済開発のエンジンにつなげる。

●気候変動に適応した総合的河川・水資源管理に焦点を当てる水資源担当閣僚級会合を適切な時期に立ち上げる。

●持続可能な森林管理や野生生物保護における協力を推進し、人と自然の調和ある発展に協力する。

●クリーンなエネルギーやエネルギー効率の向上を通じ持続可能な発展を推進することを目指し、エネルギー協力に関する国際枠組みにおいて緊密に協力し共同努力を主導する。

●農業における三国間協力を探求する。

●国連気候変動枠組条約の諸原則、特に、共通に有しているが差異のある責任の原則、に沿って、2013年以降の実効性のある気候変動に関する国際協力に係る枠組みの構築を含めた、コペンハーゲン会合の成功に貢献するべく、強化された対話を通じて三国間で緊密に協力する。

 我々は、三か国及び地域における持続可能な開発に向け不断の努力を行う。