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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本国、中華人民共和国及び大韓民国の政府の間の三者間協力事務局の設置に関する覚書

[場所] 済州島
[年月日] 2010年5月30日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文]

 日本国、中華人民共和国及び大韓民国の政府(以下「三者」と総称する。)は、

 1999年の日中韓協力の立ち上げ以来、三箇国の共通の利益が継続して拡大し、様々な分野における協力が促進され、及び対話の仕組みが更に広がっていることを認識し、

 三箇国の間で17の閣僚会合並びに50以上の交流及び対話の仕組みが存在していることから、過去10年間の進展を基礎として、三者間協力が効率的で、規律され、秩序があり、かつ組織化されたものとなるよう進めていくために、様々な分野において三者間協力を計画し、及び調整する必要が生じていることに留意し、

 2010年5月30日に大韓民国の済州で開催された第3回三箇国首脳会談において共同で決定したとおり、三者間の協力案件を効率的に促進し、及び運営するための事務局を設置することを希望して、

 次のとおり決定した。

1. 三者間協力事務局(以下「事務局」という。)は、2011年に大韓民国に設置される。この点に関し、三者は、この覚書への署名後、国際約束を速やかに作成するよう努力する。

2. 事務局は、三箇国首脳会議、三箇国外相会議、その他の閣僚会議及び三箇国外務高級実務者協議等の三国間の協議の仕組みを運営し、及び管理するための支援を提供すること、並びに協力案件の探求及び実施を促進することにより、三者間の協力関係の一層の促進に寄与することを目的とする。

3. 2.にいう目的を達成するため、事務局は、次の任務及び活動を遂行する。

(a) 三箇国首脳会議、閣僚会議及び外務高級実務者協議等を含む三国間の協議の仕組み(以下「協議の仕組み」という。)の運営及び管理に対して事務的及び技術的な支援を提供し、主要な三国間の会議に出席し、並びに三者及び、必要に応じ、他の国際機関、特に他の東アジアの協力のための仕組みとの連絡を維持すること。

(b) 三者間の潜在的な協力案件を探求及び示し、並びに採択するために関連する協議の仕組みにこれらの案件を報告すること。

(c) 三者間の協力案件を評価し、報告書案を作成し、すべての文書をデータベースに収集し、及び承認を得るために進捗報告を三者委員会に提出すること。

(d) 三者間協力に関連する重要事項についての研究を実施し、事務局のウェブサイトを運営し、及び三者間協力についての理解を促進すること。

4. 事務局は、三者により委任された任務及び活動を遂行し、並びに三者の監督の下に置かれる。

5. 事務局は、一名の事務局長、二名の事務局次長及び数名の職員から成る。

(a) 事務局長は、大韓民国、日本国、中華人民共和国の順の輪番制とし、三者のそれぞれにより指名された三名の職員の中から三箇国外相会議において任命され、事務局を代表する。

(b) (a)の指名された者であって、事務局長に任命されなかったものは、三箇国外相会議において事務局次長に任命される。

6. 韓国側は、事務局の運営のための場所を提供し、及び手配する責任を有する。事務局の事務及び運営に関する事項(その運営のために生じる経費を含む。)については、三国間の協力の精神の下、国際約束に関する交渉の過程において決定される。

7. 事務局の常用語は、英語とする。

 2010年5月30日に大韓民国の済州で、英語により作成された原本3通に署名した。

日本国政府代表

中華人民共和国政府代表

大韓民国政府代表