[文書名] 心を合わせて助け合い,すばらしい未来を共に築こう−−程永華中日大使が第四回中日韓首脳会議について「日本経済新聞」への寄稿
2011年5月20日、程永華駐日中国大使は温家宝首相が第四回中日韓首脳会議に出席することについて「日本経済新聞」に寄稿しました。本文は次の通りです。
第4回中日韓首脳会議が21日から22日まで東京で開催されます。中国の温家宝首相、日本の菅直人首相と韓国の李明博大統領が中日韓協力の強化や共通の地域・国際問題を話し合います。
会議は東日本大震災直後の特殊な背景下で開かれます。日本の国民が3月11日の大地震と津波で大きな被害を受けたことを、中国国民はわが事のように考えています。来日中、温家宝首相は被災地を見舞う予定です。首相は日本国民に中国国民の友好的な気持ちを伝え、震災復興への心からの支援を表明します。私は日本が必ず一時的困難を克服し、新たな発展を実現すると信じています。
大地震は日本に大きな破壊をもたらし、中韓にも影響を与えました。重大な自然災害は一国の災難ではすみません。隣国として中日韓の災害防止・救助・軽減と災害復興や原子力安全などの協力を強化することが、3カ国の共通認識となり、首脳会議の重要議題になりました。中日韓は経験の交流と情報の共有を強め、災難と困難を前に互いに支え合い対応できるようにしなければなりません。今後災難が起きても、少しでも多く支援することで自信をもち希望をもてるようになることは間違いありません。
中日韓の協力は重要な歴史的節目にあります。過去数年、満足すべき進展がみられました。昨年、三国間の貿易と人の往来は金融危機前の水準を超え、「2020中日韓協力ビジョン」で提起された40余りの協力事業は推進されています。3カ国協力の制度化が強化され、協力事務局もまもなく開設します。首脳会議で経済、エネルギー、人文交流などの協力が推進され、3か国のパートナーシップが一段と高まり、地域の安定維持と調和したアジアの構築で重要な役割を果たすよう期待します。
次の段階で、中日韓は3つの面の協力を重点的に検討できると考えます。
第一は経済協力の深化です。中日韓が自由貿易圏を確立すれば3カ国の経済発展の原動力と持続可能性が強まり、地域経済の一体化が進むでしょう。3カ国の自由貿易協定(FTA)共同研究を加速し、交渉の早期開始へ条件を整えるべきです。
第二は新エネルギーの協力です。中日韓はエネルギーの対外依存度が高くエネルギー安全保障に関心を寄せています。新エネルギーはニューエコノミーの「血液」です。新エネルギーの開発はエネルギー安保に役立ち、ニューエコノミーでの競争力向上にも役立ちます。3カ国は協力を通じて北東アジアを世界の新エネルギー研究・開発と利用の重要な地域にすべきです。
第三は地域協力の推進です。中日韓は地域・世界経済の重要な構成部分です。私たちは「開かれた地域主義」をとり、協力に開放性、透明性を保っています。中日韓三国は東南アジア諸国連合(ASEAN)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)などのパートナーと一緒に、地域協力を積極的に進め、地球規模の問題に共同で対応し、3国間協力で地域のすばらしい未来を共に築かなければなりません。