[文書名] 経済・貿易協力に関する共同声明
我々、大韓民国、日本国及び中華人民共和国の首脳は、経済貿易における3国間協力の強化は、3カ国の持続可能な発展及び共通の繁栄並びに3カ国の国民の福祉に必要不可欠であるという見解を共有した。
我々は2015年10月30日に開催された第10回日中韓経済貿易大臣会合及びその実りの多い結果を歓迎した。
我々は、相互に支え合っている経済構造及び相互に発展を持続させていくことが可能な高い潜在力を活用することにより、経済貿易分野における協力の一層の強化及び高度化を行う。我々は、WTO、G20、APEC等の主要な国際枠組みにおける強固な3カ国協力を強化するために更なる努力をする。特に、我々は、WTOに対する強固なコミットメントを再確認し、2015年12月15〜18日にナイロビで開催される第10回WTO閣僚会議(MC10)の成功を期待し、MC10における具体的かつ意味があり、バランスの取れた発展志向の結果の達成に貢献することを強くコミットする。
我々は、7月に情報技術協定(ITA)拡大交渉の対象品目に合意したことを歓迎し、MC10までに拡大ITA協定に最終的に合意をする強いコミットメントを改めて表明した。我々はまた、環境物品交渉における最近の進展を歓迎し、更なる進展を追求することに合意した。
保護主義的政策が成長を抑制することを認識して、我々は、「新規の保護主義措置の不導入」や「既存の保護主義措置の是正」を通じた、あらゆる形式の保護主義への対抗に向けた約束を再確認する。我々は、WTOの規定と整合的と考えられるとしても重大な保護主義的影響を及ぼす措置を最大限抑制していくこと、そのような措置が実施された場合には速やかに是正することに引き続きコミットする。
我々は、日中韓FTA及びRCEPが東アジアの経済統合に寄与することを認識し、日中韓FTA及びRCEPの交渉加速化に向けて更なる努力を行っていくとのコミットメントを再確認した。我々は、包括的で、高いレベルでありかつ互恵的なFTAを達成するため、日中韓FTAの顕著な進展に向けて協働する。我々は、また、包括的で、高い質かつ互恵的な協定を妥結するという目的の下、これまでに達成した顕著な進展を基礎として、RCEP交渉の加速化において先導的役割を果たす。
我々は、民間セクターにおける協力の促進を通じて、相互に有益な経済貿易環境を構築するために更なる努力を行う。これに関し、我々は、韓国全国経済人連合会、日本経団連及び中国国際貿易推進委員会の間の覚書がこのような協力に寄与することを確認した。
我々は、第4国市場における生産能力の向上に関する協力を強化することに合意した。我々は、
製造業及びサービス業の様々な分野において、第4国市場における3カ国の民間企業の間の協力が増加しているという認識を共有した。我々は、この点に関する協力強化のための企業努力を促進することを希望する。
我々は、3カ国間の「環黄海経済・技術交流会議」が成功裏に運営されてきたことを認識し、環黄海共同研究の早期の完成を期待している。我々は、3カ国の地方政府よる経済協力パートナーシップ及び産業団地協力の強化について議論を続けることについても合意した。我々は、地域交流を促進する地方の公的機関及び民間企業を表彰する「環黄海経済技術交流大賞」を歓迎した。
我々は、今後3カ国が開催地となる五輪大会、すなわち2018年平昌冬季大会、2020年東京夏季大会及び2022年北京大会の開催準備に関し、特に五輪に関連する科学技術、環境、文化、産業高度化などの分野において、情報交換や経済協力を強化する。
我々は、物流・流通協力は相互に有益で持続可能な発展を確保する上で必要不可欠であるという認識を共有した。この点に関し、我々は、3カ国間のサプライチェーン効率性向上に向け共同して取り組むため、日中韓三国協力事務局により実施される「サプライチェーン連結性向上のための三国間協力」共同プロジェクトを開始し、その調査に基づき、「サプライチェーンの改善に関する3カ国高級事務レベル会合」を設置することに合意した。
世界の知的財産制度の持続可能な発展及び安定を確保するため、我々は、知的財産協力を強化することに合意した。
我々は、電子商取引やビッグデータなどの「創造経済分野」における協力を強化する。新たな経済的価値の創造における電子商取引の重要性に照らし、我々は、地域大のデジタルシングルマーケットの創設は、3カ国全ての利益になりうるとの見解を共有した。
我々は、持続可能な発展及び経済成長において極めて重要な役割を果たす中小企業分野における協力を強化する。我々は、中小企業に関する3カ国間の協力の進展は、その発展に寄与するものであることを確認した。
我々は、「北東アジア標準協力フォーラム」の活動を通じた、標準の調和に関する研究や調和された国際標準規格の提案を含め、福祉用具、ヘルスケア、環境など新産業における標準化に関する協力を強化する。