データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] インドネシアにおける高齢者のための社会福祉サービスの増進に関するインドネシア共和国社会省と女性のためのアジア平和国民基金との間の覚書き

[場所] 
[年月日] 1997年3月25日
[出典] デジタル記念館 慰安婦問題とアジア女性基金
[備考] 
[全文]

1997(平成9)年3月25日

 インドネシア社会省(社会省)及び女性のためのアジア平和国民基金(基金)は、以下両当事者として言及され、インドネシアに「従軍慰安婦」として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた犠牲者が存在することを認識し、インドネシアにおける高齢者のための社会福祉サービスの改善を希望し、以下の通りに合意した。

第1条 目的

 インドネシアにおける高齢者のための社会福祉サービスの増進

第2条 実施

 1.インドネシアにおける高齢者のための社会福祉サービスの増進の実施を以下「事業」と言及する。

 2.社会省は、総額3億8千万円規模の「事業」を実施する。社会省は基金と協議して「事業」の実施のための年間計画を策定する。アジア女性基金は、右年間計画に従い「事業」を実施するために必要な資金を社会省に供与する。

 3.社会省は、元従軍慰安婦が存在すると考えられる地域において「事業が実施されることを確保する。「事業」は、女性を優先する形で実施される。

 4.社会省は基金から受領する資金の適正な管理及び使用を確保する。

第3条 報告及び協議

 1.社会省は、「事業」の実施を評価し、基金に年次報告を提出する,社会省は基金が要請するときは、基金からのオブザーバーを「事業」の施設に受け入れる。

 2.両当事者は、「事業」の実施に関し相互に協議する。

第4条 最終規定

 1.この覚書は署名の日に効力を生じる。

 2.この覚書は10年間効力を有する,いずれの当事者も終了日より6ヶ月以上前に書面により通告することによりこの覚書を終了することができる。

 3.この覚書の解釈及び実施につき生じた紛争は、両当事者間の協議又は交渉を通じ友好的に解決される。

 4.この覚書きは、両当事者の書面による相互の合意により必要な改訂ができる。1997年3月25日にジャカルタにおいて、英語により本書2通を作成した。

  社会省のために(署名)

  女性のためのアジア平和国民基金のために(署名)