[文書名] 安倍外務大臣のアフリカ支援緊急アピール
1) 私は,11月16日から21日までアフリカ諸国を歴訪したが,その際,旱魃による被災状況をつぶさに視察し,言語に絶する悲惨な状況に強い衝撃を受けた。
2) 今次視察では,私は,食糧関係援助のみならず食糧の貯蔵・輸送・水供給・農業開発等の分野での協力強化の必要性を痛感し,かかる観点から今次アフリカ訪問中,本年10月末までに決定した1億1,500万ドルの食糧関係援助に加え,59年度内に約5,000万ドルの食糧・農業関係援助を実施するとの意図を表明した。しかしながら,飢餓に瀕する1億5,000万人ともいわれるアフリカ被災民のニーズは充足に程遠い状態にある。
3) 私は,旱魃による被災は戦争と同様,世界の安定と平和への脅威であると痛感し,緊急援助はもとより中・長期的観点に立脚した対アフリカ食糧・農業関係援助を積極的に推進し,アフリカの自助努力を支援していくことが必要かつ重要であることを,広く国際社会に対し,訴えると同時に,こうした支援活動の効果的実施のためには,援助国間及び援助国・被援助国間の情報と意見交換が従来にも増して重要であることを強調したい。
4) 私は,飢餓に瀕するアフリカの被災民を救済し,次代を担うアフリカの子供達に未来を与えることが緊急であることをここに訴える次第である。