[文書名] 日本国とアルゼンティン共和国との間の友好通商航海条約,議定書
日本国とアルゼンティン共和国との間の友好通商航海条約(以下「条約」という。)に署名するに当たり、下名の全権委員は、各自の政府から正当に委任を受け、さらに、条約の不可分の一部と認められる次の規定を協定した。
1 第二条1の規定に関し、いずれの一方の締約国も、他方の締約国が相互主義に基づく特別協定によりいずれかの第三国の国民に与えているか又は将来与える旅券及び査証に関する事項についての利益の享受を要求する権利を与えられない。
2 この条約において「会社」とは、商業、工業、金融業その他営利を目的とする事業活動に従事する社団法人、組合、会社その他の団体をいう。
3 第五条4の規定は、いずれか一方の締約国の領域内で収用され、又は使用される財産で他方の締約国の国民及び会社が直接又は間接に利益を有するものについても適用する。
4 第六条2(a)の規定に関し、いずれの一方の締約国も、不動産に関する権利の享有についての待遇が相互主義に服すべきことを要求することができる。
5 第八条及び第九条の規定は、いずれか一方の締約国が内国漁業の産品に与える特別の利益には適用しない。
6 第十二条6の規定に関し、両締約国が船舶の積量測度のために用いる規則又は制度は、相互に同様なものであると了解される。
7 条約のいかなる規定も、アルゼンティン共和国に対し、日本国が、(a)千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第二案の規定に基づいて日本国がすべての権利、権原及び請求権を放棄した地域に原籍を有する者に対し、又は(b)同平和条約第三条に掲げるいずれかの地域に対する行政、立法及び司法に関し同条後段に掲げる事態が継続する限り、同地域の住民及び船舶並びに同地域との貿易に対して与えているか、又は将来与える権利及び特権の享受を要求する権利を与えるものと解してはならない。
以上の証拠として、各全権委員は、この議定書に署名調印した。
千九百六十一年十二月二十日に東京で、日本語、スペイン語及び英語により本書二通を作成した。解釈に相違がある場合には、英語の本文による。
日本国のために
小坂善太郎
アルゼンティン共和国のために
M・A・カルカノ