[文書名] キューバ問題に関するケネディ米国大統領あて返書
キューバに供与されている武器は防禦的なものだけであるとの屡次の声明にもかかわらず、南北アメリカの大部分に核弾頭を運搬できる攻撃的なミサイル発射基地をソ連政府が秘密裡にキューバに設置していることは、米州諸国の安全に対する重大な脅威であるばかりでなく、戦後今日まで世界の平和を支えてきた国際的均衡を著しくくずすものであります。私は、このような情勢の下で貴国と米州諸国が一大決意をもって、今回のような措置をとらざるをえなかった立場を十分理解いたします。
私は、国際連合がこの問題を世界平和に重大な関係のある事項としてとりあげ解決に努力すべきであると信じます。すでにこの問題は貴国政府の発意によって国際連合でとり上げられておりますので、私は、国際連合の場で一日も早く平和的な解決が図られることを期待しております。したがって、日本政府としては、その方向にそって努力しておられる貴国政府の立場を強く支持するものであり、今後とも貴国政府と積極的に協力して、平和的解決を促進するため努力する考えであります。
私は、すでにニュー・ヨークの国連代表に対して、この日本政府の方針にそって貴国の国連代表と緊密な連絡を保ちながら、平和的解決の達成のためあらゆる努力をつくすよう訓令しました。