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政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 改正後の原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカナダ政府との間の協定第三条1及び2の実施に関する日本国政府とカナダ政府との間の交換公文

[場所] オタワ
[年月日] 1983年4月14日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

改正後の原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカナダ政府との間の協定第三条1及び2の実施に関する日本国政府とカナダ政府との間の交換公文


(カナダ側書簡)

 書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、千九百五十九年七月二日にオタワで署名され、千九百七十八年八月二十二日に東京で署名された議定書によつて改正された原子力の平和的利用における協力のためのカナダ政府と日本国政府との間の協定(以下「改正後の協定」という。)、特に、その第三条1及び2(特定物質は、いずれか一方の当事国政府の管轄の外に移転してはならない(ただし、他方の当事国政府の文書による事前の同意がある場合には、この限りでない。)旨の規定及び特定物質は、供給当事国政府の文書による事前の同意がない場合には、受領当事国政府の管轄内において、再処理してはならず、また、特定物質であるプルトニウムは、供給当事国政府の文書による事前の同意がない場合には、受領当事国政府の管轄内において、貯蔵してはならない旨の規定を含んでいる。)に言及する光栄を有します。

第一部

1 両政府の担当者は、再処理並びにこれにより生じたプルトニウムの貯蔵及び使用に関する問題につき、国際核燃料サイクル評価(INFCE)の関連の結論を基礎として討議を行つた。討議の結果、次に要約する一般的に妥当する指針が両政府が賛成し支持を与えることができるものとして明らかになつた。

(a) 再処理並びにプルトニウムの貯蔵及び使用がその管轄内において行われる政府は、核不拡散という実効のある誓約を行つているべきであり、かつ、これを維持すべきである。

(b) 再処理並びにプルトニウムの貯蔵及び使用に係る施設内にあり平和目的に利用する旨が約束されているすべての核物質に対しては、IAEA保障措置を適用すべきである。

(c) 再処理並びにプルトニウムの貯蔵及び使用に係る施設内にあるすべての核物質並びにこれらの施設の間の核物質の輸送については、千九百七十八年二月のIAEA文書INFCIRC-二五四中の関連の記述の示すところに沿つて、適切な防護の措置をとるべきである。

(d) 関係政府の間に相互に満足し得る通告及び物質関係報告のための手続が存在すべきである。

(e) 再処理並びにプルトニウムの貯蔵及び使用が想定されている場合には、関係政府は、再処理並びにプルトニウムの貯蔵及び使用に関連する政策、法令及び規制の解説と共に現在の及び予定中の原子力計画の表を提示しておくべきである。

(f) 関係政府は、定期的かつ適時の協議を行うべきである。協議においては、なかんずく(e)にいう現在の及び予定中の原子力計画の表を適宜更新し及び同表の対象である原子力計画における重要な変更について十分に検討を行うべきものと期待される。

(g) 再処理並びにプルトニウムの貯蔵及び使用は、(e)にいう現在の及び予定中の原子力計画の表が提示されており、この指針において想定されている措置がとられ、かつ、再処理並びにプルトニウムの貯蔵及び使用が前記の表の対象である原子力計画の一部を成している場合、又は再処理若しくはプルトニウムの貯蔵若しくは使用が前記の表の対象である原子力計画の一部を成していないが関係政府が迅速な協議を行つて結論を得た場合にのみ行われるべきである。

(h) 再処理並びにプルトニウムの貯蔵及び使用は、その管轄内においてこれらのことが行われる政府の核不拡散という誓約に変化がなく、かつ、(f)にいう定期的かつ適時の協議が引き続き行われる場合にのみ行われるべきである。

2(a) 本大臣は、核拡散の危険を減少させるためにプルトニウムの分離、貯蔵、輸送及び使用には特別の注意が必要であること並びに再処理及びプルトニウムに係る国際的保障措置その他の核不拡散措置の改善に支持が与えられるべきであることを両政府が確認していることに留意します。本大臣は、更に、特に、大規模な原子力計画が存在する場合について、入手可能な資源の最大限の利用、使用済燃料の管理及び研究を含むその他の原子力の平和的非爆発目的利用との関連における再処理の役割を両政府が認識していることに留意します。

(b) 本大臣は、また、核不拡散の目標の推進を確保するという両政府の決意及びそれぞれの国の原子力計画における長期的な必要性を勘案して両政府が改正後の協定の関係規定の予見可能かつ実際的な実施を希望していることに留意します。

(c) 本大臣は、更に、改正後の協定が両政府間において効力を有しており、かつ、カナダ及び日本国の両国が核兵器の不拡散に関する条約の締約国であることに留意します。よつて、本大臣は、日本国政府が核不拡散という実効のある誓約を行うとともにすべての核物質をIAEA保障措置及び適切な水準の防護の措置の下に置いていること、相互に満足し得る通告及び物質関係報告のための手続が、特に、前記の議定書に関連して行われた千九百七十八年八月二十二日付けの両政府間の交換公文に基づいて設置された合同作業委員会において作成されていること、現在の及び予定中の日本国の原子力計画の表が提示されていること、並び改正後の協定が協議(定期的に、かつ、適時に行われてきており、引き続きそのように行われるものと考えます。)について規定していることを確認します。本大臣は、したがつて、前記の指針の目標を達成していることにつき両政府間に意見の一致があることに留意します。

第二部

 前記のことにかんがみ、本大臣は、次のことをカナダ政府に代わつて提案する光栄を有します。

1 3の規定に従うことを条件として、カナダ政府は、特定物質の日本国政府の管轄内における再処理及び特定物質であるプルトニウムの日本国政府の管轄内における貯蔵に対する改正後の協定第三条2にいう同意並びに再処理のための特定物質の日本国政府の管轄の外への移転に対する改正後の協定第三条1にいう同意をここに与える。

2 3の規定に従うことを条件として、カナダ政府は、次の(a)及び(b)に掲げることをここに確認する。

(a) 日本国から移転された特定物質は、第三国において再処理することができること。

(b) そのような特定物質は、再処理後に、当該第三国から日本国に再移転することができること。

3 1及び2の規定は、次の(a)から(d)に掲げることを条件として適用する。

(a) 再処理、貯蔵、移転又は再移転が現在の及び予定中の日本国の原子力計画の表(必要な場合には、日本国政府が更新する。)の枠内で行われること。

(b) 改正後の協定が効力を有していること及び核兵器の不拡散に関する条約が日本国について効力を有していること。

(c) 改正後の協定の適用から生ずる事項についての協議(なかんずく現在の及び予定中の日本国の原子力計画の表を定期的に更新し及び同表に係る重要な変更についての情報を提供するための場とすることが意図される。)が引き続き適時に行われること。

(d) 再処理のための特定物質の日本国政府の管轄の外への移転であつて第三国(国家の集団を含む。)向けのものに関しては、当該特定物質がカナダと当該第三国(国家の集団を含む。)との間の原子力協力協定の対象となること及びカナダと当該第三国(国家の集団を含む。)との間に再処理委託に関する合意が存在すること。

4 現在の及び予定中の日本国の原子力計画の表の枠外で行われる特定物質の再処理、貯蔵及び移転に対する改正後の協定第三条1及び2に基づくカナダ政府の事前の同意に関し、カナダ政府は、日本国政府の要請があつた場合には、改正後の協定に規定する協議を行う。協議は、要請が行われてから四十日以内に行われるものとする。

 本大臣は、更に、前記のことが日本国政府にとつて受諾し得るものであるときは、英語及びフランス語を正文とするこの書簡の第二部及び閣下のその旨の返簡が両政府間の合意を構成するものとみなし、その合意が閣下の返簡の日付の日に効力を生ずるものとすることを提案する光栄を有します。

 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かつて敬意を表します。

 千九百八十三年四月十四日にオタワで

 カナダ外務大臣 A・J・マケッカン

 日本国特命全権大使 御巫清尚閣下



(日本側書簡)

 書簡をもつて啓上いたします。本使は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。



(カナダ側書簡)

 本使は、更に、閣下の書簡の第二部に盛られた提案が日本国政府にとつて受諾し得るものであることを確認するとともに、閣下の書簡の第二部及びこの返簡が両政府間の合意を構成するものとみなし、その合意がこの返簡の日付の日に効力を生ずるものとすることに同意する光栄を有します。

 本使は、更に、日本国政府は閣下の書簡の第一部1に述べられた指針に賛成し支持を与えることができる旨及び同書簡の第一部2は日本国政府の理解しているところを正確に反映している旨を述べる光栄を有します。

 本使は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かつて敬意を表します。

 千九百八十三年四月十四日にオタワで

 日本国特命全権大使 御巫清尚

 カナダ外務大臣 A・J・マケッカン閣下