データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第三次日中民間貿易協定延長に関する書簡

[場所] 
[年月日] 1956年4月24日
[出典] 日中関係基本資料集、106‐107頁.
[備考] 
[全文]

日中貿易促進議員運盟

国際貿易促進協会

中国国際貿易促進委員会

副主席 雷住民先生

 一九五五年五月四日東京において貴国日本訪問貿易代表団と日本国際貿易促進協会および日中貿易促進議員連盟との間に調印された第三次日中貿易協定は、日中両国間の貿易の促進と拡大のうちに大きな役割を果たしました。これによって双方の取引は、わが国よりの一九五五年五月より一九五六年二月までの輸出実績九百万英ポンド(三〇%)、輸入実績は二千三百四十万英ポンド(七八%)に達し、また貴国商品見本市が東京、大阪の両地において成功裡に開催されるなどの相当の成果をみましたことは御同慶の至りに存じます。

 しかしながら協定締結以来今日まで、協定商品のココム禁輸解除その他の重要条件がいまだに解決を見るに至らなかったことはまことに遺憾に存じます。

 日本側としては、今後とも引続き協定の実現にむかって努力するとともに、すみやかに政府間において貿易協定が締結される段階の来らんことを期待するものでありますが、現行協定の有効期間は来る五月三日までにて、余すところ旬日となりましたので、当面無協定状態の出現を避けるため、この際第一二条の規定に従い現協定の有効期間を、一九五六年五月四日より一カ年延長することを提案いたします。

 日本側としては、幸いにして右提案が貴方によって御同意を得ますならば、その間現行協定中未解決の諸事項、例えば支払協定並びに通商代表部設置等についても、問題解決への前進を図るため努力するとともに今年度の日中貿易総額の増額、ならびに商品分類等の検討など今日の実情に即応しうるよう御協議いたしたき希望をもっております。

 なお、延長期間中といえども、なるべくすみやかに、第四次協定を締結しうるよう努力する考えであることも申添えます。

 右に関し、貴方の御意見を承りたく存じます。

 追而当方の照会にたいし、御同意を得ました場合は、これをもって現協定有効期間延長にかんする手続完了と認めたいと存じますが、この点にたいしましても、併せて、御回答賜らば幸に存じます。

 一九五六年四月二十四日