[文書名] 日中両国人民間の文化交流に関する共同声明
日本中国文化交流協会理事長中島健蔵は,中国人民対外文化協会の招きを受けて中国を訪問し,中華人民共和国成立十五周年の祝典に参加したのち,日中両国人民間の文化交流をいっそう促進するために中国人民対外文化協会会長楚図南および中国の文化各界の諸団体の責任者と親密かつ友好的な会談をおこない,次のように意見の一致を見た。
双方は,日中両国人民の友好運動が日ましに活発になっている現在の状況のもとで,日中両国人民の文化交流をさらに大きく発展させることは,両国人民の願望と歴史の潮流の要求に完全に合致するものであることを確認した。
1964年の日中両国人民の文化交流の活動は,1963年にくらべて,長足の進展がみられる。1965年の日中両国人民の文化交流が,ここ数年来の発展を基礎として,いっそうのひろがりと深まりを持ち,いっそう豊富多彩なものとなり,ますます日中両国人民の希望を反映するものとなることは疑いをいれない。
日本各界25人の発起した日中国交回復の呼びかけと三千万の署名運動は,いま日本の津々浦々にまで大きな反響を呼び,強い支持を受けている。中国側は,日中の友好と日中両国人民間の文化交流のために努力している日本の友人たちの活動,わけても日本中国文化交流協会の責任者たちがこの運動の発起人となり,活動をひろげていることに対して,深い感動を受けたことを表明した。日本側は中国人民の断固たる決意にもとづく社会主義建設の成功を親しく確認し,深い感動を受けたことを表明した。
双方は,ここ数年来の文化交流の活動と努力によって,両国の文学,芸術,学術,科学,報道,体育,宗教等各方面の交流がいずれも着実に前進し,両国文化界,両国人民の相互間の理解と友好関係が飛躍的に増進したことを認めた。日中両国人民の友誼の高揚とともに,日中両国人民の文化交流の新しい高まりの展望が,すでにわれわれの目前にひろがっている。
日中両国人民の文化交流は,“二つの中国”の陰謀に反対し,日中国交の正常化を促進する上にも,アジア・アフリカ人民の団結を強め,民族の文化を発展させる上にも,またアジアと世界の平和を守る上にも,重要な意義をもっている。たとえ,アメリカ帝国主義と,日中友好を敵視するその他の勢力が,あらゆる方法をめぐらしてこれを破壊しようとしても,日中友好の歴史の進展をはばむことはできない。双方は,あらゆる人為的な妨害を排除して,日中両国人民の文化交流を大きくくりひろげることが,進歩をめざす日中両国の文化関係者の歴史的使命であることを確認した。
したがって,日本中国文化交流協会と中国人民対外文化協会とは,ひきつづき緊密な連絡と協議とを通じて,両国人民間の文化交流計画の実現をいちだんと促進することを決定し,今後の具体的な交流計画について,この共同声明にもとづく覚え書を交換した。
日本中国文化交流協会理事長 中島健蔵(署名)
中国人民対外文化協会会長 楚図南(署名)
1964年10月8日北京にて