データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 羽田空港到着の際の田中総理のステートメント

[場所] 
[年月日] 1972年9月30日
[出典] 日中関係基本資料集、436頁.
[備考] 
[全文]

 ただ今、中国訪問から帰って参りました。私は、大平外務大臣、二階堂官房長官と共に、日中国交正常化の為に、国益を踏まえ、微力を致して参りました。この重大な使命が達成されましたことは、ひとえに、国民各層の御支援の賜物であったと信じております。

 日中国交正常化は、日中両国民の長い間の願いであり、アジアの平和の基礎を作るものであります。この課題は、今日の国際情勢、ひいては大きな歴史の流れの中でとらえ、いつか、誰かが果たさなければならない仕事であったと信じます。

 この意味において、私は日中の友好関係を発展させると共に、第三国との友好関係を一層増進することを念願して今後の外交を行いたいと思います。

 終りに臨み、私どものこのたびの訪中にあたって、国民各層からよせられた御協力に対しまして、ここに改めて心から感謝申し上げる次第であります。