[文書名] 日中協会設立総会における三木内閣総理大臣祝辞
三年前の今日は,日中国交正常化が成った歴史的な日であります。
その三周年に当たり,ここに日中協会設立発起人会,並びに設立総会が開催されましたことは,まことに意義深きものがあります。
本日,ここには日中外交関係の樹立,友好関係の増進に尽くされた数多くの方々,中国流に申せば『古い友人も新しい友人』も皆様お集まりであります。
困難なる時代を乗り切って,日中関係打開に挺身された先覚の功績は不滅でありますが,新しい時代の到来とともに,日中永遠の友好を念願する各層の幅広い支持者を一丸とした日中協会が発足の運びとなりましたことは,日中永遠の親善友好のために,まことに喜ばしきことであります。協会の発展を祈ってやみません。
三年前のきょう,北京において,田中総理と周総理との間で,日中共同声明が署名されました。その後,国際情勢にもいろいろの変化がありました。しかし,両国首脳が厳粛に誓約した日中共同の決意には,いささかの後退もあってはなりません。
私は日中共同声明に基づき,日中平和友好条約の締結に最善の努力を傾ける強い決意でありますことをここに重ねて表明して,祝辞にかえる次第であります。