データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日韓大陸棚共同開発協定の自然発効についての中国外交部の声明

[場所] 
[年月日] 1977年6月13日
[出典] 日中関係基本資料集、503−504頁.
[備考] 
[全文]

 大陸だなが陸地領土の自然延長であるという原則にもとづき、中華人民共和国は東中国海大陸だなにたいして侵すべからざる主権を有している。さいきん、日本政府は中国政府の断固たる反対を無視して、国会の会期延長という方法を利用して、東中国海大陸だなにおいて一方的に「共同開発区」を画定したいわゆる「日韓大陸だな共同開発協定」を国会で「自然承認」に持ち込んだ。中国の主権を公然と侵害する日本政府のこの行為にたいし、中国政府は厳重に抗議する。

 いわゆる「日韓大陸だな共同開発協定」が一九七四年一月三十日に調印されてから、中華人民共和国外交部のスポークスマンはただちに同年の二月四日権限を受けて、日本政府と南朝鮮当局が中国をさしおいて東中国海大陸だなにおいていわゆる日韓「共同開発区」を画定することは、中国の主権を侵害する行為であり、中国政府の絶対に同意することのできないものである、と厳かに声明した。その後、中国政府はたびたびこの立場を明らかにした。さいきん、日本政府が提出したこの「協定」の国会討論中に、中国政府は重ねて日本政府にきびしくつぎのように指摘した。−この「協定」は中国の主権を侵害しており、もしも日本政府が中国政府の意見を無視して、この「協定」を今国会で採択せしめるならば、それは中日関係の発展に有害であり、中国政府の絶対に同意することのできないものである。日本側が中日両国の友好関係を重んじ、慎重に中国政府の意見を考慮されることを希望する—。いま、日本政府は中国政府の度重なる意見表明をまったく無視して、中国の主権と中日関係発展の利益を顧みず、強引にこの「協定」を発効させ、かたくなに中国の主権を侵害する挙に出た。日本政府はこれによって生じるすべての結果に全責任を負うべきであることを中国政府は再び指摘する必要があると考える。

 中華人民共和国外交部は権限を受けてつぎのように声明する。東中国海大陸だなは中国大陸領土の自然延長であり、中華人民共和国は東中国海大陸だなに対して侵すべからざる主権を有しており、東中国海大陸だなの他の国家にかかわる部分は中国と関係国が話し合いによっていかに画定するかを決めるべきである。日本政府は南朝鮮当局とともに中国をさしおいて、いわゆる「日韓大陸だな共同開発協定」を一方的に調印したが、それはまったく非合法であり、無効である。いかなる国家、いかなる個人も、中国政府の同意なくして東中国海大陸だなで勝手に開発活動を行なってはならない。さもなければ、それによってひき起こされるすべての結果に対して全責任を負わなければならない。

(一九七七・六・二十一、北京周報)